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407話 カレーと精神的NTR

「人間――屑共。征服した世界の中には腐りきった貴族階級などが居たが……!」


「多少綺麗になってはいますが、相変わらず人間の負の側面は醜悪ですね」

「これだから低倫理低知能低魔力短寿命の存在は……」


「ですが、聖女様と共に戦っていた者――危害を加えず、その事実を知っていても苦い思いで従っていた者どもだけは信じたいところです」


「うむ……聖女が聖女たり得るということは、少なくとも彼女の周囲に善性の存在が多かったはずだからな」


「思い起こせば、特に近しい様子の方は、皆が女性……」

「つまりは……そういうことですか……!」


ひそひそひそと話してるのがときどき聞こえてくる。


そういうこと?

どういうこと?


「……聖女の今後のメンタルケアを考えると、友人は保護せねばなるまいか。支配者たちには逆らえず、苦渋の思いで聖女をケアしていたはずだ」


「おっしゃる通りでございます」

「既に何名か、特に会話をしたり聖女様が目を向けられていた方――人間に淫魔、優翼種をピックアップしております」


「あの、ちょっと、みなさん」


なんか話がとんでもない方向に飛び立ってる気がする。

よく分からないけども、このままじゃマズい。


「僕、別に嫌いな人と結婚したんじゃ――」


「体は、触られたか」


「え?」


急に何だろう。

まだ怖い顔してるのが怖いんだけど。


「……その者を思い浮かべて答えよ、聖女」


あ、ちょっと優しい顔になった。

これなら怖くない。


けど、


「そのもの?」


「……結婚相手だ。その者に、体を触られたか」

「あ、はい……そうですね?」


結婚相手ってことは、理央ちゃんだよね。


他のみんなも居るけど、触るっていったら理央ちゃんだよね。


一応理央ちゃんが正妻ってことらしいし、なら理央ちゃんを想像して答えたら良いよね。


あの子は他の子に比べたらちょっと以上に変わってるし、世間一般の女の子とも普通の人とも違うけど、結婚相手なら理央ちゃんが基準ってことでいいんだよね。


「聖女様。……胸や脚、そのつけ根などを触られたことは」

「ありますね」


「……!」


「……揉まれたことは」

「ありますね」


「…………!!」


ちっちゃいときから、お風呂に突撃してこられて迎撃に失敗したときは、いつも。


「淫らな――いわゆる『すけべ』『えっち』な目つきや手つき、声で触られたか」

「そうですね」


確か10歳とかそのくらいかなぁ……理央ちゃんがちょっと変わって、あと、服を脱いで飛び込んできたときにおまたから匂いが漂ってきてたのは。


あれのこと、高校生になるくらいまではずっと、理央ちゃんの汗の匂いが変わったのかなって思ってたんだ。


あと、クラスとか学年の女子たちも。


けど、田中君が愛蔵してたえっちな本を読んでるうちになんとなく分かったんだ。


田中君、毎週新しいの仕入れてたから便利だったんだ。


リリスモードになるまでそのほとんどはよく分かってなかったし、今の普通のモードでもなんとなくでしか分からないけども。


「ぐ……う……!」


ふらふらと真っ青なのに真っ赤っていう器用な顔をした吸血鬼さんが、メイドさんに支えられている。


具合悪いのかな。

だから怒りっぽくなってるのかな。


理央ちゃんとかお母さんもそうなんだ。


「主様。今は精神的NTRよりも大切なことがございます」


「ですがたまにはNTRも一興……いえ、無しですね。駄目です。あれはあくまで幸せな環境でスパイスとして行われるべきものです」


スパイス?


あ、カレー食べたいな。

帰ったらみんなで作ろっと。


「分かっている……! では……その者から体を重ね、『子を』と囁かれたことは」


「こを」……あ、子供をってこと。


「えっと、ありますね。たくさんほしいって」


理央ちゃん、そういや昔から「子供がたくさん居る家庭が良いと思います!」って言ってたね。


よく分からなかったから「そうだね」って毎回適当に返してたけども……理央ちゃん……もっともっと分かりやすく言ってくれないと、男ってのは分からないんだよ?


「その後に、体をまさぐられたり」

「いつもしてますね」


理央ちゃんに押し倒されて、お風呂場で――途中からお母さんがマットを敷いてくれたから痛くはなくなったそこへ、だからこそ思いっきり押し倒されて、で、体の前側をくっつけてすりすりされながら言われたっけ。


………………………………。


だから理央ちゃん、中途半端に力技してくるくせに「察してほしかったんですぅぅぅ! そうしたら中学のときからちゅっちゅできたのに」とか言うくらいなら、毎回ストレートに言ってくれたら良かったのに。


そしたら僕だって分かってたし、なんとかえっちなことしようってがんばったと思うんだ。


だって僕、「君と結婚する」ってのは小さいころの約束で決めてたんだし、「大人になったら結婚するんだろうなぁ」ってぼんやり考えてたんだから。


んで子供ってのは結婚のあとにあるらしいって思ってたから、そういうのもずっと先だって思ってたんだから。


……まぁ、当時どころか最近まで「子供ってのは好きな男の人と女の人が裸になってたくさんキスしたら生まれる」って思ってたから、そのへんもやっぱ具体的にどうやってって理央ちゃんから教えてくれないと分かんなかったんだよ?


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