魔法少女☆旅行(10)
やっと初日が終了です(はぁ)
送迎バスを降りた後、今だクタクタの舞香を背負いマンションの部屋目掛け歩き出す。
都会にいる時は気付かないが、星空が綺麗だった。
喧騒を離れ高原の澄んだ空気をゆっくり吸い込む。
(こういうのも悪くないな……)
本館とマンションを結ぶ庭園を歩きながら俺は思った。
「ねえーひょうすけはん」
「何だ、酔っ払い」
「きょうはすごくたのしかったれす」
「そうか。それは良かった」
「あのれすね」
「ん?」
「わらし、ず~~~~~~っとひょうすけはんのことすきらったんれすよ?」
「そうなのか?」
「はい。だからいつかおよめはんにしてくらさいね?」
「ああ、舞香が大人になったらな」
「む~(>、<)わらし、もうおとなれす。あかちゃんだってうめまふもん」
「子供が何を言ってんだか。俺から見ればまだまだ子供だよ」
「まいかはおとなれふ! えらいひとにはそれがわからないのれふ!」
「いい大人の女性ってのは、酔っぱらって男に背負われたら抱き締めながら寝るもんだぞ?」
「ほんろーれふか? じゃあまいかもおとなのおんなになりま~ふ。
おやふみなさ~い、ひょうすけはん。だいすきれふ」
言うだけ言うと幸せそうに涎を零し寝入る舞香。
「まだまだ子供だよ、可愛いお姫様」
俺は舞香がずり落ちない様に背負い直すと、マンションの扉を開け寝室に舞香を横たえるのだった。




