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ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。  作者: あずももも
13章 高難易度ダンジョンへの挑戦

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390話 最下層はとっても広かった

かつん、かつん。


みんなの足音が乱反射する。


「長いなぁ……」


「ゆずきちゃん大丈夫? 眠くない? あやちゃんに抱っこしてもらう?」

「え? 大丈夫、さっき寝たからまだ眠くないよ。そんなに」


「つ、次は私が!」

「りおちゃんはダメ。はあはあうるさいもん」

「そんなぁ……」


【草】

【護衛対象ユズちゃんで草】

【いちばん強いのにねぇ……】

【ユズちゃんがいちばん怖いんだよ!! マジで!!】

【草】


【おねむ過ぎてもやらかしかねないっていうひやひや感】

【ぞくぞくするね】

【これが……ユニコーン配信だ……】

【サキュバス配信なのにやらしさの欠片もない……】

【※やらしくなった時点で確実にやらかします】


【だからみんなでユズちゃんを護衛しつつ、みんなをユズちゃんから守っているんですね】


【草】

【パンジャンドラムかな?】

【自走式な点は同じだね】

【ここが階段なもんだから余計威力が出そうだね】

【ああ、転がるからな】

【草】


「……現時点で、ボスフロアの高さは200メートルです」

「まだまだ先がありますね」


僕たちの横を歩く優さんが、50メートルおきのカウントを何度目かに告げてくる。


「柚希さん」


「はい、大丈夫です。降りる前の階段で止まって、魔力さえあれば復活できる僕たちのテイムした人たちで偵察ですね」


「ぴ!」

「うん、チョコも頼んだよ」


横幅もとんでもなく広く、天上も、ものすごく広く。


階段の先は、まだまだある。


……こんなに深いとこ、はじめて来たな。


【これ……】

【ああ……】

【ロリ女神が到達した……】

【あれよりはマシであってほしいが……】


『――――――』


声?


どこから?


「?」


前にも何度か聞いた気がする声が、どこかから――――――


「柚希先輩、横に逸れていかないようにしましょうねー」

「ゆずきちゃん、もうちょっとがんばって起きよう?」


「あ、違うんだ。なにか聞こえた気がして」


「……引き返しますか? 柚希さんが何かを感じたなら……」

「いえ、あや様。今のところ不審な魔力も攻撃の兆候もありません。ユズ様にも……大丈夫ですね、精神干渉などもありません」


【大丈夫でしょ】

【だよな】

【いつものちょうちょだもんな】

【今、ひらひらしようとしたのを理央様が無事捕まえたからな】

【草】


【けど、いきなり上見て斜めに歩こうとしてたのはひやっとしたんよ……】


【階段だもんなぁ】

【こうなるのを予想して理央様たちが腕組んでるおかげだな】

【これは理央様だわ】

【ひなたちゃんも安心できるね】

【普段からちょうちょしようとするからね……】


【優ちゃんも教官さんも控えてるし、これで何が起きても大丈夫だな!】


【おいやめろ】

【だから怖いって】

【召喚の儀はシャレにならないって】

【草】


【ここまで被害無しだったんだから、きっと大丈夫だよな……信じてるよ、ユズちゃん】





――かつん。


「……300メートル。ビルに換算しますと……60から70階くらいでしょうか」

「超高層ビルの深さ――高さですか」


ざっざっ。


後ろを見上げてみると、これまで一緒に来てた人たちが――綺麗に陣形を組んでいる。


「?」


……なんかみんなに見られてる。


なんでだろ。


あ、そっか。


全校集会とかで1番前の人が――いつも僕はそうだったけども、振り向いたらそりゃあみんなと目が合うよね。


とりあえず会釈だけしとこっと。


「ぐっ」

「あ゜っ」

「耐えろ! リストバンドを起動させるな!」


「はいはい柚希先輩、チョコちゃんの出番ですからねー」

「ゆずきちゃんは前見てようね!」


「柚希さん、おまんじゅうちゃんは私が抱っこしていますから」


「え? あ、はい」


ひょいっとおまんじゅうのあったかさとふわふわがなくなって、そっとチョコを手渡される。


「きゅひひひひ……!」

「……胸から離して抱っこしても、こうですか……」


おまんじゅうってば、あやさんとか相手だといつもああなんだから。


【草】

【悲報・ユズちゃん、何を思ったか突如振り向いて小首をかしげる全体攻撃を放つ】

【あ、1人転送されたぞ】

【草】

【なぁんでぇ……?】


【なぁ  ユズちゃんの服、失敗じゃね……?】

【ああ、そうかもな……】

【かわいいんだ……かわいいんだけど……】


【かわいすぎて、ユズちゃんが発生させる尊死が加速している……】

【幼い純粋さを演出する白ワンピに羽織った水色のケープとか、もう……】

【\50000】

【味方へのデバフがえげつなさすぎる】

【草】


【今日だけで被害者何人よ】

【う、上に転送されただけで物理的な被害は……あったわ】

【そうだよ、攻略人数激減しちゃったんだよ】

【おかげで部隊も再構成するハメになったしなぁ】

【草】


「――では、柚希さん。何かありましたら、私たちでガードします」


「と言っても、チョコちゃんの壁の方が強いけどね!」

「ほら柚希先輩! 作戦通りです!」


「うんっ。……チョコ、お願い」


「――――――ぴ」


ぽんっと僕の手のひらを飛び出したチョコが――にゃ゛るんっと縦に横に広がる。


足元から頭のずっと上まで、右と左はそれぞれ出口の幅ぎりぎりへ伸びていって――けども、僕たちの目元はくり抜かれたような、1枚の巨大なシールドへと形を変える。


「ぴ」


「ありがと。無理はしなくて良いからね。……行きます」


――とん。


フロアへ、僕の靴が接触する。


「………………………………」


10秒くらい、じっと前を見て待機。


「……入った直後の罠や襲撃は、なし」

「通信、問題ありません」


「分かりました」


……とん、とん。


1歩ずつ、1歩ずつ慎重に進む。


それに合わせてチョコも前をふよふよと飛んでくれる。


けど――――――


「……優さん、みんな」


僕は足を止めて、しーってする。


「……最下層の下っていうの。当たってたみたいです」


僕は静かに、チョコの作ってくれたのぞき穴からその先の光景を眺める。


そこには――さらに何十メートルも下までに広がる空間。


そして。


「――――お城が、建ってます」


まだモンスターたちが襲撃してくる前のエリアだからか、暗くてよく分からないけども。


広い広い夜の空間に、ぽつんと――高台に、古めかしいお城が建っている。


まるで――いや、僕たち人間を待ち構えるために作られた舞台。


「………………………………」


お化けとかが出そうな、夜の学校みたいな、夜のお墓みたいな――ちょっとぞくっとする感覚に、襲われた。



◆◆◆



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唐突に立ってるお城。 悪〇城かな?
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