「異能学園の訓練場で、謎のライバルと力を試し合った件」
訓練場は広大なフィールドで、さまざまな異能力を持つ生徒たちが日々鍛錬を積んでいた。怜は指定された時間に駿と対峙し、周囲には興味津々の視線が集まっていた。
「準備はいいか?」
駿が冷静な声で問いかける。怜は緊張を抑えつつ、しっかりと頷いた。
「もちろん。君の力を見せてくれ。」
駿は念動力でフィールド上のいくつかの物体を浮かせ、怜に向かって飛ばしてきた。怜は瞬時に自分の身体能力を増強し、物体を避けると同時に反撃の準備を整えた。
「これが君の力か…」
駿の表情は変わらず冷静だったが、その目には鋭い興味が宿っていた。彼はさらに多くの物体を操作し、怜を包囲するように攻撃を続けた。怜はそのすべてを避けながら、駿の攻撃パターンを読み取ろうと集中した。
「なかなかやるじゃないか。だが、これでどうだ!」
駿は一気に複数の物体を高速度で飛ばしてきた。怜はその瞬間、自分の能力を最大限に引き出し、素早く動いてすべての攻撃をかわした。
「すごい…」
周囲の生徒たちから感嘆の声が上がる。駿もまた、怜の能力に驚きを隠せなかった。しかし、彼の冷静さは崩れず、新たな戦略を考え始めた。
「怜、次は君の番だ。」
駿は挑発的な笑みを浮かべながら言った。怜は深呼吸をして心を落ち着け、自分の異能力をさらに引き出す準備をした。
「行くぞ!」
怜は一瞬の隙をついて駿に向かって突進した。彼の速度と力は驚異的で、駿はすぐに防御体勢に入ったが、その攻撃を完全に防ぐことはできなかった。怜の拳が駿のバリアに当たり、強い衝撃音が響いた。
「…やるな、菊池。」
駿はわずかに笑みを浮かべながら、息を整えた。周囲の生徒たちは、その激しい戦いに目を奪われていた。
「これで終わりにしよう。」
怜は駿に手を差し出した。駿は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐにその手を握り返した。
「認めるよ、君の力を。だが、次はもっと強くなるから覚悟しておけ。」
駿の言葉には、ライバルとしての敬意と共に、次への決意が込められていた。怜もまた、彼との戦いを通じて自身の成長を感じていた。