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ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。  作者: あずももも
16章 「聖女」を巡る、人類と魔王の共闘

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485話 おまんじゅうが降ってきた

「……ほら、よく見てよ」


ぺろん。


僕はシスターさんみたいな服――だぼっとした白いワンピースとでも言えば良いんだろうか――の裾をたくし上げる。


「     」


ぷしっ。


ユニコーンさんたちから血しぶきが舞う。


「ほら、よく見て。このぱんつ。男でしょ」


「「      」」


ぷしっ、ぷしっ。


「きゅひひ……」


少しずつ。

ひっくり返って蠢くついでの鳴き声が、減っている。


「女の子ならこんなに膨らんでないでしょ。男なの、おーとーこーっ」


「き゜っ  」


ぷしっ。


僕の真ん前で粘っていた子が、赤い花を咲かせる。


「ゅ゛っ」

「ひ ▼」


ぱんっ、ぱんっ。


あっちこっちで花が咲く。


仕方なく、僕はもっと裾をたくし上げる。


「……ほら、見てって。おへそも男のそれでしょ? くびれとかは……痩せてるからあるけど、女の子みたいなのじゃないでしょ?」


くるり。


僕は、後ろでひっくり返ってる子たちにも確かめさせる。


「   」

「     」


ぱんっぱんっ。

ぶしっ、ぶしっ。


そこは、一面の白かった花畑。

でも今は、血の海だ。


「………………………………」


僕は――この際恥ずかしいとか言ってらんないから、裾をくるくるとシャツまで巻き込んで――


「ほら、胸も男のでしょ」


――ぱんっ!


「!?」


びくっ。


すごい音がしたからびっくりして怖くなる。


「………………………………」


「「「「     」」」」


……ゆっくり顔を上げると――


「……みんな、居なくなっちゃった……」


――かつてはお花畑だった場所が、今や真っ赤な血の海の中に点々と残される魔石だけ。


「メルヘンファンタジーが……地獄に……」


僕は、めくった胸まで晒したのに。


元から先っぽとかはぴりぴりしてたし「女性ホルモンが多いのは思春期によくあることで、一時的ですから……たぶん」って定期検診のときに言われてたし、田中君とかからは「女みたいな胸だな」とかからかわれてた、僕のおっぱい。


おまんじゅうが吸い付いてくるから心なしか……手を当てるとふにょんって感じる程度には膨らんでたし、リリスモードってのになるともっと大きくなるけども、それでも男の胸だったはずなんだ。


「……男だから、別に恥ずかしくないのに。プールだって男は隠さなくて良いはずなのに。プールの先生とかはブリーフパンツだから、堂々と膨らんでるの見せつけても恥ずかしくないはずなのに」


僕はいそいそと服を降ろした。


「……でも、女の子にしか興味がないはずのユニコーンさんたちが、みんな爆発しちゃった……どう見ても男ってところを見せつけたのに」


僕はお腹がむかむかした。


「ばか」


――ぱぁんっ。


どこか遠くでたくさんの花火が上がっている。


「ばか。理央ちゃんのばか」





「あ゜っ」


――ぶしっ――どさっ。


深刻な事態の中、理央がいきなりに鼻血を吹き出して倒れた。


「理央さん!?」

「りおちゃんはそのへんの隅っこに寝かせとかないかな、あやちゃん」


驚く面々の中……ひなただけは冷たい目で見下ろしていた。


【!?】

【理央様がぶっ倒れた!】

【なぁにこれぇ……】

【心労がたたったか……?】


【いや、顔を見ろ】


【あー】

【あー】

【ユズちゃん成分が枯渇したか】

【それだ】

【草】


【それにしてもこの百合っ子……実に良い表情で鼻血を流している】


【あ、あやちゃんがなにも言わずに抱き上げて】

【隅っこへ……】

【しかも、わざと絨毯がないところに……?】

【草】

【草】


【ひなたちゃんがもはや存在を無視している】


【今は忙しいときだからね】

【女神様から思わぬ事態を告げられてるのに、理央様ってやつは】

【理央様……株価、マイナスだよ……】


【今大事なときだから、女神様に心配かけないでね  つまりは黙って静かに寝てろ、理央様】


【草】





「誰か居ませんかー! 誰かー!」


空はきらきらとカラフルな虹色。


あちこちにかわいいお花がいっぱい咲き誇っていて――無数にある血の花びらさえなければ、あとは地面に突き刺さった魔石さえなければ、日曜日の朝に見てるアニメとかでの妖精さんの国なのに。


「……はぁ……ユニコーンさんたちの、ばか。女の子が生きがいなクセに男と女の区別もつかないだなんて……」


――ぱんっ。


「あーあ。あのへんでまだ生きてた子が居たのに」


ころころ。


できたてほやほやの魔石が、こつりと靴に当たる。


「君たちさぁ……いくら女の子に飢えてるからってさ、いくら女の子って誤解される僕だからって、見ただけで破裂することはないじゃん……」


僕はひとりぼっちだ。


ちょっと前まで――僕が、男だって証明しようとするまでは、みんな生きてたのに。


「ばか。ばか」


こつんっ。


僕は、ユニコーンさんだったものを蹴り飛ばす。


「……おまんじゅう」


僕は、悲しくなった。


「おまんじゅう……もう忘れてったりしないから、出ておいで」


僕は、彼の姿を求める。


「ユニコーンさんたちの中でも、君だけは爆発しないでくれたんだもん。そうだよ、最初の日に一緒にお風呂入ったとき、すごい目でこっち見てきたくらいだったもん」


僕は、思い出す。


「うん。君はユニコーンさんたちの中でもマシな子だったんだ」


僕は、悲しくなる。


「おっぱいは吸うけど、ズボンは捨てちゃうけど……スカートじゃないと言うこと聞いてくれないけど、それでも消えちゃうよりは何倍もマシだったんだ」


僕の目から――涙がこぼれる。


「おまんじゅう……」


僕は悲しくなって、泣きそうに――


「きゅい?」

「え?」


ふと、声のする方向――頭の上を見上げると、なにかがすごい勢いで近づいてきて――


「み゛っ!?」


「ぎゅっ!?」


ごつん。


僕の頭に――柔らかいけどもそれなりの重さのあるものが落ちてきて、僕はすっ転んだ。


「え? えっと、応援してくれると嬉しいです。具体的には最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に、まだの方はブックマーク登録……なにこれ、理央ちゃん」

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