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ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。  作者: あずももも
6章 庭のダンジョンと衝撃

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186話 お庭でお鍋を

「~~~~♪」


【えぇ……】

【なぁにこれぇ……】

【ちょうちょなユズちゃんだよ】

【かわいいね】

【かわいいね】


【語彙力が消失している視聴者たち】

【だって……ねぇ……?】

【ああ……】


「やっぱりお野菜たくさん食べるにはお鍋だよねー」

「きゅいー」


【草】

【この子、なんで敵地のど真ん中で楽しそうなの……?】

【ユズちゃんだから……かな……?】

【んにゃぴ……】


【どこぞの女神様を彷彿とさせる肝の据わりっぷり】

【妖精さんだからね、やっぱりちょっとおかしいんだよ】

【全方位をモンスターが囲まれて呑気に鼻歌……】

【やはりユズちゃんは人外だったか……】

【そうじゃないとでも?】


僕は、考えた。


――ここは、多分、ダンジョン。


ボス部屋っぽいけどもボスっぽいのは居ないって言うか、もしかしたら全部がボスモンスター扱いなのかもしれない。


多分僕たちは、ダンジョン化に巻き込まれた。


「ダンジョン化したらどうなるか分からない」って学校で習ったこれは、他のとこでも同じなのか、それもまた分からない。


けども、とりあえず僕のとこは家の敷地内が丸ごとセーフゾーン。


「らいおんさんとおおかみさんが覗いてきてるけど、飛び越えてこないし」


【草】

【やだこの子、キマイラ?とグレーターウルフ?見てもへっちゃら】

【なんなら近所のにゃんことわんこ見てる感じしかしない】

【草】


【かわいい】

【かわいい(ヤケクソ】

【いっそ、ユズワールドに巻き込まれた方が楽だぞ?】

【もうそれでいいや……】

【草】


なら、まずは魔力を回復させるのが先決。


いつなだれ込まれるか分からないけども、そうなったらどうせ家の中に入り込まれて登って来られて。


仮に屋上なら助かるにしても、お母さんと2人――せいぜいが災害グッズしかないんだ、持って数日。


「それならちゃんと、なんかすっごくでっかくて立派なお野菜たくさん食べて、少しでも魔力回復した方が良いよね。 せっかく、こんなに食べきれないくらい生えてるんだし。 もったいないし」


【正しい……恐らくは正しい判断なんだが……】

【ユズちゃんがやってるとねぇ……】

【こう……】

【キャンプで楽しんでるロリっ子にしか見えなくてなぁ……】

【草】


【お庭にカセットコンロ持ってきて、鍋持ってきて、そこでぐつぐつお野菜似てる……】


【うまそう】

【これ、キャンプ系配信だって絶対!】

【草】

【飯テロ】

【ユズちゃん、なんでわざわざお庭でやってるのぉ……?】


【モ、モンスターを警戒してなんだよ……きっと……】

【そうであってくれ……いやムリか】

【草】

【ユズちゃんへの信頼が厚い】

【信頼(ちょうちょ】

【草】


ぐつぐつことこと。


「……KUUUN……」

「UWOOOOON!」


「あげないよー」


気が付いたら塀に数十匹のでっかいモンスターたちが……塀に触れるとダメージを受けるらしく、後ろ足だけで立って僕のことを見下ろしている。


「君たちは敵だからねー、匂いだけで満足してー」


たくさん食べられるように、味は落ちるけどもくたくたになって柔らかすぎるくらいにして食べるため、しっかりと火を入れないとね。


あ、ちなみに、当然だけども電気水道ガスは使えなかった。


だから、長期戦になりそうなら今晩から明日で冷蔵庫の中身を中心に食べなきゃ。


【草】

【かわいい】

【これがダンジョンだって!?】

【モンスターを見なけりゃ分からないよな……】

【ユズちゃん、ほんとどっしり構えてるよね……体はちっちゃいのに】


【あのさ、ユズちゃんのあんまりにものんびりしてるのですっかり忘れてたけど……教官さんたちは?】


【お前……】

【分かる】

【緊急事態なのに、妙に和んじゃうんだよなぁ……】

【これが、ユズちゃんのちょうちょ……】

【すべてをギャグ空間にする能力……最強だな!】


【あ、教官さんたち、突入したらダンジョンの上層だったっぽい】

【なるほど】

【つまり、ダンジョン化した時点で既にダンジョンは形成されてる、と】


【瞬間的……かどうかは不明だけども、そこにあったはずのものはどっかの階層に、このちょうちょっ子みたいに転送されるんだろうなぁ……】

【草】

【希望のはずなのに、どうしてか力が抜けるんだよなぁ……】


「あ。 忘れてたけども、理央ちゃんたち無事かなぁ」


【草】

【悲報・理央様、忘れられてた】

【かわいそう】

【本気でかわいそう】

【おいたわしい……】

【あれだけの好意をぶつけ続けても忘れられる理央様……】

【ぶわっ】

【ひでぇ】


【これ、もうユズちゃんのこと襲っても誰も怒らないんじゃね?】

【だよなぁ】

【むしろ早く襲えって急かすレベル】

【仮にガチ恋してても進んでお膳立てのお手伝いするレベル】

【理央様を全力でサポートするんだ】


【でも、多分襲ってもあんまり理解しないと思うよ】

【むしろ罪悪感で理央様が萎えそう】

【草】

【攻守完璧だね!】

【攻守とは一体……】


【もう誰ひとりとしてユズちゃんのこと心配してなくて草】

【だって……】

【ユズちゃんだもん……】

【楽しそうにキャンプしてるんだもん、この子……】

【よ、妖精さんとか精霊さんとかな分類だから……】

【ちょうちょとか座敷童とかは同類に怯えないもんな!】

【草】


「……ふぁぁ……良い匂いねぇ」

「あ、お母さん」


家の中から、のんびりした声。


「……お母さんのことも忘れてたけど、大丈夫そうだね」


【もしかして:ユズちゃん、なんでも忘れる】

【草】

【おお、もう……】

【この子、絶対保護しなきゃダメだって!!】


【お母さんものんびりしてる声だしなぁ……】

【遺伝か……】

【遺伝だね……】

【クローンかってくらいに声も似てるし……】


がらっ。


縁側の窓が、内側から空けられる。


「あら、なんだか楽しそう」


「お母さん。 今ね、魔力を回ふ、く………………………」


……からんからん。


持ってたお玉とお椀が、庭に転がる音。


「え……え……」

「? どうしたの? あら、なんだか不思議な生き物が塀の向こうに」


「――お母さんに……羽が……生えてるぅぅぅぅぅぅ!!!! きらきらしてるぅぅぅぅぅ!!!!?」


【????】

【????】

【んにゃぴ……?】

【!?!?  !?!?】


【なぁにこれぇ……なぁにこれぇ……】

【お前ら、さっき言ってたじゃんか  「遺伝だね」って】

【もしかして:母娘そろって妖精さん】

【マジでそうだったよ……】

【……遺伝ってすごいね!!】


【さすがのユズちゃんでもびっくり】

【良かった……ちょっとは情緒が俺たち側で……】

【草】

【でもお母さんはのんびりしてるよ?】


【忘れたのか? ユズちゃんに生えたときもきょとんとしてたぞ?】

【そうだった……】

【マジでこの母娘、天然を通り越してる何かだよな……】

【天然(羽が生えます】

【自然ってすごいね!!】

【草】

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