385話 【ユズちゃんの大規模校難易度攻略配信】8
「ユズ様、ダンジョン潜り様第7分隊です」
「お兄さんお姉さん、がんばってー」
「「「うおぉぉぉぉ!!!」」」
「ユズ! 犬だか猫だかの……弱っちい方だ!」
「あとで骨とぢゅーるあげるからがんばってー」
「「「わおにゃあぁぁん!!」」」
「あ、理央ちゃんたちもがんばってね」
「私にだけ冷たくないですか!?」
「りおちゃん、ちゃんと前向いてね」
「そうです! 私たちにとってはかなり難易度が高いんですから、ここ!」
【草】
【草】
【かわいい】
【うん……かわいいね……】
【ほんとうにね……】
【みんな 必死に 戦っている!】
【ユズちゃんは?】
【なんか2人ずつのえっちなお姉さん&お兄ちゃんたちに担がれてる……】
【草】
【御神輿……そうか、これが……!】
【ちょうちょの御神輿か……斬新だな……】
【大丈夫? 虫カゴに入れてないとひらっひら羽ばたいちゃわない??】
【しゅ……周囲もちょうちょでガードしてるから……】
【草】
僕は、おまんじゅうとかチョコとかとはりきって戦っちゃったらダメ。
秘密兵器。
最終兵器。
そう言われて凹んでたからか、エリーさんたち綺麗な人たちからよしよしされて、気がついたらなんか台の上に乗せられて持ち上げられてた。
「なんでだろ……」
僕、持ち上げられるようなこと、したっけ?
ちょっとおまんじゅうとチョコの合体技で、じゅってしただけなのにね。
【なんでだろうね……】
【なんでだろう……?】
【さぁ……?】
【草】
【おみこしの上で首をかしげるユズちゃん】
【かわいいね】
【かわいいね】
【ひとつひとつの動作が動物のかわいい動画並みにかわいいよね】
【かわいすぎる】
【ほんと、1枚羽織っただけのワンピ姿で女の子座りしておまんじゅうちゃんたち抱っこして小首かしげて不思議そうにしてる姿はくっっっっっそかわいいんだよなぁ】
【ほんそれ】
【胸がきゅんってなるよね】
【分かる】
【胸がきゅっとして息苦しくなるよね】
【リストバンドor救急車呼んで?】
【草】
【ああ……ユズちゃんの配信は、ダンジョン配信なのに視聴者の年齢層が比較的高いから……】
【ダンジョン配信のことよく分かってないおじいちゃんおばあちゃんも、おこづかい目当てで投げてるからね……】
【あれだ、配信=孫が遊びに来るっていう……】
【少なくとも民間人の中では異例の難易度なダンジョン攻略がそんな扱い!?】
【夏休みが待ち遠しいお年寄りかな?】
【草】
【罪深いユズちゃん】
【サキュバスだかね】
【インキュバス……?】
【草】
【ショタコン共……これがショタに見えるんだったらそう主張し続けろ な?】
「ユズ様」
「あ、エリーさん」
前の方で、僕の代わりにみんなの指揮をしてくれてたエリーさんが戻ってきた。
【エリーちゃん!!】
【おいたわしい……】
【でも……】
【えっち……】
【草】
【理央様そっくりな見た目で紐スタイル……ふぅ……】
「ユズ様。ユズ様が覚醒されてから少し経ちましたので、ワタシたちの能力のひとつである『バフ』が効き始めているようです。引き続き、配下の者の指名する相手へ応援を」
「バフ?」
「はい、バフ――応援対象を強化する精神魔法です」
「ほへー」
味方を強化する魔法なら、ちょっとは知ってる。
お金がないとき、近所の人からもらったゲームとかで昔のRPGとかやってたから。
「がんばってって言うだけで良いんですか?」
「はい。サキュバスとインキュバス、それぞれで場面に応じて特に効果的な呪文もあったりしますが、リリスたるユズ様が応援する意図を込めて応援されたら、声が届かない範囲でも問題なく効果を発揮しますので」
「へー」
【待って それって……ユズちゃんがお家に居たりしても、どこに居てもどこのダンジョンとかでも誰に対してもピンポイントでバフ効かせられるってこと……?】
【!?】
【悲報・ユズちゃんの戦略的価値、爆増】
【草】
【あーあ】
【エ、エリーちゃんのことだから、事前に伝えてるはずだから……】
「ええ、この件は先に優様を通じて。了解も得ています」
「?」
「コメント欄の方へお返事をしていました」
「あー。僕、リリスモードにならないと無理だからなぁ」
リリスモード。
すっごく強くなれるし、すっごく頭がよくなるし、すっごくみんなの考えが分かる、すごいやつ。
でも……なんだかイヤなんだ。
僕が僕じゃなくなっちゃうみたいでさ。
【ならないで】
【なって】
【脱いで】
【脱がないで】
【\300000】
【ふぁっ!?】
【まて、その大金はどっちに対してだ】
【草】
「あ、ちなみにその呪文ってどんなのか聞いても大丈夫ですか?」
「ええ、明確な意図を込めないと効力はありませんので。……者どもよ」
「「はっ」」
ざっ、と、目の前――じゃなく、下に現れたサキュバスさんとインキュバスさん。
ふたりともおっぱいと、おち――ブーメランパンツがおっきいね。
【でかい】
【でかい】
【\100000】
【待て、それはどっちへだ】
【草】
【デジャヴで草】
【いや、今回はケタも違えばヤバさも違うぞ】
【草】
【りょ、両方へという可能性も……】
【その方がやばくない……?】
【草】
【せ、性癖はひとそれぞれだから……】
「我らサキュバスが男性へ――あらゆる面で力強くなってもらうためには。『がんばれ♥ がんばれ♥ すっご~い♥』でございます、ユズ様。男性のたくましさを褒め称えるのがコツでございます、ユズ様」
「我らインキュバスが女性へ――支援を頼むためには、『絶対返すから! 今日こそは勝つから! だから貸してくれ! お前だけが頼りなんだ! ……駄目ならあの子のところへ』……でございます、ユズ様。最後はぼそっと、聞こえるか聞こえないかで言うのがコツでございますユズ様」
「ほへー」
サキュバスさんもインキュバスさんも、その声のときだけ、どきってするような声になってた。
すごいね、さすがはえっちなことが得意な種族なんだ。
【\50000】
【\30000】
【\150000】
【ふぅ……】
【ふぅ……】
【いい……】
【ああ……】
【え? このイケメン&美女集団をまとめてるのがユズちゃんだって!?】
【草】
【それは……】
【やばいな……!】
【ユズちゃんが良い子に育てば良いけど……】
【育成失敗したら、真面目に人類が……】
【ま、まぁ、理央様たちの……もうおしまいだ……】
【草】
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