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ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。  作者: あずももも
15章 「聖女」を巡る、人類と魔王の戦い@出海道

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437話 コアはミラーボール

【悲報・ユズちゃんのせいでシリアスがシリアスしてない】


【この配信でシリアスなことあったか?】

【いや、ないな……】

【この配信でシリアスを求めることはあるか?】

【いや、ないな……】

【草】


【唯一シリアスだったのがミヅチ戦、それ以外は全部ユズちゃんがユズちゃんだったからだもんな!】


【俺は信じてるよ  今回もやっぱり最後は「なぁにこれぇ……」で済むんだって】


【そうそう】

【せめて最後まで笑わせてくれるんならいいよな】

【世界を巻き込んだ「なぁにこれぇ……」にして笑って終わらせてね、ユズちゃん】


「………………………………」


「わふっわふっ」

「にゃあ゛ああ」

「こっこけー!」


もう目の前に見えてきた七領郭ダンジョン――縦に長く伸び、さらにその上にも同じくらいの高さにそびえる魔王城のあるダンジョン、それらの威圧感。


それを目の当たりにしながら――柚希の母親はわずかにほほえみ続けながらも、とうとうにひとことも発しなかった。


【草】

【わんにゃんがうるさい】

【ユズちゃんの子たちが静かすぎるだけだから……】

【ユズねぇ……? どうしたの……?】

【そういや、昨日から1回もしゃべって……】





「――こちらがこの城を制御統括する機構でございます、聖女様」


お城の地下、何階。


そこまで延々と階段をかつかつと案内された僕の前には――かっこいいのがある。


何階も吹き抜けになっている空間にぷかぷかと浮かんでいる、配線がぎっしりと詰め込まれていたりピストン運動してるパーツだったり、あるいは虹色に輝いてその隙間をうねうねしている軟体だったりがぎゅっと詰まって球状になっていたり、どう見ても液体とか気体がホースとか無しにしゅるしゅる循環しているっていう、男としては憧れるしかない構造美を見せつけられた。


「いくら聖女様と言えど、この装置を循環している魔力に触れたら大やけどでございます。お手を触れ――」


「おー……!」


ぺたっ。


僕は思わずで駆けより、ぺたりと手のひらをくっつけてみた。


「「「!?」」」


「聖女様――――――!?」


「……ひんやり。あ、こっちはちょっとあったかい。……お、おー……!」


なにこれなにこれ!


かっこいいしおもしろいし不思議!


「わはっ、わはっ」


さっき転んじゃった裾は折りたたんでピンで留めてもらってる。

だからどれだけ走っても転ぶ心配はない。


「わー……! わ、わぁ……!」


だから僕は、むずむずする体に任せてその球体を走りながら回って眺めるのが止まらない。


「      」

「      」


「……心臓が止まるかと思ったのは、いつ以来でしょうか。あら、私以外は撃沈しましたか」


ぐるぐる、ぐるぐる。


かっこいい、ぷかぷか浮いてる球体をいろんな角度から見て触って。


「えへっ、えへっ」


そうだ。


理央ちゃんとかが居ると、こうやって素直に楽しめなかったんだ。


だって恥ずかしいもん。


僕だって男なんだ、年下の女の子の前で子供みたいにはしゃいだりなんてできやしないんだ。


だけど今は、ちょっとだけお邪魔してるお家のメイドさんしか見てないし……楽しんでも良いよね?


「あはっ、あは――――――」


ざざざざっ。


景色が刻まれる。


「?」


『――――――……』


あれ?


ここ、どこ?


『――――成る程。それが、対価か』


「……?」


僕は、どこかで聞き覚えのある男の人の声に、ふと、振り向く。


「――――――……」


そこで――なぜか血だらけで、誰かの前にひざまずいているのは――――――





「      」

「      」

「      」


「……はっ!? み、皆……!」


メイドたちは目を覚ました。

どうやらそろって気絶をしていたらしく、互いに体重を預ける形で座り込んで。


「……聖女様! 聖女様、何処に――――」


と。


メイドたちの目が、上に浮いている球体へと吸い寄せられる。


――その色は真っピンクに異様に発光しており、ついででミラーボールのようにきらきらとした怪しい光が部屋中に――機関室に反射している。


「「………………………………?」」


――これは……一体何?


「「………………………………??」」


彼女たちは、しばし考える。


「「………………………………」」


彼女たちの主――の先代以前からの、異世界征服用の居城。


それを、極大魔法が数万発――この世界に存在する炎系魔法のそれでさえからも、主が転移魔法で離脱するだけの時間を稼げるという、数万年も作動している、秘宝中の秘宝。


それが――数万年の改修を重ねて不格好ながらも機能美にあふれていたそれが、なぜかつやつやとした表面となり、得体の知れない光をこれでもかと放っている。


ついでに幻聴か、ノリの良い音楽が鳴り響きだしているような気がしてきた。


いや、違う。


――ズンズンと重低音を奏で始めた!


あと、スクリーンが突如として出陣し、謎の男女の踊る姿を映している!


これは――ディスコだ!


「「………………………………………………………………」」


そして出た結論は。


「……主様ぁぁぁぁぁぁ!?」

「ユズ様が! ユズ様が!」


「で、伝令! 聖女様が、この城のコアに取り込まれておりますぅぅぅぅぅ!? しかも……何か、こう……! ……おかしいです! それはもう、言葉に表せないほどに……!」


「これは……何? なんでしょう……?」

「もう分かりません……分かりません……!」

「脳が……溶けそう……この感覚は、一体……」


「え? えっと、応援してくれると嬉しいです。具体的には最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に、まだの方はブックマーク登録……なにこれ、理央ちゃん」

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あー だいぶ前から精神兵器―
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