表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/80

魔法少女※回想(4)

 お肉が美味しい!

 口の中でチョコレートみたいに溶けてゆくお肉の、芳醇な味を堪能しながらわたしは感嘆した。

 初めて食べたしゃぶしゃぶだけど、お肉と野菜をお好みで食べれる感じが凄くヘルシーでいい。

 タレも自分で調節できるし、この「しゃぶしゃぶ」する動作が面白い。

 恭介さんの視線が少し気になるも、二人でいっぱい食べてしまった。

 今は食後のデザートを食べてるとこである。

 地元の牧場で作られたアイスクリームらしいけど、濃厚で美味しい。

 っていうか、全部が美味し過ぎて困る。

 体重の事を心配したら、恭介さんが手元のお酒を勧めてきた。

 えっ……関節キスになっちゃうんじゃ?

 でも興味あるし……。

 という訳で、少しだけ冒険してみることに。

 恐る恐る舌先で舐めてみる。

 あ、美味しいかも……。

 大人の階段に足を踏み出した感じだ。

 だがそんなわたしを子供扱いする恭介さん。

 少し……いや、かなり面白くない。

 わたしが大人のオンナというとこをアピールしてみせる!

 わたしはグラスを呷ると、その中のものを確認もせずに飲み込んだ。

 ほらね、これでわたしもオトナのおんにゃ……アレ?

 明暗する視界、力が入らないカラダ。

 意識が断絶的になって……そこで「わたし」の意識は途切れる。



 話は冒頭に戻り、次の日の朝。

 目を覚ましたわたしの前のベットには恭介さんが寝ていた。

 あまりの衝撃に脳の認識が追い付かない。

(え~~っと昨日は確か……)

 曖昧な意識を総動員する。

 背負われるわたし。

 暖かい彼の背中と優しいテノール。

 口から零れる数々の告白。

 結果、絶望。

 わたしは窓から飛び降りたい衝動を堪え、ベットで転げまわっている次第である。

(わ、わたしってばトンデモナイことを……!!)

 恋する女の子は忙しい。

 好きな人と結ばれたい。

 でも神様。

 こんなサプライズは酷過ぎませんか?

 わたしは自爆したくなる気恥ずかしさに、そっと涙を流すのだった。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ