516話 対空迎撃戦
【ちょうちょのせいで脳が頭蓋骨をこじ開けて羽ばたいちゃったやつの代わりに説明しよう】
【グロ】
【表現が恐ろしすぎる】
【ちょうちょ……なんて怖い字面なんだ……】
【こわいよー】
【草】
【ユズワールドは怪異だからね……】
【そんで、だ 怪異に関係してるダンジョンの割合は高難易度に集中してるっぽい 政府と軍が管理して抑えるほどのものもだ んで、百鬼夜行した後のダンジョンはもぬけの殻になっていてモンスターもほとんど居なければ宝箱も消えてるらしい】
【?】
【モンスターが怪異で出てったんだからそうなんじゃないの?】
【いや、違う 「ダンジョンの中の魔力が、恐らくはダンジョンを維持できる程度にしか残っていない」そうだ】
【つまり……?】
【どういうこと?】
【えっと、学者さんによるとな 「ユズちゃんがどっかでの戦いのために100を超えるモンスターたちをまとめてテイムしてから戻して、そのダンジョンのモンスターを魔力ごと根こそぎ持ってくるように命令したからこんなことになっている」……かも、だって】
【 】
【 】
【 】
【 】
【あの、ユズちゃん】
【なにしようとしてるんです……?】
【それが分かれば苦労はないんだよ……本当にな……】
【学者先生たちも発狂して貴重な髪の毛引きちぎったりしないんだよ……】
【ぶわっ】
【かわいそう】
【ユズワールドは真面目で賢い人の天敵だからね……】
【ユズちゃん?? せめて毛生え薬くらいは持ち帰ってね??】
【草】
【おいばかやめろ、絶対別の解釈してやべーもん持ち帰ってくるぞ!?】
【そもそも魔王城の支配権が乗っ取られてるって時点でね……】
【この度は地球出身の半分は人類のユズちゃんがごめんなさい】
【ばっか、4分の3人類だぞ】
【あ、そっか】
【4分の1はサキュバスなんだよな、ユズちゃん……】
【あれで4分の1なのか……】
【サキュバスの血ってやばいね】
【ユズねぇ見れば分かるだろ?】
【ああ、うん……】
【停戦したとはいえ敵の本拠地、敵の幹部連中の目の前で敵の総大将を引っ叩いたり叱りつけたり正座させたり痴話喧嘩に付き合わせるのなんて、純粋な地球人類には絶対無理だもんねぇ……】
【草】
【草】
【ユズねぇ……どうして……】
【だってユズちゃんのママだもん】
【経産婦……合法ロリ……うっ頭が】
【事実を受け入れよう 受け入れても脳が否定するがな】
◇
「あっ……ツノ、あっつーい♥」
「とろけちゃうー♥」
「「きゅひひひひ――――ん!!!」」
おまんじゅうは、おバカだ。
そしてスケベだ。
「きゅ、きゅひ……!」
現にこうして色仕掛けされてるのを見てるだけで興奮して元気になってるんだもん。
田中君なんか目じゃないくらいにちょろいんだ。
だから、おまんじゅうとおんなじ彼らもまた似たようなものだって予想してた。
そのためにエリーさんと相談して、「興奮させればなんか活躍してくれるよね」って話になったんだ。
……だけども。
――ばぁん、ばぁんっ。
空中へ伸びる、無数のビーム――その先で爆発していく、撃ち込まれてきたミサイルたち。
おバカなユニコーンさんたち部隊のおかげで、急に近代戦かつ上空戦になってる戦いも、今のところ大きな被害は出ていない。
……サキュバスさんたち、あれで結構楽しんでるし、えっちな気持ち――精気、それとも魔力を吸い取ってつやつやしてるのはさすがはサキュバスさんたちって感じだ。
え?
僕?
僕はインキュバスだよ?
お母さんはサキュバスだから、ひょっとしたらお父さん相手ならこういう感じになってたかもね……うげぇ……目の前でべたべたしてるサキュバスさんたちとユニコーンさんたちを両親に置き換えたら吐き気がしてきた。
「すげぇ……」
「え? ユニコーンってやっぱ燃えないブレス吐くの?」
「てかあいつら、どう見ても羽生えて進化してるだろ」
「まぁそれ言ったらボスのユズが乗ってるおまんじゅう先輩もそうだし……」
「なにしろ魔王なのに勇者とかちょっとおかしいユズだからな」
ミサイルの破片がぶつかっても困るから離れてもらった先で、空中戦を眺めているワイバーンさんたち。
……ユニコーンさんたちが、対空担当としてお仕事ができるって分かった。
正直ダンジョンにミサイルとか対空ビームとか、もう世界観ぶち壊しな気もするけども……そこはそもそも、巨人さんたちをいじめてきてる魔王さんに言わないとね。
けど……よし。
「みなさん、今のうちに前線をもっと下げて……巨人さんたちは腰を下ろしてガード! またミサイルが来たらワイバーンさんとユニコーンさん、サキュバスさんたちの連係攻撃で迎撃します!」
【コマンド:オート迎撃を編成します】
戦いを想像しながら口で伝えると、良い具合に全員へ指揮を飛ばしてくれるぴこぴこがすっごく便利。
これもあの黒髪の女神様がくれたのかな。
……まさかね。
さいわいなとこに、今のところ誰も魔力切れの気配はない。
や、戦ってるとぐんぐん減ってくんだけども、後方に下げると結構速く回復していくんだ。
たぶん、この空間全体が魔力で満ちているから。
つまり――
「……完全な、持久戦。援軍が来るかも分からないけども……やるしか、ない。みんな、一緒に戦ってください」
僕は、ちょっぴり――1人だけど1人じゃない戦いを、楽しんでいた。
「え? えっと、応援してくれると嬉しいです。具体的には最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に、まだの方はブックマーク登録……なにこれ、理央ちゃん」




