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413話 【速報・ユズちゃん、魔王っ子堕としてた】

「――みなさん、ダンジョン外へ撤退します。数秒後に発動しますので、武器と防具を手放さないでください」


「ダンジョン潜りの皆さんは、それぞれ普段登録していますゲート前の救護班詰め所へ強制転送となります! 転移後の転倒に気をつけて!」


現場指揮官2人はそれぞれに緊急回線で全ての人へ通知する。


それは、決定事項。

まだまだ戦えるはずの戦力は――決戦の前に、離脱させられる。


「えっ」

「なっ、そんな急に――――」

「おい、もう転送されてるぞ」

「なんでだよ、ようやく本丸に――――」


――しゅんっ。


次々と光の粒子となり、またたく間に消えていく人々。


【えっ】

【えっ】

【ふぁっ!?】

【え、ここまで来て!?】


【そんなぁ】

【てかこんなことできるんか】

【ああ、数年前まではやべぇダンジョンとかではわりと使われてたけど】


【え、これやばくない?】

【こんな判断してる時点で……】

【こわいよー】

【ユズちゃんとか冗談言ってる場合じゃねぇ!】

【草生やせなくなっちゃった】


――圧倒的優勢、敵の城へ乗り込もうという場面での強制待避。


指揮官権限――軍とダンジョン協会から移譲された、いざというときの措置。


それが取られた時点で、ただごとではないと悟る人々だったが――既に、遅かった。


「ダメですっ! まだ、まだ柚希先輩が――――――」

「りおちゃん! ……優ちゃんエリーちゃん、なんで――――――」


「……おか――姉様」

「……ええ」


――しゅんっ。


柚希の周りに居たはずの人々が――完全に、消えた。


先ほどまで巨大ダンジョン、その巨大な最下層へと侵攻していたはずの――現状での、非常時でない場合のほぼ最大戦力が、戦わずして撤退した。


その衝撃に戸惑うコメント欄――そして、それぞれの場所で観戦していた人々。


【そして誰も居なくなった……】


【えぇ……】

【びびりすぎじゃね?】

【いやでもエリーちゃんたちが】


【エリーちゃんなら敵の強さとかはっきり分かりそうだけど……】


【ここまで来るのに何日もかかるダンジョン、また0からやり直しとか】

【えぇ……】

【あ、ちょ、配信がほとんど外に】

【唯一は駄馬の角のだけど……あれ、電波が】


最後まで残っていた人も転送され、「柚希がユニコーンの角になんとなくで引っかけたままのカメラ以外」が消失。


――本来ならこの後の状況すら分からなかったはずだが、「柚希がぼんやりしていたおかげで、あとユニコーンを抱いていなかったからこそ」残った情報源。


「きゅい?」

「ぴ」


【おい、ユズちゃんのせいで……!】

【いや、ユズちゃんのおかげで……!】


【ああ……!】

【まさか……!】


【人類が全員撤退したはずの空間が……実況されている……!】


【草】

【草】

【すげぇ】

【なにこれミラクル?】


【ああ、ユズちゃん……】

【これ、ユニコーンの視点ってことか】

【偶蹄類が初めて役に立ったな!】

【ユズちゃんが持っていなくて良かったな!】


【ユズちゃん、なぁんでカメラさん淫馬に引っかけてたのぉ……?】

【角がちょうど良かったんだろ】

【ツノ(コブ】

【ユニコーンだけどまだまだ幼体なんだっけ】

【うん、ユズちゃんと同じでまだ子供なんだ】

【草】


――――――しん。


広い地下空間――そこには、人は居らず。


「ここにはワタシたちのみ、でございます」

「あー、ユズのは大丈夫だけど、姉御のやつらも戻っちまったかぁ。ま、それでいっか」


「ぎゅい……!」

「び! び!」


魔王に属さない、魔。


それが――先ほどの戦闘からは、極端に数を減らしていた。


【えっ】

【あー】

【なるほど、エリーちゃんおやびんたちは魔族だから】

【リストバンドの影響受けないのね】


【お、えっちなお姉さんお兄さんとワイバーン、わんにゃんが半分くらいに減ってる】


【弱いのは転送されたのか】

【なるほど】

【あー、魔族とモンスターの違いがこんなとこで出てくるんですねぇ】


「……これ程の魔力……何をされるおつもりですか、魔王」

「やべぇ……こいつ、この前のよりずっとつええ……!」


魔は、問う。

魔の、王へ。


『――成る程。貴様が聖女に力を与えている淫魔か』


巨大スクリーンに映る魔王が――初めて眉間を緩めて話しかける。


【いんま?】

【淫魔だな】

【えっち】

【えっち】

【淫魔って字だけで興奮する】

【分かる】


『後は、亜竜――しかし眷属も含めると、かなりの数。さすがは聖女、慕われているのだな』


【ありゅう?】

【ワイバーンってそう呼ばれるのか】

【なるほど】

【何気に魔王側からの視点って新鮮よね】

【分かる】


『しかし、貴様らが居ても聖女は……最早交渉は不要。聖女は、我が魔王城で大切に保護する』


【ふぁっ!?】

【草】

【なぁんでぇ……?】

【ユズちゃん、お持ち帰りされちゃった……】


【けど魔王からも聖女呼びなユズちゃんで草】

【もしかして:気に入られた】


【草】

【そういやそうだったわ草】

【自然すぎて完全にスルーしてたわ】

【ユズちゃん=聖女で違和感ゼロだもんなぁ】

【なぁにこれぇ……】


【ユズちゃん、そっちで何したの! 正直に言いなさい!!】


【たぶん分かってないと思うよ】

【親衛隊もそう思います】

【ああ、末裔だからこそ分かる……絶対なにひとつ分からないで何か致命的なのをやらかしてるってな】

【草】


「男の娘をもっと見たい」「女装が大好物」「みんなに姫扱いされる柚希くんを早く」「おもしろい」「続きが読みたい」「応援したい」と思ってくださった方は、ぜひ最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に&まだの方はブックマーク登録で最新話の通知をオンにしていただけますと励みになります。応援コメントやフォローも嬉しいです。

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