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ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。  作者: あずももも
14章 魔王城にご招待  聖女として

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399話 おふろがあるんだって  入らなきゃ

「はーい! お姉さんよぉ!」


階段の出口前――セーフゾーン。


そこは、星野柚希の「お姉さん」が待機する傍らに美しい男女(万が一のサキュバス・インキュバスによる護衛兼お酌役)を侍らせて酒の相手をさせるという、実にいかがわしい空間になっていた。


「現在、お子――ごほん、妹さんが囚われの身であり、増援を待っても打開する手立てがありません」


「ということはぁ……私のかわいい子たちの出番ね!」


今回の出陣前に買い物へ出向き、「ユズねぇ」が身につけている服装は――


【ユズねぇ!】

【!?】

【ふぁっ!?】

【ユズちゃん!?】

【いや、ちょっとだけ胸元の膨らみがある……ユズねぇだ!】

【草】


【お前ら……】

【し、身長もちょっとだけあるから】

【ユズちゃんよりお姉ちゃんだけど、並ばないと分からないロリっ子なんだよねぇ】


【自称経産婦で母親な中学生だもんな……】

【しかも病弱属性持ちと母性属性持ちな】

【\100000】

【しまった、ユズねぇ狙いの年上末裔たちだ!】

【おじさんたちってば、自分の財力示すために投げ銭の額がすげぇからなぁ……】


柚希とそっくりのワンピースにケープという――柚希にしてみると「また僕のお母さんが若作りしてきゃぴきゃぴしてこびてる……おぇぇ……」な格好で登場した母親。


「さぁ、みんな? ――柚希なら大丈夫だから無理はしなくていいけどぉ……狩り、したくはないかしら?」


「「わおにゃああんこけーう゛ぉぉぉ!!!」」


――ずしん、ずしん。


階段からわらわらと出てくるも、先が見えない動物の集団は。


【……でかくなってね?】

【わんにゃんがでっかくなってるぅー……】

【なんか……進化してね?】


【鳴き声がなんかもうおかしくて草】

【あと見慣れないモンスターたちが】

【もしかして:新しくテイムしたのも居る】


「柚希に負けてられないものね! お姉ちゃんだから! ちょっとしか違わなくても! ちょっとだけ大きいだけでも、お姉ちゃんだから!」


そこには――正統派のテイマーとモンスターたちの軍勢、およそ300が列を作って続々と出陣してきていた。





「ほぇー。吸血鬼さんですかぁ」


「そうでございます。私共の主様は、数年の眠りから覚めたばかり」

「現在、お目覚めの後の湯浴みを手伝っております」


「主様はまだ吸血鬼としては幼体ですゆえ、保育――介護が必要です」

「介護以外にも、ご奉仕も必要でございます」


「きっと、久方振りに城の外の人間の方と会話ができるのを喜ばれるかと」


どうやらこのお城は、吸血鬼さんのものらしい。


確かに言われてみれば、真っ黒で屋根がとんがってるお城――しかもかなりの高台にあるとか、吸血鬼って感じだよね。


「その人とお話ししたら、帰っても良いんですか?」


「………………………………」

「………………………………」


「……主様が、そう望まれたら」

「そうですかぁ」


このメイドさんたちは、吸血鬼さんのことが大好き。

だから、彼が喜ぶことだけをしたいんだ。


――帰っちゃダメってなったら……戦わないとダメかなぁ。


あ、でも、おまんじゅうもチョコも置いてきちゃったんだっけ。


「………………………………?」


「お考えになられてますね」

「かわいいですね」

「かわいいですね」

「首をかしげておられるのが主様の次にかわいらしいですね」


あれ?


僕……このままこのお城から出られない……?

みんなが来てくれるまで、ここで待つしかない?


「……!?」


僕は、衝撃の事実に気がついた。


……このままだと……まずい!


「何かを思いつかれたご様子です」

「かわいらしいですね」

「かわいらしいですね」

「……なぜか、妙に胸がきゅんとなるような……これは一体……?」


「……聖女様。主様は既に湯浴みを終えられたとのこと。もしよろしければ、聖女様もお体を温められてはいかがでしょうか」


メイドさん――僕を連れてきた、メイドさんたちの中でもいちばんえらい人らしい――顔とか服とか、ほとんどおんなじだけども――が、とんでもない事実に打ちのめされている僕を揺らしてくる。


「え、お風呂ですか?」


「さようでございます」

「主様ご所望の、特注の温泉でございます」


「魔力の回復効果もりもりです、もりもり」

「滋養満点、精力増強とてんこ盛りです」


……温泉。


今回の攻略のために、広くてゆっくりしたお風呂タイムがおあずけになってて。

さらにはここ数ヶ月、みんなのうち誰かかみんながお風呂に入ってくるもんだから、ひとりでのんびりってのがなくって。


「……入ります」


おふろ。

おふろは大事だもんね。


「かしこまりました」

「伝令。聖女様が湯浴みです」

「清掃は? ――了解。完璧です」

「風呂場に着かれる前に換気も終わるかと」


がたっ。


僕が席を立つと、僕を連れてきたメイドさんが廊下へと案内してくれる。


石造りの広い廊下。

左右の壁にはろうそくが灯され、声と足音が遠くまで反響して雰囲気が出ている。


こういうのって、良いよね。


「聖女様が望まれるのでしたら、いくらでもご滞在いただけます」

「足りない食材がございましたら、適宜略だ――交渉で入手いたします」


「ベッドは広くてふかふかで、常に20のメイドがお側に」

「主様と恋仲になられたら、姫として――――」


かつん、かつん。


ダンジョンとか、普通に攻略するとこんな感じなのかなぁ。


……いや、最初の頃はこんな感じで、静かにダンジョンの廊下とか歩いてたんだ。

なのに途中から理央ちゃんが仲間になってうるさくなったし、毎回変なことにばっかりなって。


「こういうの、良いなぁ……」


あ、声に出ちゃった。

まぁいいや、良いものは良いんだもん。


あれ?


何か大切なこと忘れてるような……まぁいっか。


「男の娘をもっと見たい」「女装が大好物」「みんなに姫扱いされる柚希くんを早く」「おもしろい」「続きが読みたい」「応援したい」と思ってくださった方は、ぜひ最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に&まだの方はブックマーク登録で最新話の通知をオンにしていただけますと励みになります。応援コメントやフォローも嬉しいです。

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>魔力の回復効果もりもり >滋養満点、精力増強とてんこ盛り んんんんん……(ふらぐにしかみえねえw
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