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ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。  作者: あずももも
7章 ダンジョン化と異界と、テイム

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218話 3匹目はおやびんさん

「………………………………」

「………………………………」


朝。


朝?


朝かもしれないし、お昼かもしれない。

さすがに夕方にはなってない……はず。


根拠はないけども。


「………………………………」

「………………………………」


「ゆ、ゆず……」

「おやびん……」


起きても結局同じだった空間。


けど、そこで――ひとつの変化。


【なんだなんだ】

【なんかユズちゃんとおやびんが】

【やけにシリアス】


【昨夜、あのあと】

【何もなかったよな……?】

【ああ、普通にグチ言い合ってお互い、寝に行ってたな】

【おやびんは手下たちと】

【ユズちゃんはユズねぇと】


【じゃあなんで?】

【さぁ……?】

【ユズちゃん、マジメな顔しても何考えてるか分からないんだよなぁ……】

【それなんだよなぁ……】


【真剣に考えてるのかお花畑に蜜を吸いに行ってるのかぜんっぜん分からないんだよなぁ……】

【ああ、お花畑ってそういう……】

【草】

【ひでぇ】

【でもユズちゃんだし……】


【大丈夫、ちょうちょしてるときも分かんないから】

【ちょうちょ9:マジメ1だもんね】

【9.9:0.1では?】

【ひでぇ!!】

【草】


僕の間の前でおすわり――ドラゴンさん……じゃなくて別のモンスターらしいね――何を考えてるか分からない座り方してる、おやびんさん。


でも、もしこれが本当なら。


「おやびんさん――行きますよ」


「お、おう」


僕は、すっかり元気になっているおまんじゅうとチョコを抱き上げながら――その言葉を口にする。


「お手」

「わんっ!」


ばさっ。


片手――翼が目の前に差し出される。


【!?】

【ふぁっ!?】


「もっかいおすわり」

「はっ!」


しゅたっ。


距離を取って座り直す。


【???】

【え  え】

【なぁにこれぇ……】


「えーっと、くるっと回って鳴いて」

「くるっ……にゃん!」


ぶんっとくるり。


【鳴き声、「にゃん」なの!?】

【驚くとこ、そこ!?】

【草】

【なぁにこれぇ……なぁにこれぇ……】


「羽を……僕が知ってるCMのリズムで振って」

「しーえむ? ……なるほど、こうか」


ばっさばっさ。


ノリノリで体を揺すってるおやびんさん。


【草】

【草】

【??????】

【んにゃぴ……】


「………………………………」

「………………………………」


「……やっぱりテイム、してるね……」

「あらあらぁ」


「されていた……」


「おやびん……」

「おやびんが……」


「使おうって思った人間に……」

「使われていた……」

「あれ人間で良いのか? 本当に良いのか??」


【草】

【えぇ……】

【さりげなくユズちゃん人間説に疑問を持っているワイバーンが】

【モンスターから見てもやはりそうか……】

【草】


【ねぇこれ、悲報? 朗報?】

【朗報だろ】

【だな】


【もしかして:ユズちゃん、群れごとテイム】

【いやいや……いやいや】

【でも、ユズねぇ、昨日はモンスターを50匹1度にテイムしたよ?】

【ビンタでな!】

【草】

【おなかいたい】


「じゃ、お母さん」

「ええ」


ざっ。


今度はお母さんが、モンスターさんたちの前に出る。


「……おすわり!」


「「「「わん!!!」」」」


ざっ。


僕たちの周りを囲んでいた手下たち――加えて、飛んでいたのも急いで着地して、お母さんの方を向いて。


「……どうやら、あなたたちの……300匹くらいは、ペットさんになっちゃったみたいねぇ。 なんとなく分かるわぁ」


「おやびん……俺たち……」

「諦めろ……俺も、疲れた……」


だるーんとうなだれてるおやびんさんたち。


「ま、良いんじゃね?」

「そうそう」

「どうせ俺たちはドラゴンに勝てっこないし」

「テキトーに楽できれば良いよな」


「良い匂いだしな」

「うまいもんくれるしな」

「なんかかわいいしな」

「そうそう」


おすわりしてる手下さんたちは、なんか気が抜けた顔してて。


「……おい、どうする」

「せっかく便利だったのに」

「だが、人間……人間?の小娘に使役されるとは」

「魔族の面汚しよ……」


「ワイバーンとして許せるか?」

「許せんな」

「誇り高き魔物が、よりにもよって人間の、しかも小娘に……」


「いや、でも、あれらが人間に近い姿の魔族なら……?」

「それならば許せるか……」

「いやいや、あいつらは人間だって言ってるぞ」

「やっぱり許せん!」


【草】

【草】

【ユズちゃんたちの種族が疑問視されている】

【そらそうよ……】

【だってちょうちょだし……】


――あからさまに聞こえてくる、向けられてくる、敵意。


それに、思わず後ずさり。


「ゆず……テイム、しちゃったわねぇ」

「多分、昨日ご飯とかお酒あげちゃったせいだよ……」


「餌付けのつもりだったのにねぇ」

「餌付けが効きすぎたんだろうねぇ……」


【草】

【そんな簡単にテイムできるの!?】

【もはや倒すとかそういう次元じゃなくて……餌付け?】

【えぇ……】

【ま、まあ、もうビンタって前例もあるし……】


【なんならシルバースライムの方はおしりで押し潰したって前例もあるからな!】

【ユズちゃんのおしり】

【おしり】


【ユズちゃん……もっといっぱい食べて……】

【このままのユズちゃんで居て】

【もうちょっとないとなぁ……】

【こんなおしりじゃ元気な子を産めないよ】

【このおしりだからこそ、もしかしたら生えてるって願望があるの】


【あ?】

【お?】

【やる?】


【草】

【まーたバカがバカ言ってる】

【ばかばっか】

【末裔の集まりだからね】

「男の娘をもっと見たい」「女装が大好物」「みんなに姫扱いされる柚希くんを早く」「おもしろい」「続きが読みたい」「応援したい」と思ってくださった方は、ぜひ最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に&まだの方はブックマーク登録で最新話の通知をオンにしていただけますと励みになります。応援コメントやフォローも嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] お母さんの方は群れをよくテイムするなぁ
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