昼下がりの風花
保健室からトボトボ教室まで戻っていた。
気づけば昼休みになっていた。人のざわめきも気にならないり
教室に戻ると白鷺くんが話しかけてきた。
「椛さん!美智也くんが呼んでる。急いで校舎裏行って」
その言葉を聞いて体は勝手に動いてた。私の足はふらついていなかった。
校舎裏まで時間は掛からなかった。
「美智也くん!」
私の瞳には彼しか映っていない。
「………椛さん」
私は見えない結界を破って彼に近づく。体を起こしてこちらを見つめる彼は優しく焦りが見える。
「その…昨日は…」
彼がそう言いかけた時私は人差し指で彼の口を塞いだ。
「私から言わせて!」
彼はコクリと頷き口を閉じた。
「昨日はごめんなさい!あんな事して…嫌いじゃない!好き!大好きなの!でも……美智也くんの純粋な心を汚したくなかった…」
もう我慢出来ずに抱きついてしまった。突き放されたらどうしよう。不安で胸の動きが速くなる。
「僕もごめんなさ…」
私は今度は唇で彼の口を塞ぐ。
言わせない。ごめんなさいなんて。
彼は目を見開いて驚いているが少し目を閉じて私を受け入れた。
余韻が残る中、唇をそっと離す。
「謝らないで。何も悪くない。私がもっと美智也くんみたいに純粋だったら…」
言葉が詰まり俯いたその時、彼は私の顎を掴んでそっと目線を合わせた。そして私にキスをした。
抵抗はしなかった。体の力も抜けた。
「僕は純粋じゃなんかじゃない…君が思ってるより黒くて…嫉妬もしてた!」
「え…美智也くんが…でもそんな素振りなかった…」
「席替えで離れた時とか…すっごくモヤモヤした!」
「私も…嫉妬とかあった…美智也くんが家に来たとき…甘えるのが怖かった……はしたない見せたくないから……」
「…僕がいくらでも受け止める。素直になって甘えても良いんだよ」
私はその言葉に涙を流す。嬉しくて嬉しくて感情が溢れ出した。
「ありがとう…ありがとう!」
私は体の全てを彼に預ける。
「良かった…嫌われてなかった。これから本音で話し合いたい」
「所で…朝にいた…人誰なの?」
「委員長だよ。ちゃんとノート提出してって言われてて…」
「なんだ…勘違いだった…」
私はただ無邪気に笑う。
「案外抜けてる一面あるんだね」
「もう…君も提出してないでしょ」
「なんで知ってるのよ」
風に揺られ赤花がゆらりと揺れていた。
「「大好きだよ」」
――――
12月3日
今日は愛しの彼と仲直りできた。夢のような出来事だった。
帰り道で彼とまた笑って話せる事が幸せだと気づけて良かった。
彼とキスをした事は少し恥ずかしかったけど後悔は無かった。でも彼からしてきた時はびっくりしたけど。
明日も彼に会えるのが凄い楽しみ
――――
私は日記帳を閉じる。これから毎日日記帳を書くことにした。
少しでも気持ちを落ち着かせるために。机から見える景色を見ると感慨深くなる。
夜風が吹いてカーテンを揺らす。
独り言を呟いて窓を閉める。
「おやすみ。良い夢見てね」
彼にメールを送る。
夢の中で彼に会えますように。
願いを込めて目を閉じた。




