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ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。  作者: あずももも
15章 「聖女」を巡る、人類と魔王の戦い@出海道

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434話 メイドさんをなでなでぎゅーっした

ぱたぱたぱたぱた。


メイドさんたちが一斉に駆けよってくる音。


……うぅ、どうしよう……すごく恥ずかしい……!


僕はただ、おまんじゅうをどこかに落っことして忘れて来ちゃったっていう事実を思い出して、びっくりしちゃってすっ転んだだけなのに。


「うぅ……」


僕、昔からドジだから。


こんなの、理央ちゃんに見られたらまた笑われちゃう……!


「ユズ様、ご無事ですか」

「お待ちくださいませ、ただ今治療の方を……!」


「あ、これは……聖女様申し訳ございません、転倒されたのは私共の失態でございます」


「ふぇ……?」


あれ?

僕が変に転んだの、僕がドジだからじゃないっぽい?


「     」

「     」


「……こほん。どうやらこちらの服装が、聖女様の背丈に合っていなかった様子で……ほら」


なぜか這いつくばったり丸まったりしているメイドさんたちの中、僕を抱っこしてきたメイドさんが指を指した先のおしりを振り返る。


「あ、服のすそを踏んづけてたんだ……」


「その通りでございます……このお詫びは、私ひとりの首で……」

「? クビ? や、要らないですけど」


そのメイドさんがひざまずき、後ろ髪をかき分けてうなじを僕に見せてきてるけど……なんでクビ?


「ですが、聖女様がそのお手を……」


「転ぶのには慣れてますし、別にもう痛くないですし」

「ですが……!」


がばりと頭を上げた彼女は――なぜか、目じりに涙を浮かべていて。


「……よく分かりませんけど、僕は大丈夫ですから」


「いえ、それでも――――――」


「ほら、痛くないですから」

「!?」


僕はメイドさんの――綺麗なお姉さんの頭を撫でてあげる。


僕は男だし彼女も居たことないし――なぜか彼女さんをすっ飛ばして奥さんができちゃってるけども、どう考えても女心ってのを理解できてるとはとても思えない。


でも、僕は知ってるんだ。

理央ちゃんを始めとして女の子は気分がいきなりころころ変わるんだ。


そして怒ったり泣いたりしてるときは、ひたすらに「大丈夫だから」って言いながら頭をなでなでしたり、ぎゅって抱きしめてあげるのがいちばんなんだって。


「ほら、ぎゅー」


「!?!?!?」


学校では良く、何かあるとどこからともなく女子が現れて僕をむしり取っていき、どこかのクラスの教室で泣いたりケンカしたりしてる女子の前に放り投げられたんだ。


それで僕がその子をなでなでしてぎゅーってすると、その子はすぐに落ち着いたんだ。


理央ちゃんだって、たまには僕とケンカして泣きそうになるからそうやってあげるとすぐにおとなしくなって謝ってくれるんだ。


「ほら、いい子いい子」


「         」


しばらくもぞもぞしてたけども、すぐにくたっとして脱力。


よし、いつもの女の子たちとおんなじだね。


「あれが……」

「バブみというものですか……」

「聖女様は私共の母親だったと……?」

「そうかもしれません……」

「聖女様でしたら、時空を超えての奇跡も……!」


「     」


ふぅ。


女の子って大変だよね。

機嫌が悪くなっちゃうと自分じゃ制御できないんだもんね。


しょうがないよ、そういう生き物だもん。

そういう生き物だからこそ、それを理解してるできる男な僕が優しくしてあげないとね。


『――また、魔王様は5万年という途方もない時間を統治をされておりますが、吸血鬼の始祖としての権能により、時期が来ると――――――故のエラーを克服するため、自ら灰となられます。そして、事前に見定めていました相手――いずれの種族を問わず次期魔王の器にふさわしい者の前に現れが融合し、新たなる魔王様へと――――――ために、今代の魔王様は11年前に転生をされた、元「人間」出身の――――――』





「――以上が、有志の民間人による『七稜郭奪還作戦』です」


【七稜郭……出海道つけ根の半島の古城跡か】

【かっこいい西洋式の要塞だったのに、火災で焼け落ちてからは公園だったんだよなぁ】

【なお、11年前にダンジョンが地下にポップした模様】

【中級者向けダンジョンとして大人気……だったはずだが】


【今は……】

【ああ……】


【鱗粉を一身に浴びちゃったから……】


【推定300メートルの塔に……】


【あの禍々しい光景が……無数の百合の塔……?】


【キマシタワーって、あんなにおどろおどろしいのぉ……?】


【草】

【草】

【なるほど……出海道の大地に百合の塔がこれでもかと……】

【やめて、おなかいたい】

【ユズちゃんダメでしょ!! 大切な場面をちょうちょにしちゃ!!】


船上。

そこには数百のダンジョン潜りたち。


――教官による最後の意思確認の場には、理央たちの姿もあった。


「繰り返しますが、今作戦への――確実な命の保証はありません。……国連に合衆国は、あくまでも『世界に累の及ばない限り』と注釈をつけた上で、柚希さん――『聖女』の身の安全を保証しています――つまりは」


「柚希先輩奪還のために赴いた私たちは、情勢の変化とかがあったら」

「国連軍による使用制限無しの攻撃や合衆国の新型兵器……そして」

「数十キロを一瞬で消し飛ばすっていう、核兵器が降ってくる可能性があるんだね」


モンクの軽装の鎧――だが今回はダンジョン協会から無償で支給された、最上位のそれらを身につけている理央。


あやはローブ姿と地味だが、それでも同じく現状で最高級品を――光る杖の先の宝石とをなでながら立ち。


ひなたに至っては、彼女の背丈を超える――けれどもどういう理屈か自律してホバリングをして待機している大剣を控えさせていて。


【ふつくしい……】

【ああ……】

【前回の大ダンジョンへの攻略でも許可が下りなかった、最高級の装備を無償での支給……】

【理央様たちだけじゃなく、今回の作戦に参加する全員が……】

【死に装束……ってならなければいいけど……】


【かっこいいよな】

【ああ】

【こんなん、死ぬかもって思ってても行きたくなるよな】

【わかる】


「え? えっと、応援してくれると嬉しいです。具体的には最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に、まだの方はブックマーク登録……なにこれ、理央ちゃん」

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