表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/80

魔法少女☆旅行(16)

 那須ステンドグラス美術館は喫茶コーナーが一番だったり(はぁ)

「どうぶつ王国はどうだった、舞香?」

「楽しかったです! 特に猫さんとか猫さんとか猫さんとか猫さんとか!

 あと……ペンギンさんの散歩とかも」

「そ、そうか……」

 暖かな日差しが車内を優しく照らし出す。

 時折眠そうにする舞香に、声を掛けた俺は若干引き攣りながら答えた。

「そういえば、次の恭介さんのお勧めのとこって何処なんですか?」

「ああ、もうすぐ……ほら、見てきたぞ」

「わあ……」

 森を抜けるとそこには石造りの瀟洒なお城が聳え建っていた。

 那須ステンドグラス美術館。

 中はシックで落ち着いた内装になっており、流れるパイプオルガンの調べが心を癒す。

 隣りには礼拝堂が併設されており、運が良ければ結婚式も見れる。

 派手好きではない舞香はこの雰囲気が気に入ったようだ。

 受付を済ませ館内に入ってからは完全に夢見る少女モードだ。

 共に歩む俺の事すら忘れて建物内を散策している。

(うん。相性バッチリだな)

 俺は心奪われてる舞香を横目で見ながら内心ガッツポーズを取るのだった。



「すみません、恭介さん」

「何故謝る。気に入ったんだろ? なら良かったよ」

 隣りの礼拝堂へ進む道を歩きながら、舞香は気にしたように話し掛けてきた。

「まあ舞香の好みに直球だったからな。どうだった?」

「はい。落ち着いた雰囲気がとても……あっ」

 喜び勇んで答えようとしたまま固まる舞香。

 そこでは周囲の人々から祝福を受け礼拝堂から出てくる、華やかな新郎新婦の姿があった。

「いいなぁ……」

 羨む様に呟く舞香。

「……いつか、わたしも……」

「近くに行って参加してみるか? ここは見学者も自由に参加できるみたいだし」

 職員が道行く人に花びらを渡し、撒いてくれるよう頼んでるのを指差し聞いてみた。

「はい♪」

 俺の提案に舞香は上機嫌で応じるのだった。



「んで。どうするんだ、ソレ」

 ホテルへ向かう道中。

 俺は助手席で笑み崩れている舞香の膝上を見て聞いてみた。

 そこには可愛い白のブーケが鎮座していた。

 先程結婚式に参加した際、ブーケトスまで見てたのだが、新婦さんが怪力だったのか、はたまたいかなる運命の悪戯か、遠くで見ていた俺達の方に飛んできたのである。

 すっぽり舞香の手元に嵌ったブーケを見て俺は苦笑するしかない。

「ん~せっかくのブーケですし……大切に保管しちゃいます」

「まだまだ使う予定はないだろ?」

「分からないですよ? あと4年したら結婚できますし」

「寂しい事言うなよな。それに……相手もいないだろ?」

「いるかもしれませんよ。すぐ近くに(ぼそっ)」

「え!?」

「あ、ほら恭介さんよそ見しないで! わたし、今日はフレンチが食べたいです★」

「はいはい。どれ、飛ばすから掴まってろよ」

「え? きゃあああああ~~~~」

 俺は法定速度ギリギリで舞香を揺さぶりながら、エピナールへ向かうのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ