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ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。  作者: あずももも
7章 ダンジョン化と異界と、テイム

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203話 ボス部屋だ! ……ボス部屋?

ダンジョン化、ものすごい数のモンスターの居る大部屋、ひたすらに長い、上に向かっていない一本道の通路。


それを見ているうちに、ぽつりと漏れる、ヤな考え。


「……この先はボス戦、かもね。 ここが、最深部だとすると」


けども、考えれば考えるほどに導き出せるのは――僕でも、すぐに分かるもの。


そうだ、ゲームとかでもそうだもん。


なんか急に雰囲気変わるとか、急に一本道になるとかした場合、大抵その先は――って。


「……戻る? 今ならまだ……」


「うん。 でも、もうちょっとだけ……どんな風になってるか確かめないと。 部屋の入り口ぎりぎりなら襲ってこないはずだし」


ひなたちゃんと一緒に飛ばされたりしたときも、入り口までなら反応されなかった。


大丈夫。


大丈夫。


……大丈夫だって思ってるのに、心臓の音がうるさい。


ダンジョンがこんなに怖いだなんて、今まで思ったこともないのに。


なんでだろ。


……腕の中には、とっても強いおまんじゅうに、頼りになるチョコが居る。


しかも今の僕には羽が生えて空が飛べるから、安全さで言えば普段以上なはずなのに。


なら、なんで――あ、そっか。


「……今は、理央ちゃんたちが、居ないんだ。 僕が、がんばならきゃ……」


お母さんは、ダンジョンへ潜ったこともないんだ。

お母さんのペットたちも、今は置いてきてるんだ。


だから、僕が守らなきゃ。


僕が。


――僕が、1人で。


心細さ。


それが、僕を包んでくる。


【ユズちゃん……】

【普段は守られてるユズちゃんが、今はユズねぇも守らなきゃいけないもんな……】

【結局ユズママはユズねぇになったの?】

【どうやらそうらしい】

【草】

【こんなときに……】


「! ぎゅ――」


「――――――!!」


ぱぁっ。


目を開けていられないまぶしさに、全身が硬直する。


【うぉっまぶし】

【目がぁ!!! 目がぁぁぁぁぁ!!!】

【真っ暗から真っ白はやめろって!!】

【で、でも、こんなに明るいってことは、ここ、地上に】


腕で顔を覆っていたら、急に周囲の圧力がなくなる。


「一体何が……………………、え?」


「ゆず、大丈……あら、これは……?」


【えっ】

【!?】

【あの、これ】

【どっかで見たことあるような】

【あ、ああ……1年前の】


目を開くと、そこは一面、果てしない空間。


そこには物体もなく、上下もなく――でこぼこの地面以外は、ただただ謎の光がふわふわとカラフルに浮かんでいるだけ。


その地面も、先が見えないくらいに広がっていて。


その上空には、ダンジョンの中だっていうのにはるか先までピンクと紫に綺麗な空間が広がっていて。


なぜか分からないけども、体がものすごく軽くなっていて、羽でがんばらなくてもふよふよ浮いていられるんだ。


【これ……魔王が移動するときに使ってた空間!?】

【確か、地球じゃあり得ない濃度の魔力で満ちている空間だっけ】

【地面はあるからちょっと違うんじゃ?】

【地面ごとなくなったらやばすぎるから!】

【じゃあ、これ、やっぱり四天王かと幹部の仕業――】


「――――――ぎゅいぃー!」


びーっと、おまんじゅうの角から見たこともない数のレーザーが広がる。


僕がぎゅっとしてないのに、おまんじゅうが焦って自分から攻撃しているんだ。


体からぐっと魔力が……抜かれる感覚はあるけども、そこまで吸われてはいないみたい……?


なんだか不思議な感覚が、体の中を巡っていく。


それに首をかしげたり確かめたりする暇もなく、視界一面に広がった細い線の先で、次々と爆発が起きる。


けどもそれはすぐに収まり――その先から姿を見せてきたのは、昨日見た光景とは比べものにならない数の、モンスター、モンスター、モンスター。


種類も数も、密度も勢力もケタ違いの。


――家の周りが、ただのお庭だったって思えるくらいに。


「……すごい、数……」


「あら、ゆず……後ろ、廊下がなくなっるわよぉ……?」

「えっ……ほんとだ……」


【ひぇっ】

【全方位飛行系のモンスター!?】

【鳥系統に爬虫類、哺乳類、魚に羽が付いてる……】


【ユズちゃんたち逃げてー!!】

【いや、後ろ、何もなくなってる】

【え、じゃあ2人とも】


振りかえると、通ってきたはずの通路は、存在そのものがなかったかのようになっていて。


はるか遠くまで見渡せる空間、そこにぽつぽつと現れてくるモンスターたち。


「……倒さないと、逃げられない……のかなぁ」


そうつぶやいてから、「あ、これってピンチなんだ」って、まるで他人事みたいに思った。





「……ね、ねぇ……ゆず?」

「うん……」


「きゅいーっ! ……ぜぇぜぇ……きゅいーっ!」


「……たしか、おまんじゅうちゃんとの攻撃って、魔力を使い果たしたら気絶しちゃうんじゃ……」

「そう……だったはずなんだけど、いくらやっても眠くならないし……」


「きゅいーっ! ……きゅ」

「あ、はいはい、お水ね、お水」


リュックにくくりつけてきたペットボトルからお水を手にすくうと、じゃぶじゃぶと勢いよく飲むおまんじゅう。


「なんかね、使っても使っても全然減らない感じなの」

「そうなの、不思議ねぇ」

「不思議だねぇ」


「ごくっ……き、きゅい……」


【朗報・ユズちゃん、無限の魔力】

【魔力タンクの爆誕か】

【ここってあれだろ? かつて女神と魔王が決戦した空間】

【魔力が濃いってのは、本当だったんだな……】


【ユズちゃんが……もうどのくらいよ】

【1時間以上だな】

【それだけの時間、ずっとばかすかビーム撃たせてへっちゃらだもんなぁ】

【なお、ユニコーンは息も絶え絶えの模様】


【俺、初めてユニコーンに同情したわ】

【おまんじゅうちゃんかわいそう……】


【ああ、普段から誰かの胸元でセミスタイルしてたり、百合空間で微振動してたり、ユズちゃんが襲われると奇声を上げてたりしてたイロモノ扱いだったからなぁ……】


【草】

【ひどいけど普段が普段で】

【撃つたびにきゅいきゅいって叫んでるんだし、そりゃあ喉も渇くよなぁ】


【ちょっとかわいそう】

【大丈夫、安全になってモフられたらまたセミになるから】

【草】

【セミは止めろって!!】


【けど、ユズちゃんが無限魔力になったから大丈夫っぽい……?】

【あとは敵の増援次第だが】

【出口がないのがねぇ】

【とりあえずはひたすらぶっ放し続けるしかないな】


【なお、ユニコーンの負担は考えないものとする】


【いつも良い思いしてるだろ、こういうときくらいがんばれ】

【そうそう、男の夢堪能してるんだから当然だろ】

【辛辣で草】

【末裔を自称してるけど、いつも妬ましかったからね】

【最低過ぎる……】

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[一言] ユニコーン同士の嫉妬が醜いw
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