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ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。  作者: あずももも
8章 「ユズワールド」脱出と、新顔2匹/人と

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260話 みんな

『人族は実に矮小だ。 肉体も弱く知性も乏しく、魔力も持たない個体すら居る』


「………………………………」


『唯一の特技は、目を離すとすぐに増えるという弱者特有の数に任せ、得意な個体を作り上げること。 ただ、それだけよ』


「………………………………」


ああ。


この人の……魔王さんの言うことは、あれだ。


何でもできる人が、僕みたいに何もできない人のことを見下ろしてくる、あの蔑みを込めた――いや、それすらもないもの。


『――その癖に我らの真似事をし、適度に崩さねばすぐに術式も知識も模倣して我らの地位を脅かさんとしてくることよ』


「………………………………」


『奴らは滅せさねばならぬ。 1匹たりとも残してはならぬ。 でなくば――千年に1匹程度、我らを屠るやもせぬ個体が現れる。 汝もそう思うであろう?』


分かり、あえない存在。


――この世界にも、ちょっとだけは、存在する。


だから。


「……ゆず」


「お母さん、ごめん」


そっと手を握ってきてくれたお母さん。


「僕は、一応でも戦えるから。 ……上のみんなの、時間稼ぎくらいしなきゃ」

「分かってるわ。 私も、同じ気持ち」


それに、一応でも僕が抵抗してから……どうなるのかは分からないけども、捕まれば。


僕をどっかに連れ帰るまで、少しだけだろうけども敵の戦力は削がれるはず。


たとえ、これだけの数の中の数匹でも。


もし、抵抗した僕に怒って、僕のことを直接魔王さんが連れ帰ってくれるなら……その分、きっと。


「……ユズ様」

「お前、戦うのか……」


「エリーさん、おやびんさん」


振り返った先には――表情がよく読めなくなってる2人。


「――テイムって、どうやったら解除できるんですか?」


「……テイムを、解除」


「はい」


ぐるりと見渡す。


おやびんさんをバカにした感じだけど、多分それは愛情表現の一種だって感じる、ワイバーンさんたち。


サキュバスさんとインキュバスさん。


人間と共存できるモンスターだったり魔族だったりする人たち。


「みなさんまで、巻き込まれる必要はありません。 今ならまだ……テイム解除して全力で逃げたら」

「そうねぇ。 このおっきなヘビさんたちの目的は、人間だもの」


彼らは、別の世界からやってきたって言ってた。


なら、僕が抵抗しないで降伏する代わりに、彼らだけは見逃してほしい。


それがダメでも、たったの数分だったとしても――ここで、みんなが動くための時間稼ぎができる。


今なら、それができる。


地上のみんなは……そのあとのことだ。


「………………………………」

「………………………………」


彼らは――お互いに顔を見合わせている。


「ぴ! ぴ!」

「きゅい!!」


「……おまんじゅう。 チョコ」

「2人とも、無理しなくて良いのよぉ。 エリーちゃんたちに連れて行ってもらえば」


「――――ユズ様」


「ユズ、お前なぁ」


ざっ。


どしん。


……おやびんさんとエリーさんが、僕たちの横に並ぶ。


「契約の際に、申し上げました。 ワタシたちの――我らのすべてを、貴女に捧げますと。 その言に、偽りは存在しません」


「お前とは酒吞んだダチなんだ。 ついでにテイムってのもされてるし、今さら別れたところで……どうせこいつらに追いつかれるしな」


「……エリーさん、おやびんさん」


「……ぎゅい」


「……おまんじゅう」


「び」


「……チョコも」


どうして。


どうして、みんなは逃げてくれないの。


だって、君たちには何の関係も、ないはずなのに。


【ユズちゃん……】

【ユズちゃん、もうちょっと周り、見ようね】


【そうだよ、みんな来てくれてたじゃん】

【親衛隊とか、バカみたいなことしてさ】


【同級生数百人、ご近所集合で千人単位がユズちゃんのために駆け付けるとか、どう考えてもユズちゃんが大切だからでしょ】


【みんなが守ってあげたいんだよ、みんながしたいんだよ】


【テイムってさ、相性が良くないとできないんだって】


【ユニコーンもシルバースライムも……ワイバーンもサキュバスも  ちょっとおかしいラインナップだけど、ユズちゃんを慕ってるんだよ】


【草】

【草】

【お前……お前】

【今良いとこだっただろうが!!】

【涙引っ込んじゃったよばか!!】


【それなら  俺たちも、準備しなきゃな】

【ああ】

【たった今、速報で軍もダンジョン協会も緊急招集掛けたって】

【去年の魔王襲来以降駐留してる国連軍も動き出したな】

【ついでにやらかして肩身の狭かった合衆国軍も張り切ってるぞ】

【草】


【ユズちゃんだけのせいじゃないし、ユズちゃんだけに戦わせる訳に行かないからな】

【なに、ドラゴンの方の魔王軍戦の練習だと思えば何てことはないさ】

【元々ダンジョン化の時点で覚悟はしてたんだ  今さら怖いなんてことも思わない】

【だな】


【ドラゴンの方がミズチってのよりも、規模も強さも上だろうしな】

【そうだよ】

【ロリ女神のあの戦い見たらなんてことはないよな】

【そうだよ】


【ヘビの炭火焼きってのも良いよね】

【そうだよ】

【ドラゴンの方の魔王はGになっちゃったからね、炭火焼きの席が空いてるんだ】

【草】


【人間は雑食だからな、何でも食ってやるんだ】

【結晶にならないで死体残れば存分にバーベキューできるな!!】

【楽しみだな!】

【ユズちゃんに、とびきりの焼いてあげるんだ】

「男の娘をもっと見たい」「女装が大好物」「みんなに姫扱いされる柚希くんを早く」「おもしろい」「続きが読みたい」「応援したい」と思ってくださった方は、ぜひ最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に&まだの方はブックマーク登録で最新話の通知をオンにしていただけますと励みになります。応援コメントやフォローも嬉しいです。

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