Prologue
菊池怜は普通の高校生だと思っていた。毎日、学校に通い、友達と笑い合い、そして普通の家に帰る。しかし、その「普通」はある日突然、崩れ去った。
その日はいつもと変わらない朝だった。怜は目覚まし時計の音で目を覚まし、慌ただしく朝の支度を済ませた。母親が用意した朝食を食べ、制服に袖を通す。何も変わらない、いつもの日常。しかし、今日は何かが違った。
学校への道を歩いていると、突然、周囲の景色が歪み始めた。目の前が白く霞み、頭痛が襲ってきた。怜はその場に立ち止まり、額に手を当てた。次の瞬間、彼の視界は完全に真っ白になった。
「菊池怜さん、聞こえますか?」
不意に響く女性の声。怜は周囲を見回すが、誰もいない。ただ、白い光の中で一人、立ち尽くしていた。
「あなたは選ばれし者です。光明学園へ転校しなさい。あなたの運命は、そこで始まる。」
その言葉とともに、怜の視界は元に戻った。彼は震える手で携帯電話を取り出し、時間を確認した。遅刻しそうだった。
「なんだったんだ、今のは…」
怜は混乱しながらも、学校へと足を急がせた。しかし、その日を境に、彼の周りで不思議なことが次々と起こり始めた。物が突然動いたり、異常な力が湧き上がったり。そしてついに、怜の異能力が目覚めた。
光明学園からの正式な転校通知が届いたとき、怜は自分の運命が大きく変わることを感じていた。普通の日常は終わり、彼の新しい人生が始まろうとしていた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!霧島和奏です。
次の章では、怜たちがさらに異能学園の秘密に迫ります。新たなキャラクターも登場し、物語がますます盛り上がっていきますので、お楽しみに!
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霧島和奏