魔法少女☆車中
まだまだいくよ~★(はぁ)
愛車で高速を飛ばす事一時間。
目的地であるハワイ○ンズが見えてきた。
俺は前身であるハワイアンセンターの頃に来た思い出しかない。
その頃はでっかいプールとアロハを踊るお姉さんがいる、ちょっと小汚い所なイメージが強かった場所だったが、時代の流れに押され改装を重ねたのだろう。
今は有名ホテルもかくやという御立派なテーマパークに生まれ変わっていた。
「そろそろ着くぞ、舞香」
助手席に座る舞香に声を掛ける。
白いワンピースに青のミュール。
連休を前に上昇する気温には丁度いい服装だろう。
窓から流れる風で靡く髪を押さえながら舞香は振り返った。
「もう到着ですか……早いですね」
「高速を使えば意外と近いんだよ。俺が小さい時に来た頃は、県道しかなかったから大変だったぞ」
「恭介さんの小さい時って……どんな感じだったんです?」
「一言でいえば悪ガキ、だな。いつも悪戯ばかりして叱られていた気がする」
「フフ……今とあまり変わらないんじゃないんですか?」
「おいおい。30半ばの男を掴まえてそれはないだろう」
娘にからかわれ、少し憮然とする俺。
そんな俺の様が面白いのか、舞香はクスクスと笑みを洩らす。
「ごめんなさい。つい、おかしくって」
「まあいいさ。ところでさっきから気になってるんだけど、その膝のバスケットは何?
もしかして定番の?」
「秘密です。バレバレでしょうけど、知らない振りをするのがセオリーです」
「はいはい。それじゃ行きますか、お嬢様」
俺は駐車場に車を止めると、おどけながら助手席のドアを開け舞香をエスコートするのだった。




