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魔法少女※告解

 女の子は生まれながらの小悪魔らしいです(はぁ)

「所詮男なんてケダモノよ。

 舞香、あんた可愛いんだから精一杯その武器を使いなさい」

 そうわたしに力説する文奈ちゃん。

 彼女とは親友だけど、ちょっとテンションの高さについていけないとこがある。

「しかし堅物のあんたが人を好きになるなんてね~あたしは嬉しいわ。

 何か写真でもある?」

 わたしは旅行先で撮った恭介さんとのツーショト写メを携帯に提示する。

 写メを見て固まる文奈ちゃん。

「渋くてカッコイイ……あたしにも紹介して?」

「絶対ダメ」

 幾ら親友の頼みでも、それだけは駄目。


 

 あの旅行へ行ってから、わたしと恭介さんは変わったと思う。

 まず、いい意味で遠慮がなくなった。

 ママと別れてからどこかギクシャクしていた関係が、まるで潤滑油を差したかのように好調に走り出していった。

 それは多分、わたしが原因だったからだ。

 以前のわたしは恭介さんを意識する余り、冷たい反応や突き放した態度を取ったりと彼を困惑させてばかりいた。

 でも……あの日。

 夕日が落ちた海岸。

 淡い薄暗闇の中で恭介さんが言ってくれた言葉が、わたしを縛っていた鎖から解き放ってくれた。

 わたしは恭介さんが好き。

 それはもう抑えられない、本当の気持ち。

 だから素直になってみようと思った。

 心の奥底から蠢き出す衝動のまま、恭介さんに甘えてみる。

 わざとお風呂上りに肩を寄せたり、膝枕をお願いしてみたり。

(女の子は怖いんですよ?)

 旅行前なら気付かなかったが、そんなわたしを恭介さんが意識してるのが分かった。

 すごく嬉しい。

 わたしを娘じゃなく、女性と思ってくれてるのが。

 今も少し距離を……と提案してきた彼に、ちょっと露骨だな~っと思いつつ上目遣いをしてみる。

 無論彼が断われないのを知ってるのに。

(わたし、性格悪いのかも……)

 自覚しつつも恭介さんの傍を離れられない、離れたくない我儘なわたし。

 ホント恋の悩みほど甘いものはなく、恋の嘆きほど楽しいものはなく、恋の苦しみほど嬉しいものはなく、恋に苦しむほど幸福なことはない。



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