504話 【悲報・サキュバス、ハーフでこの威力】
「……ふぅん。つまり先生はそういう人だったんですねぇ。私が柚希と2人で慎ましい生活をしているあいだ、新しい女と楽しい毎日を……」
【あの ユズねぇ……】
【さっきから同じ話ループしてる……】
【確かもう3周目だよな】
【今の「新しい女」発言は4回目だね】
【あー、うちの母親が父親責めるときもおんなじだわ】
【あー、うちの姉が俺をいじめるときもおんなじだわ】
【ぶわっ】
【かわいそう】
【男はね、耐えるのが仕事だから……】
【甲斐性ってやつだね】
【それはちょっと違う気がする】
【草】
【ユズねぇじゃない、ユズママだ 間違えるんじゃない】
【どっちでも良いけど、そんなことより】
【待て、どっちでも良くない 究極の選択肢だぞ、「姉」と「経産婦」とでは】
【む、確かに】
【一理ある】
【万理ある】
【これは会議を召集すべき事案だな】
【ユズねぇorユズママ、おんなじ話してるだけだし目ぇ離しても大丈夫そうだしな!】
【草】
【そんなことより……その ……生えてない……? ユズねぇ……】
怒り心頭の柚乃は、心の底から激怒している。
ゆえに――彼女の側頭部にはサキュバスとしての角がにょきりと生え。
「私、ずっと待っていたのに……あなたが帰ってくる日を……」
「……それについては、本当に済まない。取り込まれた以上、もう……」
外見的特徴が――いつの間にやら人から魔へと寄っている。
あとついでに2、3歳ぶん成長している。
もっとも、それでも「すごく低身長の高校生」にしか見えない幼さだが。
【羽も生えてるね】
【尻尾も生えてるね】
【なぜか急に成長してるね】
【エターナルロリではなかった……だと……?】
【絶望した】
【もうだめだ……】
【俺の性癖が数分前に爆誕して数分後に消し飛んでこの世に存在しなくなった……どうして……俺の一生に対して、あまりにも短すぎる……】
【草】
【草】
【ひどいことになってて草】
【かわいそうに……】
【まぁどのみち、ユズねぇ相手は叶わない恋だったっぽいから……】
【ここまでの修羅になる、愛 横恋慕しようものなら……】
【この場の被害担当者さんたちのようになると】
【いつもいつもうちのダブルユズがごめんなさい】
【とりあえずユズちゃんに謝らせとけ】
【でもあのちょうちょ……鱗粉まき散らしながらどっか行ってるよ】
【草】
【もうだめだ……】
【ユズねぇがくだ巻いてるこの瞬間にも、なにかしでかしてるんじゃないと……】
胸は膨らみ、女性らしい体つきが服の外からでも分かり――なによりもサキュバスとしての風格で、場を支配している柚乃。
事態は、もはや混沌の果ての絶望だった――が。
「――さきゅばす、ゆずのははおや」
とことこと柚乃の前に出てきたのは――黒髪の女神。
彼女は一切に怯えることもなく、ただただ無表情で問う。
「………………………………」
「ゆずのははおや?」
怒りとは、本来維持が難しい感情だ。
「……きこえてる?」
そんな彼女の前へ無防備に近づいてきたのは、女神ではあっても幼い子供。
柚乃は、まだ怒りを維持しようと聞こえないフリをしようとしたが――
「……きこえないない……ないないない……」
しょんぼりとうつむき、しおしおと羽が下がっていく、幼い子供。
【かわいい】
【かわいい】
【くっそかわいい】
【ないないかわいい】
【なにこのかわいいいきもの】
【女神様だよ なぜかユズちゃんと仲良しさんだよ】
【波長は合いそうだよな ほんわかしてるとことか】
【独特な言葉の感性とか】
【4週目に入ってようやく介入するほど気が長いところとかな!】
【草】
「ないない……ないないない」
しおしおしお。
女神は、目に見えてしおれていく。
小さな子供に見える存在が、見るも無惨にしょげている。
ゆえに――母親でもある柚乃は、怒りを維持できなくなった。
「――――ふぅ。ええ、そうよぉ。私が――他の女になびいたこの人とのあいだに産んだ、愛の結晶がゆずよぉ。寝取られちゃったけどぉ……」
【!!】
【ユズねぇが!?】
【感動した】
【\50000】
【てかまだ寝取られたとか言ってて草】
【気分が落ち着かないんだろうなぁ】
「……ん。なるほど、にんげんとさきゅばす、そのはーふはーふがゆずき」
「ハーフハーフ……クォーター……あら? ということは、私のお母さんがサキュバス?」
「ん。ゆずきのははおや、はーふのさきゅばす」
「あら、私がハーフ……へぇー」
【!?】
【ガタタッ】
【くわしく】
【ユズねぇ、くわしく】
【私はもう我慢できません】
【ハーフでこの威力なのか……】
【純血サキュバスなエリーちゃんよりえっちなのにな】
【でもその純血サキュバス……隅っこで灰になってます……】
【草】
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