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ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。  作者: あずももも
16章 「聖女」を巡る、人類と魔王の共闘

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469話 たくさんテイムして女神様と出会った

「ぴ」


「ありがと、チョコ。大丈夫――――」


そこそこ歩き回った僕は、そこそこドロップ品でほかほかになった。

水もジュースも手に入ったし、パンもおにぎりもポーションもゲットした。


もはや僕が掃除機の先っぽみたいにモンスターを引きつけ、掃除機の本体なチョコがそれを吸い込んで魔石とアイテムを吐き出すだけの、簡単なお掃除みたいな感じ。


そんなのを繰り返していたけれども。


「……うわ」


チョコの吸い込んだ先。

液体金属みたいでかっこいいチョコのフォルムがぼこぼこと蠢き――


「キュウ……?」


コウモリさんが――普通のモンスターとは違う、おまんじゅうたちみたいなつぶらな人懐っこい瞳で、僕を見てきていた。


「……そうだよね、しちゃうよね、テイム……けど、心細いのは確かだし」


「ぴ」


もぞもぞ。


どうやらテイムしたことはも伝わるらしく、コウモリさんと一緒にアイテムをぺっと吐き出し――特に興味はない様子で、僕の周りをうろうろし始めるチョコ。


「……僕、ちょっと普通じゃないから大変だけど、来たいなら来る? あ、前と違ってごはんはちゃんとあげられるし、あと、僕の家、ダンジョンになってるから過ごしやすいんじゃないかな」


「キュウ!!」

「うん、よろしくね。名前は……帰ってからお母さんと決めてもいいかな」


そうして僕は、新しい仲間ができた。





そんなこんなで、たぶん1時間くらいさまよったわけだけども。


「………………………………」


「にゃう」

「キュウ」

「ボガー」

「フンッフンッ」

「ヂヂヂヂヂヂ」


「……どうしよう……なんだか増え過ぎちゃった……!」


僕の後ろには、50匹から先を数えていない仲間たち。

いろんなモンスター。


中級者ダンジョンまででよく見かける子たちだから見慣れてるし、強すぎることもないから安心できるけど……いや、でも、やっぱりその、


「多くない……? なんかこのダンジョン、途中から異様な確率でテイムしちゃってるんだけどぉ……?」


しかも「1匹も2匹も変わらないから」「3匹も4匹も変わらないし」「7匹……いや、大丈夫……」「10匹……うん……」「20匹……良いよ、来なよ……」って感じで、前の子をテイムしちゃったらもう次の子を断れないって具合になっちゃって。


「こういうときに理央ちゃんたちが居れば勇気づけてくれて、野生に戻す決意ができたんだろうけど……」


スマホとかリストバンドとかいう文明の利器は、着替えたときに置いてきちゃった。

いや、そもそもこのダンジョン?はどこにあるものかすら分からない。


「……ま、まあ……今ならお金はあるし、いざとなれば視聴者の人たちにペットとしてもらってもらうこともできそうだし……お庭の野菜で満足してくれるかなぁ」


飼うこと自体はできる。


けど、


「おまんじゅう、焼きもち焼かないかなぁ……」


なんだかんだと、あの子が1番最初の友達。

チョコたちが加わっても、特に嫉妬したりはしていなかったみたいだけども……。


「……ここ、やっぱり魔力が濃いんだ。さっきの場所よりは薄いけど」


広げた羽から――乾燥しがちなお肌にしっとり染みこませる化粧水みたいに吸い込まれていく、周囲の魔力。


そのおかげでこれだけの仲間を連れて歩いてもへっちゃらみたいだけども。


「でも、出口が全く見えない……や、そもそも階段も発見できないとか……」


ワンフロアが、とてつもなく広いダンジョン。


大規模ダンジョン。

どうやらここはそういうものらしい。


あの綺麗な玉の中にこんな空間があったなんてね。


「あれは結局、何だったんだろう……いや、魔王さんのお宝だってのは知ってるけども……」


ぽてぽて。

ざっざっざっ。


ぽてぽて。

ざっざっざっ。


僕の後ろはにぎやかだ。

小学校の校庭に集まった小学生たちみたいにわいわい楽しんでいる声がする。


「……んー……」


僕は、ちょっと耳を澄ませてみる。


「………………………………」

「………………………………」


『――――――……』


「……みんな、こっちの道に行くよ。はぐれないでね」


ここに来るときに聞いていた、不思議な声。


僕はそれに向かって――――――





「?」


そこは、広いお部屋。

いや、外に開放されて無限の空間。


ただ地面があって、地面の上や空中にアイテムがあるだけの、さびしい空間。

空は空っぽで、薄暗いまたたきが見えるのみ。


そこに、


「あ、きた」


「……黒い女神さん?」


空飛ぶヘビさんと戦ったとき、助けてくれた女神様。


その子の毛を黒く塗りつぶし、おめめを真っ赤にしたような子が――長い長い黒髪を、まるで潜入映画にあるみたいなサーバールーム的なところに床を埋め尽くすほどに振りまいて、自身はそんな毛束に座り込み。


空中に浮いているモニターを眺めていたらしい、不思議な子と出会った。


「………………………………」

「………………………………」


僕たちは、しばらく見つめ合う。


そして、


「ぴ」

「にゃう」

「キュウ」

「ボガー」

「フンッフンッ」

「ヂヂヂヂヂヂ」

「アオーン!!!」

「コケコッコー!!!」


「………………………………」


女神様が、すっと指を指す。


そこに、ぽこりと生えてきた四角いオブジェクト。

その壁にドアが出現し、ぎぃぃと開く。


「ないない」


「あ、はい。みんなー、ちょっとあの中で遊んでてー」


どうやらうるさいのは迷惑だったらしい……その、ごめんなさい。


「え? えっと、応援してくれると嬉しいです。具体的には最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に、まだの方はブックマーク登録……なにこれ、理央ちゃん」

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