312話 おさけっておいしい
「……ってことは、周りの人たちは……ワイバーンさんたち……?」
「おう!」
「あ、そういや人に化けたの、復活してからじゃね?」
「あー」
「だから知らなかったわけか」
「あー」
「そりゃあ知らなかったらあんな反応になるわな」
「あれは俺たちが悪かったのか」
わいわいがやがや。
そういえばワイバーンさんたち、魔族の人たちはみんなこんな感じで仲良かったね。
……人の姿になってるから、もうなんだか普通の居酒屋さんに居る人たちみたい。
「……とりあえず呑むか? 旨いぞ?」
「え? あ、はい、せっかくなので」
ぐいっと――両手で抱えるほどだから、たぶん30センチとか40センチとかある、でっかい盃。
その中には、おやびんさんがすすった残りが――それでもかなりの量、入っている。
「……夢だから良いよね」
「良いんじゃねぇか?」
「夢じゃないんだが……」
「ああ、これが『ユズワールド』か……」
「おやびん、夢の存在だって思われてるのに……」
「俺もう人間かサキュバスの幼体じゃないと興奮できない」
「うわ、えんがちょ」
ぐーっと、喉を熱く染める液体を呑んでいく。
「こくこくこくこく」
「おー、良い呑みっぷりだなぁ! 酒瓶はまだまだあるぜぇ! エリーが届けてくれてよぉ!」
「……幼体にあんな呑ませて良いのか?」
「良いんじゃね? ボスの姉御もめっちゃ呑んでたし」
「あれって母親って説が」
「ばっか、あれもまだ幼体だろ。 あんな乳で子供育てられねぇよ」
「なるほど、確かに」
「あんな体格じゃ元気な子は産めないよなぁ」
「ボスへは不敬だけど、ボスの姉御になら番にって誘っていいのかなぁ……」
「……ぷはぁ」
口の中は、この前にも呑んだ日本酒の独特の香り。
……ぼんやりしてきたのは、きっと夢の中だから。
大丈夫、夢なんだからお酒飲んじゃったって大丈夫なはずだ。
◇
「……そうです! 着付けはこうやってちゃんと着る! じゃないとおっぱいとかおしりとかいろいろ丸見えなんだから!」
「わ、分かったって……ひゃんっ!?」
「ふぅ……」
「おやびんが……ユズに剥かれて……」
「ユズ……いや、ボス……よくやった」
「おやびんの裸は……っていうか鱗のない姿は、俺たちみんな裸みたいなもんで見慣れてるし、なによりおやびんは求愛とかする対象じゃないって思ってたのに……」
「ユズの手でひん剥かれてあっちこっち触られてあんな声上げて顔真っ赤にしてるのを見ると……」
「正直……」
「ふぅ……」
「でも、中身はおやびんだぞ……?」
「そうだった……興奮が収まったわ」
「だよな」
「人間の女の幼体にまさぐられて交尾の時みたいな声上げてるおやびん……そうか、これが『ゆり』……」
「魔力で相当がんばんないと子供孕めないし孕めさせられないが、これはこれで……」
「なるほどなぁ、こりゃあ良い」
「人間たちが、ユズと一緒に居たあの雌たちとユズとの交尾を待ち望んでるっての、やっと理解できたわ」
「てか、ボスってすごい魔力持ってんじゃなかった?」
「あっ」
「じゃあ、おやびんが……?」
「孕まされる……?」
「興奮してきたな……!」
目の前で、お酒を飲み過ぎてあひあひ言いながら身をよじって逃げだそうとしてるおやびんさん。
どうせ夢の中なんだし、気になるのは好き勝手しても良いはず。
そう理解した僕は、だらしなさすぎるおやびんさんの服を取り去った。
多分昨日お風呂で見たあやさんの記憶で作られてるんだろう、おやびんさんはあやさんのおっぱいとお尻とふとももを何割か増しで増量した――田中君が大好きそうな体つき。
けども背も高いし、全身筋肉ががっしりついてるのは優さんに似てて。
くすぐったがり過ぎるのは理央ちゃんみたいで。
そんな彼女の上着とスカートを取っちゃうと、やっぱりずれて穿いてたぱんつにブラジャーどころかナイトブラとかすらつけてなかったおっぱいがぼよん。
「こういうのは、はしたないって言うんですっ」
「分かった、今度からこの姿に――あんっ!?」
「こんなに周りに男の人が居るのにあんな格好してたら襲ってくれって言ってるようなものなの! そんなに不用心じゃいけないの!」
「いや、それはない」
「おやびんに限ってそれはない」
「だっておやびんだし……」
「……って、さっきまでなら……」
「でも、あのおやびんだぞ?」
「やっぱそれはないわ」
「おやびんはなぁ……バカだからなぁ……」
「いくら雌の姿しててもなぁ……」
「どうしても繁殖しなきゃってんなら、なんとかがんばるかってレベルで……」
「ダメだ……やっぱり人族の幼体の姿じゃないと、もう……」
「えんがちょ」
おやびんさんにちゃんとぱんつを穿かせてあげて、探したらその辺に投げ捨ててあったブラジャーをつけてあげて。
「スカートは……ここなの! それで裾がめくれないようにするの!」
「やんっ!?」
「上着も、ちゃんと胸元のボタン留めるの! 男の人は胸元開いてるとそれだけで誘ってるって勘違いするんだって田中君のお母さんが言ってたの!」
「ひんっ!?」
寒いからか、つんとなっているおっきいおっぱい。
「こんなの男の人たちに見せちゃダメでしょ! 痴女になっちゃうよ! エリーさんとか理央ちゃんみたいな痴女さんに!」
「百合って……」
「いいよな……」
「いい……」
「繁殖、まだ?」
「ボスはまだ幼体だろ?」
「あー」
「じゃあ無理か……」
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