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476話 【ロリサキュバスと出会ったユズねぇ】

【しかしえっち】

【えっち】

【ふぅ……】

【人類がこんなのでほんとごめんなさい】

【末裔なら捧げますので、どうか、どうか……】


【草】

【こんな無礼すら許してくれる魔王様たちまじ魔王様】

【もはや見捨ててるんじゃね?】

【あー】

【草】


「……何事だ、淫魔族の王達よ」


柚希の居所を絞り込んでいた銀髪の少女が、急に速度の上がったコメント欄の雰囲気を察して問いただす。


「済まない、我らが王よ……どうやら神族の介入で――――――!?」


人間で言えば20代に見えるサキュバスとインキュバス――そして彼らの後ろから着いてきた幼いサキュバスが、報告のために顔を上げた瞬間。


「ま、まさか……お前は……!?」

「? ……あらぁ? ゆずぅ?」


柚希とそっくりのサキュバスは――柚希より3歳程度年上にしか見えない柚乃を見つけてしまった。


その姿は――遺伝子レベルでそっくりだ!


【あっ】

【あっ】


【朗報・ユズねぇと自称数百歳サキュバス、マジでそっくり】


【そっくりっていうかやっぱこれ姉妹でしょ】

【生き別れの姉妹……やはりか……】


【ていうかユズねぇと同じ画面に入るとサキュバスちゃんがマジでユズちゃんに見えるバグが】


【草】

【あ、でもユズちゃんより腰つきが……ふぅ……】

【ユズちゃん、幼児体型だからねぇ】

【これは確かに淫魔】

【確かに数百歳の貫禄のある腰つきだ……】


【この子は確かにユズねぇ寄りでえっち】

【えっち】

【どうしよう、ロリに目覚めてしまった】

【草】


【しまった……ダブルユズだ!】


【もうだめだ……】

【ダブルユズ……何が起きるんです?】

【知らないのか?】

【もっとギャグ展開になるんだよ】


【やめて……もうやめて……何かが起きるたびに政府機関の人員が一斉にリストバンドで救護班のとこ転送されて仕事が全部止まるの……】


【草】

【ぶわっ】

【かわいそう】

【かわいそう】


【うん……某ロリ女神事案ではシリアス展開だけど、ユニコーンロリユズちゃん事案はことごとくがユズワールドだからね……】


「………………………………」

「………………………………」


柚乃と幼いサキュバスは――目を合わせ続ける。


「……そうか、淫魔族にはお前も居たか」


「……うむ。その節は、世話になった」

「何、あれは先々代の私だ」


それを眺めた魔王は――そっと、幼淫魔から目を離す。


【??】

【魔王ちゃんが】

【訳アリ?】

【どうやらそうらしい】


【そうだよな……どう見ても「ユズ」の系譜なのにマトモだもんなぁ、このロリサキュバス……】


【草】

【草】

【うん……まともな方って思ってたユズねぇでさえ、こんな場所で宴会開くレベルだし……】


【ていうか先々代て】

【もしかして:マジで数百歳】


【もしかして:ひよこババア】


【!!!!】

【興奮してきた】

【えぇ……】


「それで?」


「は。この島国各地へ神族の介入を確認しました」

「……我が軍は、奴らとは停戦しているはずだが」


「え、ええ、敵意は感じられませんので……ですが」


「ならば何だ?」


非常に言いづらそうに――まるで、理解しがたい現象を目にした「なぁにこれぇ……」と配信画面に打つしかない視聴者のように、サキュバスとインキュバスは目を逸らす。


「その……」

「魔王様には多大なるご負担を掛けるご報告なのですが……」


【おい……】

【ああ……】


【猛烈に嫌な予感がしてきたぞ】

【奇遇ね……私もよ】

【おろろろろろろ】

【この度はうちのユズちゃんがごめんなさい(先行入力】


【あのちょうちょ、ミラーボールの中でひらひらしてるだけじゃないのぉ……?】


【あっ】


【え?】


【普通のダンジョンに潜ってる人たちの配信で……】


【え?】

【えっ】

【もうだめだ……(先行入力】

【ユズちゃん……どうして……(先行入力】


「……言え……その後で治癒魔法を頼む……頭痛がしてきたのだ……」


――銀髪紅眼の吸血鬼は、頭を抱えながらもその報告を聞く勇気を持っていた。


それが、王としての器だった。


【かわいそう】

【なかないで】

【ごめんなさい】

【草】


「――ご報告致します。魔力を吸収して自然発生する、通常のモンスターたちが――およそ1000体」


「各地のダンジョンの最奥に、突如として出現――魔力の質から、この世界で発生したものではありません」


「それらの平均レベルは……この世界換算で、およそ100」


「最下位に近い種族としてはあり得ない強さを持ち、魔王様にも属さない彼らが――何者かの命令を受けたそれらがそれらのダンジョン内のモンスターたちを支配下に置きつつ、一斉にダンジョンの上層を目指し、何割かは既に地上へ」


「それらの、目的地は」


「この島――出海道と呼ばれる地だと、判明致しました。この世界の表現で申しますと――スタンピードです」


しんと静まりかえる玉座に、淫魔族の報告が響く。


【     】

【     】

【     】

【     】


【レベル100……?】

【もうだめだ……】

【※モンスターの推定レベルは現在の基準で最高でも50付近です】

【ああああああ】

【え? この魔王ちゃまの指示も聞かないモンスターって……】


「――全配下に告げる。各地へ散り、必要があれば駆除せよ。人間を保護せよ。協力せよ――この世界は、聖女ユズのものである。狼藉は許さぬ」


「「「御意に」」」


部屋の隅に控え、あるいは廊下で待機していた魔王たちが――一斉に転移魔法を使用し、姿を消す。


「……これが、あの聖女の仕業であればと願うばかりだが……痛っ……頭痛が酷くなってきた……」


「申し訳ございません申し訳ございませんユズ様のせいでしたら本当に申し訳ございません」


ごんっ、ごんっ。


何かがぷつりと切れたらしいエリーが――玉座の間、その床の美しい石畳へ、額を打ち付けながら謝り出した。


「え? えっと、応援してくれると嬉しいです。具体的には最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に、まだの方はブックマーク登録……なにこれ、理央ちゃん」

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