272話 おなかの中の異物感
『オ、ノ、レ……!』
しゅううう。
ヘビさんの口からもくもくと白い煙が立ちこめてる。
けども、今はそんな場合じゃない。
そんなのはどうだって良いんだ。
「それでゆずぅ?」
お母さんが、しゃべるたびにお手々でにゃんってしてる。
「その手は下ろしてねお母さん」
【ガン無視されてる串焼き】
【草】
【まおうしゃんかわいそう】
【確かにかわいそう】
【確かにこれはあんまりだな】
【草】
【これ、魔王目線からするとさ 自分より格下の存在からガン無視されてて怒り心頭って感じよね】
【これは煽ってると思われてもしゃーない】
【草】
【これがわざとじゃないっていう信頼感】
【ああ……】
【ダブルユズだからな……】
【固有能力ダブルだからな……】
【それはやばい】
【やばくないとでも?】
【手下たちはロリ女神が現在進行形で蹂躙してるけど、肝心の親玉を放置って普通ならあり得ないよね】
【ロリ女神「サキュバスたちならなんとかなるか……」】
【草】
【本当にそう思ってそうで草】
【てか思ってるんでしょ、丸投げだし】
【なぁんでぇ……?】
【もしかして:魔力量】
【あー】
【2人分のはすごそうだもんな】
【でもユズねぇとちゅーしてててててててて】
【!?】
【草】
【なぁにこれぇ……】
【ロリ女神に欲情するとな しまわれちゃうんだよ】
【なにそれこわい】
【こわっ……ユズちゃんのちっぱい見て癒やされよ……】
【ひでぇ】
コスプレしてるお母さんがネコハンドをにぎにぎしてる。
「あの子たち、私たちの中で生きてるみたいよ?」
「そんな、死んじゃったみたいなセリフ……あ、ほんとだ。 みんなが僕の中に居る」
なんとなくでおなかに手を当ててみる。
……うん、なんとなくだけどもみんなの気配がする。
「……僕のおなかの中にみんながいっぱい……」
「ゆず! そのセリフは危険よ!!」
「え、でも、なんかあったかいしおなか膨れてるような」
「ゆず!! だめ!!!」
なんか顔が赤くなってるお母さん。
なんでだろ。
だってこう、じっと目を閉じておなかに手を当てるとさ、おまんじゅうたちの声が聞こえるんだもん。
「……中で動いてる」
「ゆずぅ!!!」
主におまんじゅうがひっくり返って振動してるあの感じ。
「おなかの中って結構感覚敏感なんだね」
「ゆず!!!!!」
【●REC】
【ふぅ……】
【あああああああああああ!!!】
【NTRはイヤだNTRはイヤだNTRはイヤだNTRはイヤだ】
【やだやだやだやだやだやだやだやだ】
【あ、なんか興奮してきた】
【草】
【ユズちゃん……】
【マジで無知なのに的確に俺たちを刺激してきとる】
【これが……サキュバスの実力……】
【本当にそれっぽいんだよなぁ……】
【確かに】
【ユズちゃん、そういや前からちょくちょく無自覚にしては的確すぎるえっちワード振りまいてたからてぁ……】
【もしかして:そのせいで理央様、子供のときに性癖歪められた】
【理央様かわいそう】
【でもこんなことになってるのは理央様自身のせいだと思うよ】
【理央様ファンもそう思います】
【草】
【お前ら……】
【大丈夫、待機場所近くに襲撃してきたモンスターたちの討伐中だから】
【お前ら戦闘しながら配信見てコメント打ってんの!?】
【草】
【え? 当たり前でしょ?】
【当然のスキルだよな?】
【視聴者たるもの、配信者の耐久配信には付き合うべきなんだ】
【そうそう、末裔を名乗るにはこれくらいできなきゃね】
【なんでそんなことできる人たちがユニコーンみたいなことしてるの……? それくらい時間作るくらいにマメで普通に実力なあるならさ、普通に彼女とか彼氏作れるでしょ……? なのになんで?】
【 】
【 】
【 】
【 】
【 】
【 】
【あまりにも無残だ……】
【ひどいよ こんなのってないよ】
【ばかばっか】
【大丈夫大丈夫、リアルでの戦闘には支障ないから】
【えぇ……】
【ダメだ……こいつらがすごいのかただのバカなのか分からなくなってきた……】
【だってユズワールドに魅入られし者たちだよ?】
【草】
【言い方ぁ!】
【なんたってサキュバス姉妹だったんだからな……】
【そうだぞ、しかも魔族のだぞ】
【ちがうぞ、魔王が魔王って言ったんだから魔王なんだぞ】
【なんてことだ、魔王なサキュバス姉妹だったか……】
【草】
【でも、あんな格好……ふぅ……】
「で、これってなんだろ」
――ユズ様のテイム能力だと推測されます。 魔王の攻撃を受けそうになり、とっさにワタシたちを収容されたのだと。
「おなかの中にみんなを入れたってこと?」
――その表現はやめた方が賢明だと具申します。
「? ……おなかの中にみんなを受け入れた?」
――さらに危険ですのでお止めくださいませ!
【ふぅ……】
【ふぅ……】
【お前ら……】
【だって、ユズちゃんが】
【そうだよ、ユズちゃんがおなか出したえっちな格好で】
【おなかを撫でながらおなかに話しかけてるんだもん……】
【ふぅ……】
【えっち】
【えっち】
【おへそがえっち】
【これがえっちってやつなんだ ちょっと大人になった】
【え、お前何歳よ】
【小3】
【草】
【つまりはユズちゃんの同級生くらいか……】
【草】
【悲報・ユズちゃん、小3の性癖ねじ曲げる】
【悲報・同級生、小学校中盤にして供給少なすぎる性癖持ちに】
【かわいそう……】
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