表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界観光ツアーの添乗員ですが、真面目すぎる護衛に命がけで守られました ――三日間の仕事のはずが、また会いたい人ができました――  作者: ねねこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/13

エピローグ

 翠華国へ行くゲートがあるロビーは、今日も観光客で賑わっていた。

 最近、翠華国の隣の国も観光を受け入れるようになり、一気に観光客が増加したのだ。


 私はカウンターの横に立ちながら、参加者リストを確認する。

「エターナルトラベル翠華国ツアーにご参加の皆さん、こちらにお集まりください」

 私の声に、ツアー客の皆さんが集まってくる。

 初めての人もいれば、リピーターもいる。

 あ、木下さん……じゃない、今は大野さん。

 今回もご夫婦で参加ね。

 木下さんはあれからあの時のカメラ好きの青年、大野さんとお付き合いを始め、今ではご夫婦で翠華国への旅のリピーターになっている。

 私ももう何度か行ってるのだけど、毎回リウさんには会えなかった。

 そのたびにがっかりした。

 

 異世界観光ツアーは、最近ますます人気が高くなっていた。

 まず、ゲートをくぐるだけで行ける気軽さ。飛行機と違い、目的地までの移動時間がほとんどないことも、改めて人気の理由になっている。

 そして何より安全管理が徹底されているからだ。


 ――あの事件のあと、警備体制は大きく見直された。

 ゲート付近には王国の魔術師団が常駐するようになり、護衛も増えた。


 あの日のことは、公式には「小規模な魔術事故」として処理されたらしい。


 もちろんツアー客の皆さんには、何も起きなかったことになっている。

 それでも。

 私にとっては、忘れられない旅だった。


「それでは皆さん、これから異世界、翠華国へご案内します」


 私はそう言って、笑顔を作る。

 胸のポケットの中で、小さな石が触れた。

 あの時の魔導石。


 もうただの石になってしまったけれど、なぜか捨てる気にはなれなかった。

 私はそっとポケットの上からそれに触れる。


 ――また、あの世界に行く。


 ゲートの光が静かに揺れている。


「それでは、順番にどうぞ」


 ツアー客の皆さんがゲートへ進んでいく。


 そして。


 最後に、私もその光の中へ足を踏み入れた。

 視界が白く染まる。

 次の瞬間。


 見慣れた広場が、目の前に広がった。

 

 そして――。


「ようこそお越しくださいました」


 聞き覚えのある声がした。


 そこには。


 見覚えのある、真面目すぎる護衛が立っていた。

 彼の手には、見覚えのあるハンカチ。

 私は思わず笑ってしまう。


「お久しぶりです、リウさん」


 彼は、ほんの少しだけ目を細めた。


「ええ」


 そして静かに言う。


「また、あなたの旅を守ります」


 うん、やっぱり真面目な人だ。

 たぶん私はもう一度そんなあなたに会いたかった。

もうちょっと恋愛色強めに出したかったのですが、個人的好みでお仕事色強めになってしまいました……。反省。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ