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ポツポツと雨が降ってきた
最近は雨降りの日が多い
ニンゲンはこの時期を梅雨と呼ぶらしい
まあもうじき夏が始まるだろう
暑さはそれはそれで鬱陶しいが
私自身、寒さと水に滅法弱いので梅雨は嫌いだ
そんなことを考えているうちに
私は深い眠りについていた
幸せな夢を見たような気がした
どれぐらい時間が経っただろうか
普段と違う違和感を感じ私は目を覚ました
何故だろうか
ニンゲンが私をまじまじと見つめている
寝起きで頭が回らないせいか
この状況を理解する事が出来ず
ただニンゲンを見つめる事しか出来なかった
不思議な雰囲気を纏っているニンゲンだ
心配そうに私を見ているのが分かった
若い女のニンゲンだ
きっと近くの大学に通っているのだろう
初めて見る顔だ
戸惑っている私に対して
ニンゲンは優しく微笑み
私を持ち上げどこかへ向かって歩いた
温もりを感じた
この人になら身を任せられる
そんな気持ちになったのはこれが始めてだった