375話 みんなとおふろ なんでだろうね
「ふー……」
「やっぱり大浴場は良いですねぇ……」
「はいぃ……」
「お母様に頼んで、近くの山から温泉引いてもらってるのー……」
「へー、効能には美肌と健康増進があるんだ。……ですって、柚希先輩!」
「うん……」
「あ、実はこっそりこれ、ワタシも協力して微力ながら魔界からの魔力も流し込んでいますので。入るたびに少しずつ――こちらの世界では経験値というものが……」
「そうなんだ……」
「ええ、次のダンジョンは大規模ということですので、ささやかではありますが……」
………………………………。
――新しい家の大風呂は、もともとはどっかのお金持ちのお家だったからか、全面ガラス張りですけすけで。
それに文句を言ったら他の部屋から見えないようにはしてくれたけども、広いのには変わりなくって。
それに、いつの間にか住み着いてる感じの理央ちゃんをはじめ、みんな私物を持ち込むようになってて。
「あやさん。あの新しいシャンプー、確かに良いんですけど、ちょっと私の髪には強すぎるというか……」
「あら、残念。優さんの髪質にも合いそうだったのに」
「ひなたたちも、ゆずきちゃんがお子様じゃなくなるまで成長しないようにしてもらってるんだよね? じゃあひなた、おっぱいは育たないままなの?」
「え、ええ……ひなた様だけ解けば、成長されてから止め直すのも……」
「んー。ゆずきちゃんが今のひなたみたいな体が好きかもだからこのままでー」
「ひなたちゃんが……私たちに汚染されてきてる……」
「だって理央ちゃんたちがお泊まり会するときの話聞いてたら――」
「わーっ!?」
「ひ、ひなたさん!! しー、です! しーっ!?」
「お、大人の会話ですから! 私たち高校生以上限定の!!」
「………………………………」
……みんなが、お風呂に入ってばしゃばしゃやってる。
髪の毛の長いあやさんとひなたちゃん、湯船だと20センチくらい浸かっちゃう理央ちゃんに、理央ちゃんそっくりだけど理央ちゃんより10センチくらい毛先が長いエリーさんが、それぞれのやり方で髪の毛を上げている姿。
うん。
その下はみんな、肩と鎖骨が見えていて。
さらにあやさんは、浮力でぷかりと丸いのが浮いていて。
…………なんでみんな、僕と普通にお風呂、入ってるんだろうね……。
「いえ……ユズ様。皆様、一応ユズ様の妻ということですし……」
「うん……そういえば、いつの間にか婚姻届まで出てたっけ……」
おっかしいなぁ。
僕、それにサインとかした覚え……うーん。
あのときは恥ずかしくって、何聞かれてもうなずいてたけど、それだけだったはずなんだけどなぁ……?
「でも学生結婚だといろいろ大変だから、みんな名字はそのままなので……あまり実感はありませんね」
「ですね。私もダンジョン潜りとして登録先が多いので……名字が変わるとなると、申請作業だけで1ヶ月は忙殺されそうで……」
「優さんは中級者パーティーとして期待の星ですからね!」
「はは……理央さんをはじめ、柚希さんたちに比べたら……」
名字。
てことは、本当に僕たちは……結婚してる?
「んー?」
「ゆずきちゃんはなんにも考えなくて良いんだよ?」
「そう?」
「うん!」
「そっかぁ……」
そっか、考えてるとリリスモード発動しちゃいそうだし、それでいっかぁ。
「……あの、エリーさん? 柚希先輩は……」
「無意識レベルでふたつのモードを完全にコントロールされていますね。以前の、極大魔法――大サバトとして有名になってしまいましたが――あれを発動してしまったのを悔やまれているのか、心理的にも忌避しているようで。おかげで暴発は……よほどのことがない限りには起きないでしょうが……」
「だから知能指数を……」
「最初の頃は、柚希さんももっと中学生らしく……」
「柚希さんは高校生ですよ?」
「ひなたは今のゆずきちゃんも好きだよ?」
うーん。
あ、確かお母さんが「ぜんぶ柚希が喜ぶようにしておくわね」って言ってたっけ。
うん、確かそうだ。
だから僕が知らないことが起きてても、僕がいつの間にかに結婚してても、僕がいつの間にかに女の子何人もと結婚してても……あれ?
「……無意識が意識的に、ユズ様の本来のお姿であるリリスにならないよう完全にブロックされています。ために、その……精神年齢を、性的な衝動が万が一も起こらない9歳程度にまで……あ、でも、ベースはリリスですので、魂ではきちんと理解されています」
「へー」
「ほへー」
よく分からないけども、ひなたちゃんがエリーさんの話に感心して上げた声に釣られて口が開いてた。
「……でも、これはこれでかわいいですよ?」
「ええ。その……柚希さんに迫られたら私、何もできませんから……もう少しはこのままが私にとっても……」
「そういえばゆうちゃんはロリコンさんって聞いたけど、ひなたは大丈夫なの? いつもゆずきちゃんとひなたのおっぱいとおまた、見つめてくるけど」
「ぐふっ」
「ひ、ひなたちゃんっ、そっとしといたげて……? その……デリケートな問題だから……」
「ごめんなさい、本当にごめんなさい……でも、何をしても治らないんです、この魔の性癖が……」
うーん。
まぁいいや。
こうしてみんなで入ってると、いつもみたいに理央ちゃんが突然お風呂のドアをばんって開けて突撃してきて、僕のおまたとか食い入るように見てきたり揉みしだいたり自分のをそうさせようとしてきたりしないもん。
うん、理央ちゃんがおとなしくなってくれたんなら、もうなんだっていいや。
はだかは恥ずかしいけども、こうして自然な感じで一緒にはだかなら恥ずかしくないもんね。
◇
「……孫の姿は……早くて5年後。待ち遠しいわぁ……エリーちゃんにも産んでもらえないかしら?」
「きゅいー!! きゅいー!!!」
「ダメよぉおまんじゅうちゃん。あの子たちはもう柚希のお嫁さんなの」
「きゅひー!! きゅひぃー!!!」
「チョコちゃん、おまんじゅうちゃんがおいたしないようによろしくね?」
「ぴ!」
「……俺様も孕ませてくれねぇかなぁ。優のやつに『おねショタ』ってのを教わってから、なんだかむずむずするんだよ」
「ちゃんと順番守るならきっと柚希も嫌がらないわぁ、おやびんちゃん」
「きゅひぃー!! ……きゅ、ひぃ……」
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