表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
481/485

478話 【悲報・トリプルユズワールド】

「……というのが……ほんの一端です……幸い、転倒しての負傷者などは居るものの、モンスターに攻撃されてのそれらやリストバンドが使用されるレベルの被害は出ていませんが……」


完全にお通夜モードに突入した玉座の間。


教官から伝えられた事態で真っ青になった理央たちに、治癒のために運ばれた魔王不在の中――「幼い子供が無邪気に危なすぎる世界級兵器を振り回している」「しかもそのせいで行方不明で手出しができない」という事態で同じく静まりかえる魔王たち。


この空間の空気は――まるで敗戦濃厚という事実を知らされた軍部の上層部も同様だった。


「たぶんそれ絶対ゆずきちゃんの仕業だから、みんなに先制攻撃はやめとこって言ってください。ゆずきちゃんがどっかでなかよくなったお友達かもだし」

「そ、そうです! 柚希さんはテイマーですので……確かテイムモンスターは人間に対しては自衛以外には攻撃しないと……思いたいですね……」


【かしこい】

【ひなたちゃんはかしこいなぁ……】

【かしこいなぁ……】

【それに比べてユズちゃんは……】

【ロリ同士の戦いは圧倒的だね】


【あやちゃんも疲労の色が濃い】

【泣かないで】

【エリーちゃんの解放したりユズねぇのためにお酒運んだり忙しくてかわいそう】

【草】


【エリーちゃんはまだしも、ユズねぇ……お前……】

【メイドさんたちがみんな魔王様の治療に回っちゃったからな】

【まさか魔王ちゃんが昏倒するとは】

【おいたわしい……】


【そら何十代も続いた大王朝の若き王様的な女の子が、先祖代々のやべーアーティファクト的なのを奪われた挙げ句おもちゃとして弄ばれて下手すると世界丸ごと吹っ飛ばすとか、もうね……】


【かわいそう】

【かわいそう】

【宝物庫荒らされるどころか支配地ごと全部破壊される恐怖】

【おろろろろろ】


「すでに、モンスターたちの進路を譲れば見逃される報告が多数で、現地でも配信コメント経由で広まりつつあり……ただ、ダンジョンの構造の都合上で通路や行き止まりで戦闘をせざるを得ないケースも多く、救護班の詰め所はどこも……」


「ごめんなさいごめんなさい柚希先輩がほんっとーにごめんなさい」

「ごめんなさいごめんなさいユズ様がこの度もご迷惑をおかけしまして」


空白になった玉座。


その前には――吐き疲れたエリーの真横に、吐いたらすぐに処理できるついでに責任感から同じく床に座り込み、頭を下げる理央が居た。


2人の土下座は――あまりにも無残で、遠目に見守る魔王たちの中には泣き出す者さえ出る始末だった。


【悲報・エリーちゃんに加えて理央様も土下座開始】


【おお、もう……】

【ぶわっ】

【なかないで】

【罪悪感がすさまじそう】


【この2人が実質的にユズちゃんをユズちゃんたらしめるべく育てちゃったからね……】


【全部終わらないと気が休まらないよね】

【全部終わる(せかいはおしまい】

【どうしてそんなころろろろろろ】

【草】


「教官さん……私たち、ここに居るよりリストバンドで離脱して現地の指揮を執った方が良いのでは……」

「で、ですが、急変の場合に備えて指揮の可能な人が居ませんと……せめて、せめて柚希さんのリストバンドが応答に出てくれたなら……」


優と教官。


2人は緊急連絡の鳴り止まないスマホ片手に――時折魔王たちからの治癒魔法を受けながら、ひたすらに事態の対処に追われていた。


その姿は――緊急時に全てを押しつけられている責任者でしかなかった。


【かわいそう】

【かわいそう】

【ここに出てきてる全員がかわいそう】

【ほんとうにかわいそう】


【被害者の会】


【もしかして:保護者会】


【草】

【草】


【ユズちゃんの保護者会か……なら仕方がない】


【ユズねぇも居るし、確かに保護者会だな!】

【※ユズねぇ、もうできあがっちゃってます】

【草】

【あの呑兵衛ロリめ……かわいいのが小憎たらしい】

【草】


【※どう見ても因縁のありそうだった幼サキュバス、なんかさっき話しかけたとこで完全に固まってます  ユズねぇ、それを忘れて呑みふけてます】


【あっ】

【かわいそう……】


【もしかして:ユズの系譜でもまともな方】


【ユズの系譜で……】

【まとも……?】

【?????】

【それって0=1って証明してる?】


【草】

【草】

【誰も信じてなくて草】

【と、とりあえず動揺してるだけこっちサイドの系譜だから……】


「――――――!! 皆のもの、下がれ!」


硬直していたサキュバス(幼)が唐突に声を上げ、


――ごうっ。


室内――広い玉座の間に暴風が吹き荒れる。


「あーん、お酒ぇー! まだ残ってるのぉー!」

「聖女の姉君! 今はそのような場合では!?」


魔法で展開されている防護壁に吹き飛ばされた酒瓶を追いかけて――無意識だろうが透明な羽を生やしながら待っていく柚乃、そんな彼女を追いかける酒盛り仲間たち。


いくら酒盛りと言えど、彼らは魔王――柚乃よりは常識的だ!


柚乃は――とてもおいしいお酒を求め、羽をひらひらと輝かせながら上昇していく!


【ユズねぇが羽ばたいた!?】


【草】

【草】

【もうだめだ……】

【おしまいだぁ……】

【ごらんよ……酒瓶を追いかけて、ひらっひらしてやがる……!】


本日、ハルちゃんの小説「幼女になった僕のダンジョン攻略配信」の2巻が発売されました。

よろしければお手に取ってみてください。


「え? えっと、応援してくれると嬉しいです。具体的には最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に、まだの方はブックマーク登録……なにこれ、理央ちゃん」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ