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ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。  作者: あずももも
10章 【サキュバスユズちゃん爆誕】

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299話 【速報・理央様、告った】

「……え。 ……柚希先輩が……私のことを……」


さっきまで泣いてたせいで流れていた涙は、きょとんとした顔に吸い込まれている。


僕をがっしり掴んでいたその両手は、気がついたら離れていて宙をさまよっている。


【?】

【なんだなんだ】

【理央様が強烈なハグしてたのまでは見えてたけど】

【ちょうどビルの影で……ちょっとヘリの人たちー!】

【なんだか話し込んでいるらしいが……?】


「――――――――きゅい」

「ぴ」


「……畏まりました、先輩方」


【お、おい!?<URL>】


【なんだこれ……ふぁっ!?】

【ユズちゃんの配信んんん!?】

【え、え?】

【速報・なぜか配信スタート】

【よくわからんがとりあえず乗り込め!!】


【あの、配信できないからこうして遠くから見てたんじゃ……】

【うわ、理央様顔真っ赤】

【かわいい】

【泣いてる……いや、泣いてた?】

【なかないで】


「あ、あの、エリーさん?」

「配信はしないって……それで上を説得して!」


「――申し訳ございません、お二方。 ワタシは、ユズ様の幸せが、最優先でございますので。 ……それに、この場面では……その余裕は、ユズ様には無いと思いますから」


なんだか教官さんと優さんが焦ってるけど、そんなことはどうでもいい。


理央ちゃんと僕は、お互いに事態を飲み込めないでいる。


……え?


理央ちゃんが……僕のことを……好き?


それも、likeじゃ……ない方の……?


「……そうだよ、ゆずきちゃん」

「え、ひなたちゃん……?」


理央ちゃんにぎゅっと抱きついたひなたちゃんが、僕を見てくる。


「りおちゃんはね、ゆずきちゃんのことが好きなの。 大好きなの」

「は、はい……けど」


「――恋愛的な意味、ですよ。 こう言えば、さすがにお分かりでしょう?」

「……あや、さん」


理央ちゃんを反対側からも――優しく抱きしめている、あやさん。


【ふぁっ!?】

【!?!?】

【ちょっと待ってちょっと待って】

【なんでここまで何百段飛ばしになってるの!?!?】


【なんかこう、論理そのものが飛躍してない??】

【だっていつもなら絶対、ユズちゃんは理解できなくって理央様はヘタれるのに……】

【そのためにひなあやが動いたか】

【じれったいのにとうとう動いたんだな……】


【草】

【ひでぇ】

【いや、だって……】

【なぁ……?】


【理央様が……ついに理央様が!】

【意識だけはしてもらえる可能性が! ゼロから抜け出しましたわ!】

【草】

【ああうん……理央様の普段が普段だからねぇ……】


【速報・理央様、報われる】

【落ち着け、まだ早いぞ】

【そうだぞ、普通にダメかもしれないんだ】

【ユズちゃんの趣味はともかく、やっぱり女の子同士だからなぁ……】


【え? でもさ、エリーちゃんの顔と体って、ユズちゃんが好きな姿なんでしょ?】


【!!!!!】

【……これ、まさか……?】

【まさか、駅前の繁華街で……】


【気がつけば、お店の人たちが総出になってて……】

【兵士さんたちも食い入るように見てて……】

【ヘリが生中継してる中で……】


【草】

【草】

【まさかの衆人環視】

【これでばっさり断られたら、理央様……】


【大丈夫  理央様はへこたれないよ】

【なにしろ10年以上、断られる以前だったんだからな!】

【断られたとしたって、認識されたって時点で飛躍的な進歩だよ】

【かわいそう】

【本当にかわいそう……】


「……え。 …………え」


頭がぐるぐるする。


理央ちゃんが、僕のことを好き。


それは知ってる。


昔から毎日言われてきた。


こそばゆかったけどそれが嬉しかった。

嬉しかったけど恥ずかしいから軽く流してた。


理央ちゃんは、それで良いみたいだった。


だからこれは、友達としての好きなんだって。


……だけど違うの?


そうなの?


そうじゃないの?


「………………………………?」


「……りおちゃん」

「理央さん」


「ふ、ふたりとも……?」


「……理央ちゃん、言うなら今よ」

「……お義母さんまで……」


「きゅ♪」

「ぴ♪」


いつの間にか僕の腕の中から逃げていたおまんじゅうとチョコが、近くでぴょんぴょん跳ねている。


……けど……え?


理央ちゃんが?


僕のことを?


田中君のことじゃなくって?


だってほら、いつもバイト先でも3人の誰かのお家で遊んでも。


2人はいつも距離が近くって、こそこそ話してたよね?


「……柚希、先輩」


顔を上げた僕の前で――理央ちゃんが。


潤んだ瞳で。


普段のにやけ顔とは違って。


眉が困った感じになってて。


でも、両手を胸の前でぎゅっとしていて。


――――――――真剣で。


「私は。 ……すぅっ」


くらくらする。


非現実的な感覚。


僕の中の何かが、ここから逃げようって言ってる。


けども、僕はそれを押さえつける。


――なんとなく、分かっちゃった。


なんとなく、理解しちゃった。


けど――ここで理央ちゃんから逃げるのは、男じゃない。


そうだ、男じゃないんだ。


「……私、光宮理央は」


彼女が、僕に言う。


「――柚希先輩。 星野柚希先輩のことが……好きです。 その……お、女の子として」


【ひゃっふぅぅぅぅ!!!】

【祭りじゃ祭りじゃ】

【理央様ぁぁぁぁぁぁぁ】

【わぁぁぁぁぁん!!!】


【ついに……ついにちゃんと告ってるぅぅぅぅ】

【どうしてこんな流れになったのかさっぱりだけどめでたすぎる】

【あ、理央様応援スレが一瞬で落ちたわ】

【予備の方も落ちたぞ!】

【草】

【安心して、今祭りどころじゃないから】


【まさかの全世界生中継での告白】

【ああ……!】

【前にも配信で愛をシャウトしていた女だ……面構えが違う……】

【草】


【そうだったわ、わりと駆け出しのころやってたわ理央様……】

【泣きそう  ないてた】

【今日は飲もう  たとえユズちゃんが受け入れなくたって、1歩前進どころの話じゃない】

【ああ……ああ……!】


【ユズちゃんは!?】


【ちょうちょ……してない!?】

【ちゃんと理央様のことみてるぅぅぅぅ!!!】

【マジかよ奇跡だな】

【この前のロリ女神降臨と同じレベルの奇跡だよな!】

【草】


【なんでもいい、理央様の十数年に渡る一方的片想いが伝わっただけで……!】


「男の娘をもっと見たい」「女装が大好物」「みんなに姫扱いされる柚希くんを早く」「おもしろい」「続きが読みたい」「応援したい」と思ってくださった方は、ぜひ最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に&まだの方はブックマーク登録で最新話の通知をオンにしていただけますと励みになります。応援コメントやフォローも嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
理央様……やっと伝えられたね…… 受けるもフるもどっちでもいい……長年の恋に決着がつくだけで満足なんだ……
理央ちゃん…思いをちゃんと伝えられてよかったね(´;ω;`)
押し倒されるぞ
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