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405話 僕、結婚してます!

「………………………………」


吸血鬼のお姉さん。


いや、年齢的には――吸血鬼さんがどのくらい長生きなのか知らないけども――見た目は高校生くらいの子。


すけすけですけすけ。


目のやりどころが困るけども、おんなじ格好な僕へは遠慮なく目線が届いてくる格好の子。


髪の毛は綺麗な銀色で肩の後ろくらいまである感じ。


ちょうど、最近ちょっと伸ばしてるお母さんと同じくらいかな。


「聖女よ、安心して良い。私たちはお前を傷つけない」


「………………………………」


そういいつつも、僕のおまたを――がんばった押し込めたそこを、なんとか覗こうとすごい格好になってるお姉さん。


「いくら聖女様といえども、魔王である主様の前に出れば緊張して声も出なくなられるのでしょう」

「それを、普段私共にされるように解きほぐすことで啼かせるのですね?」


「この獣――けだもの」

「性豪」

「ベッドヤクザ」

「淫魔と見まがう淫気」


「でも」

「そんな主様なので」

「お慕い申し上げております」

「ぽっ……♥」


「ふっ……この世界の、えーえすえむあーる?とかいうコンテンツを囁くでない。今からお前たちを食べたくなってしまうではないか」


……むわってしてる。


僕、気まずいからおいとましちゃダメ……?


ほら、僕、女の子同士のとかにも理解はあるし、何時間か外に出るついでにこっそり帰ったりできるよ……?


理央ちゃんよりはずっとマシだろうから、それならどうとでもなるもん。


「ともかく――聖女よ」

「あ、はい」


ダメらしい。


けど、また聖女呼び……個人的には勇者の方が好きなんだけどなぁ。


「お前は、私が保護する。もう、苦しい思いをすることはないぞ」


「いえ、結構――」


「――そう言わずに、な?」

「んなぁ!?」


うぇぇ!?


じりじり後ずさりしてたはずなのに、もうちょっとで部屋の出口だったはずなのに――一瞬で吸血鬼さんの腕に抱かれてるぅ!?


良い匂い。

柔らかい。


怪しい赤い目が光ってる。

あ、お口開けると八重歯が長いんだね。


「ぶい」


あ、メイドさん!


さっきのメイドさんがVってしてる!


メイドさん!


ぼそぼそ聞こえてたけど、実は結構仲良しさん同士なメイドさんたちまで!


「良くやった。私の次に相手させてやろう」

「聖女様と……ぽっ……」


「……なんだか私相手より乗り気ではないか?」

「気のせいでございます」


「女同士ですのでいくらでもできますが、最初は手加減を」

「そうです、嫌われては元も子もありません」


「分かっている。最初だけはきちんと手加減をするぞ」


いや。

いやいやいやいや。


僕の片方は――腕枕してきてる吸血鬼さん、もとい魔王様。


もう片方は僕を連れてきたメイドさん――ぐいぐいと、真顔だけどふんふんして真っ赤になってる……この人、そういやおやびんさんに抱っこされてた僕を一瞬で今みたいに……!


「良いではないか良いではないか。気を失うほどの快楽で幸せにしてやるのだぞ」

「加えまして三食昼寝おやつ付き、入浴も全身くまなくご奉仕いたします」


「女として生まれたことへ感謝するほどに飛べるのです」

「聖女様の人間界での待遇以上を保証いたします」


「しかし、疑問を投げかけます。全く経験がない身では、苦痛しか覚えないのでは? 聖女と言えばその手の教育すら受けていない可能性が」


「確かに貞淑を神へ捧げるというパターンも珍しくないと」

「嫌われたくないのでしたら、当面はスキンシップに留めるべきかと」

「同意します」


まずい。

僕は囲まれている。


そして抱っこされて……あ、おしり!

吸血鬼さんがおしり揉んできてる!


「そして1ヶ月ほど掛け、少しずつじんわりととろかすが吉かと」

「毎回事後に私共との行為を見せつければ、学習されるかと」


「子供相手には子供のペースで、でございます」

「ペドフィリアでロリコンなダメダメ主様なのですから、最低限その程度は気配りを」


「お前たち……分かった分かった、聖女の体と心を労る。最大限に、私の存在に掛けて! これで満足か!?」


「満足です」

「このかわいいいきものをかわいいいきもののまま愛でるのです」

「その言葉を言うと母性の方が上回ってしまうのでほどほどに」


どうしよう。


どっちを向いても……理央ちゃんみたいになってる……!


「もう――人間同士の醜い世界のことは忘れ、私に任せよ」


ふぅーっ。


「ひゃあっ!?」


僕の耳元で、女の子が囁いてくる。

もう、そのせいで理央ちゃんみたいな声出ちゃったじゃんか!


「淫魔に好かれる時点で、その素質はお有りでございます。聖女様といえども、女の1人。女の幸せというものを……主様と私共が、骨の髄まで愛して差し上げます」


「え、や、僕その……! あ、僕、結婚! 結婚してます!!」


――ぴたり。


部屋が凍り付くような感覚。


僕は、思い出した。


お母さんがロリコンさんって人たちにナンパされるたびに、すっごく嬉しそうに、けども「ごめんなさいねぇ、私、もう夫が居るのでぇ」って結婚指輪見せてたのを。


それでロリコンさんって人たちが「む」と「す」と「ぬ」の区別が分からなさそうな顔をしてたのを。


それで、僕も――中学生の、年下な人から「ごはんおごるから来いよ」って言われても「結婚してます」って言って撃退するようになったんだ。


けど、なんでみんなあんな顔するんだろうね。


目と目が別の方向見てよだれだらだらで「あ……う……」とか、ゾンビみたいになるんだろうね。


あ、でも、なぜか発狂してた理央ちゃんに「そういうこと言っちゃダメです!! 破壊されます!!」とか言われたっけ。


何が破壊されるんだろうね。


僕には理央ちゃんのことなんか、これっぽっちも分かんないや。


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