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ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。  作者: あずももも
12章 気恥ずかしさと再スタート

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353話 僕たちだけの、秘密の会合

僕は、小さいころから頭の回転が遅い。


……いや、正確にはそういうのんびりした性格なだけで、あと体力が致命的に無いから、ちょっと考えてるとすぐに知恵熱が出るだけ。


時間をかけたりゆっくり動けば難しい本だって読み解けるし問題だって解けるし、運動だってできる。


でもやっぱり体も弱くってすぐにカゼ引いたり寝込んだりするし、小学校高学年の時点で周囲から離され始めてた体格的にも筋肉とか少ないし、ごはんもたくさんは食べられない。


だから自然、僕は省エネで過ごさざるを得ず、定期試験とか体育とかの時間だけ一時的に頭か体をまともに使って――それで、なんとかみんなに追いついてた。


「それも、恐らくは生まれつきの体質に――ユズ様のご自宅直下で眠っていましたダンジョンの魔力が影響していたのかと」

「まー、人族の幼体が魔王軍の置き土産……だっけか?を浴び続けてたらどっかおかしくなるよなぁ」


「……そうですね」


エリーさんがお淑やかに座る真横で、おやびんさんがどっしりとあぐらをかいている。


……けど、エリーさんはいつもの紐な格好で大切なところ以外はまる見えで、一方のおやびんさんは山賊の女頭領って感じの服だからでっかいお胸や開いたおまたは危ういけども、見えてはいない。


これってどっちが、よりえっちなんだろうね。


今度田中君に聞いてみよう。


田中君は中学生からえっちなのが大好きだから。

きっと、最近話せなくなってちょっと寂しい気持ちも吹っ飛んでくれるよね。


「教官の子の表現を借りると、特大の不発弾が家の地下に埋まっちゃってて……で、ユズも私もそれから漏れてたガスみたいなのを吸ってた感じらしいわぁ」


お母さんは、実に嬉しそうに――おやびんさんからもらった赤いさかずきを、30センチくらいあるそれから、唇を離す。


「あ、俺様たちのボスなユズの母ちゃん! 盃が空じゃないっすか、お注ぎしますぜ!」

「あら、ありがとぉ。でも好きに呑んでいいのよぉ?」


とくとくとく……ごくごくごく。


「ぷはぁ……夢の中だといくら飲んでもいいって素敵ねぇ」

「え、ええ……ユズ様とお母様は、ただ今は魂に魔力を纏っただけの肉体で来られておりますので、アルコールは魔力に変換されるだけですから……」


「それってどういうのだったんでしたっけ、エリーさん」


「はい、ちょ――こほん、省エネモードのユズ様にお伝えしますと、今のお二方は、おやびん様やワタシを始め、テイムなされた魔族やモンスターのように……本物の肉体とほぼ同等の戦闘力ながら、万が一、肉体が死ぬほどのダメージを負いましても死なない――予備の肉体、といった形ですね」


「……ん。灰になっても次の日には復活できるエリーさんみたいな感じってことですね」


……今ちょうちょモードって言われかけた僕のいつものは、どうやら寝てるあいだの体にも適用されているらしい。


こんなところまでそっくりじゃなくたっていいのにね。

それこそ屈強な荒々しい男になってもよかったのにね。


「ユズ様、お母様。毎回申し上げるのは恐縮なのですが……」


「ええ、分かっているわぁ」

「はい、理解してます」


とりあえずでこの場を仕切っている――僕たちの次に偉いことになっているらしいエリーさんが、翼をばさっと動かしながら言う。


「……お二方が、こうして我ら魔族や魔物と同じ『切り札』を保有しているのは、人族の全てに秘密です。もちろん、奥方たちにも」


「……どうしても、ですか」

「ええ。人族の世界――ユズ様たちの周囲の大半の空間において、音声がどこかしらに傍受される電波が存在しておりますので」


電波。

スマホ。


――最新のスパイ小説とかでは、普通に電子機器を使って情報収集してたっけ。


「あの子たちに説明するのも、あの子たち同士だけで相談するのも……知っていればいずれ、誰かに聞かれてしまうのねぇ」


「ワタシは、人族――人間様たちの良い面も悪い面も知り尽くしております。……この先何かが起きてユズ様たちを害そうとする可能性は、ゼロではありません」


「まー、新しく強え奴が現れて、そいつがユズたちに戦争しかけてくることもあるだろうしなぁ……魔界じゃ寝首は描かれる方が悪いんだし」

「ええ。急に……合衆国と言いましたか、その方針が変わり、特大の爆弾を空や海から飽和攻撃されて蒸発させられる可能性も――ゼロでは、ありませんので」


……教官さん、理央ちゃんまでを警戒するエリーさん。

ごっごっごっと水のようにお酒を飲むおやびんさん。


……やっぱり君たちは人間――とは別の種族なんだね。


「……けどぉ、ユズは本当にあと何年も待たないといけないの? 私の初孫は?」

「お母さん……」


そしてお母さんはお母さんで、僕が理央ちゃんたちと……その、子供を作るっていうのを毎日のように言ってくる。


「はい、幼体ですので生殖本能が不完全です。……魂の成長に伴っての自然な発情でなければ、その後の形成に不都合が……」


「そうねぇ、幼いころに無理やりのそういう経験があると……」


……マジメな話のはずなのに、あんまり聞きたくない。


みんな、どうして男と女――だけじゃないけども、その、えっちなことをして子供を作る前提で物事を考えるんだろう。


もっと普通に、小学生の頃みたいに、ただみんなで仲良く遊ぶだけじゃだめなのかな。


……っていうのを、ちょうちょな頭でも知ってるとおりに、みんなにさせちゃった僕が言うのも変だけどさ。


あれはリリスモードな僕が思いつきでやっちゃったことだから……そのせいで魔力もすっからかんだし。


や、すっからかんって言っても、エリーさんが言ってたように僕が産まれてからずっとダンジョンから供給されてた魔力の大半を使ったってだけで、やろうと思えば普通の範囲で魔力を使う――ダンジョン攻略とかできるらしいんだけどね。


……ダンジョン攻略。


まだ何回かしてないあれも……したいな。


もちろんみんなと一緒に、普通のダンジョンを普通に、ね。


今度はちょうちょとかあんまり言われないように配信もしたいな。

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