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468話 引っこ抜いて探検した

【うわぁぁぁぁ】

【ひぇぇぇぇぇ】

【もうダメだ……おしまいだぁ……】


「ま、魔王様! これは!?」


「……聖女が、中で操作を……しかし、何のために……?」


――――――――ずずずずず。


「出海道の全てのダンジョン」が、地響きを奏でながら地中より出てきている。


浅い階層の、初心者ダンジョンと呼ばれる数階層のものなどは、もうすっかりその最下層まで浮かび上がり――上空で静止している。


それは、まるで無数の空を飛ぶ要塞が、堕とされるのを待ち構えているかのよう。


【こわいよー】

【こわすぎる】

【なぁにこれぇ……】


【バタフライエフェクトだよ】


【そうか……これが……】

【草】

【草】

【絶対違うのにユズちゃんが出現したせいで】

【あー、言葉の意味が変わるってこういうときなのね】


【ひらっひらしちゃう=バタフライエフェクトか……】


【草】

【草】

【もうどうにでもなーれ☆】





「よっ……と」


とんっ。


あれからいろんなところをひらひらうねうねすねすねふねふねした僕は、どうにか知ってそうな場所の穴を見つけた。


「……でも、ここどこだろ」

「ぴ?」


薄暗い洞窟。

ダンジョン。


「……ダンジョンならそのまま上に上がってこっか」

「ぴ!」


僕のリストバンドは――この聖女さんのコスプレを着たときに似合わなかったから外して置いてきちゃってる。


だって、こんな探検するなんて思ってないもん。

想定外ならしょうがないってテレビの向こうの偉い人も言ってたもん。


「はー。けど懐かしいなぁ」

「ぴ?」


「うん、最初のころはね。今チョコを持ってるみたいに、おまんじゅうを抱っこして潜ってたんだ。理央ちゃんたちと、たったの4人で」


そのさらに前は3人パーティー……理央ちゃんが居なくて、実に静かな探検だった気がする。


や、理央ちゃんも良い子なんだけどね……静寂を10秒すら我慢できない子だから。


小さいころからあんなんだったし、なんなら小さいころはスキを見せたら腕をつかまれて物陰に引き込まれてキスされたりさせられたり揉まれたり揉まさせられたりされたから。


「……女の子っておませさんだよね」

「ぴ」


僕がはぁはぁなっちゃうくらいまでそういうことしたあとに我に返って、「セキニンは取るから!」ってマンガとかドラマで覚えたセリフでごまかされたっけ。


僕も分かってなかったけど、あの子も絶対分かってなかったでしょ、意味……まぁもう良いけどさ。





「えーっと……こっち」


僕は、なんとなくで枝分かれした道を左に進む。


「シャー!!」


「ぴ」

「シャー!?」


「ありがと、チョコ……お、おにぎりのドロップ。いただきまーす」


もぐもぐもぐもぐ……はっ!?


辛い!


これは――明太子だ!


「み、水……くぴくぴくぴくぴ……!」

「ぴぴぴぴぴぴ……!」


僕の住んでる地域では食べものの中でおにぎりがドロップしやすく、その中には何割かの確率で僕の嫌いな具材になっている。


「みんなが居るときなら味見してもらえるのになぁ……ふぅ」


まぁワサビ風味のとかじゃなかったから良いけど。

僕はワサビは絶対にダメなんだ。


「けど、ここは中級者くらいのとこかな。今のところチョコが守ってくれて、ガードしたあとに取り込んだら1発だし」

「ぴ!」


モンスターが僕に向かってきたら、チョコが盾みたいに受ける。

そしてそのままくるりんと包み込み、ばりばりと押し潰して魔石にする。


戦闘らしい戦闘が起きていないから、こんなに呑気で居られるんだ。


……教官さんによると、チョコは普通じゃないらしい。


そもそもとしてシルバースライム自体がレア過ぎるからよく分かっていないらしいけども。

普通じゃない上に普通じゃない僕にテイムされて、普通じゃないおまんじゅうが悪いことばっか教えるから。


「おまんじゅうの、ばか」

「ぴ?」


ていうかさ、おまんじゅうってさ。


「僕がこんなに大変な目に遭ってるのに、肝心なときに居ないんだから」


……僕のせいだってのは分かってるから、ただのやつあたりだけどね。


でも、おまんじゅうのせいでおっぱいがいつでもぴりぴりするようになっちゃってるし、ひなたちゃんとかは僕のおっぱいが成長するんだって思い込んでるし……受けさせられた検査で「おっぱいの先が女の子になってます」って言われたし。


もしかしたらリリスモードのせいかもとは言われたけど、あれは絶対におまんじゅうのせいだ。


やっぱりおまんじゅうの、ばか。





「きゅひひひひひ……!」



【!?】

【マズい、セミファイナルだ!】

【最近はぐれ個体の多いセミのファイナルステージ……まさか……】

【草】


【急に蠢くのはびっくりするからやめてもろて】

【偶蹄類! 動かないのが評価されているんだからそのまま気絶してろ偶蹄類!】

【駄馬、爆発四散しろ】

【今はお前のツノがカメラさんの定位置なんだ、それだけが存在意義なんだぞ】


【あとメイドさんのおっぱいが上何分の1かを……ふぅ……】


【メイドさんが抱え直したりするたびに、ふよんって】

【ふぅ……】

【ふぅ……】

【\50000】

【ばかばっか】


【ていうかなぜにあのメイドちゃんはユニコーンがお好み……?】


【ほら、物好きって居るだろ、俺たち人間にも】

【いや、あれはおっぱいの重さが楽になるからなんじゃ】

【軽い荷物を抱えてた方が楽ってやつか】

【巨乳さんって大変って言うからね】


【あとついでにユニコーンのことを雄と認識していないとか】

【あー】

【ユニコーンの唯一の属性が気づかれてないとか】

【あーあ】

【草】


【気絶してる限りには無害だからね  だからさっさと気絶し直せ淫獣】


「え? えっと、応援してくれると嬉しいです。具体的には最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に、まだの方はブックマーク登録……なにこれ、理央ちゃん」

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