180話 3人に襲われた僕
「……ゆずきちゃん」
「ひなたちゃ、助けっ」
「………………………………」
「……ひなたちゃん?」
ぎしっとベッドに乗って来たひなたちゃん。
てっきり助けてくれるかと思いきや……抱きついてきて、胸元に顔をうずめてくる。
【●REC】
【RECRECREC】
【おっと、まさかの共犯】
【ひなたちゃん……】
【ロリがロリに襲われている】
「んー……ゆずきちゃんの匂い……ぺろっ」
「ひゃんっ!?」
僕の両肩に手を置いてくっついてきてた彼女が、いきなり首元――鎖骨を舐めてきて、変な声が出ちゃった。
【ふぅ……】
【えっち】
【これがえっちでないとでも??】
【まさかひなたちゃんが覚醒するとは……】
【割とそんな雰囲気はあった気がするけどな】
【確かに】
ふとももでさわさわ、首筋をぺろぺろ。
くすぐったい場所が2か所もあって、笑い声が止まらなくって息が苦しい。
「ひ、ひゃっ……んっ、んぅっ……!」
体をよじっても、2人をぺしぺし叩いても、なんとか声出してみても止めてくれない。
それどころか余計にぐいぐい頭が押し付けられてきて、もっとくすぐったくなる。
2人の鼻息がふんふんうるさい。
僕の叫び声がうるさい。
【\50000】
【\50000】
【このアーカイブ、家宝にします】
【家宝が増えていく……】
【ユズちゃん、顔が真っ赤になって、目がとろけてて、汗かいてて、涙がにじんでて……その……】
【しかもイヤイヤ体よじってて……】
【よ、よだれが……】
【ああ……】
【紳士淑女は黙って課金だ】
【ああ……!】
【この先もいろんなコスをしてもらうためにも……!】
「……あ、あやさぁん! 助けてぇ!!」
「……柚希さん」
2人が息を吸うために一瞬止んだから、なんとか声を絞り出す。
きっとあやさんなら助けてくれる。
今まで見てただけなのは……うん、びっくりしたからだろう。
そうだよ、いきなり僕が2人に笑わせられてるから。
「……柚希さん」
「あれ? そういえばあやさん、どこ――――わぷっ」
【!?】
【ふぁっ!?】
【カメラに映ってないと思ってたが……】
【あの、ユズちゃんを後ろからぱふぱふ……】
【ああ……ああ……!】
【でかい】
【挟んでる】
【ユズちゃんの顔が、すっぽりはまってる】
【なにこの天国】
「あ、あやさん!?」
「……ごめんなさい柚希さん……でも、抑えられなくって……」
「何が!? 良いから助けてください!」
「も、もうちょっとだけ……」
なにがもうちょっとだけなの!?
頭のてっぺんから耳までが……あの、これ、多分ブラジャー、つけてないよね……だって柔らかすぎるもん……あやさんの、2つのお胸に挟まれている。
あったかくて、柔らかくって、弾力があって、重量があって。
「はぁ……♥」
「んぅっ!?」
しかも……嗅がれた!?
頭の匂い、嗅がれたぁ!?
ちょ、やめて、いくらなんでも恥ずかしいからぁ!
「や、やめっ、や、やぁっ……!」
【すげぇ……】
【何この天国】
【ユズちゃんちだよ】
【これが……サバトか……】
【サバト以外のなにものでもないね】
【あの……ユズちゃんはユニコーンの対象で、その、聖域だから、そういう気持ちにならないようにしてたけど……】
【さすがにムリだな】
【これはムリでしょ】
【大丈夫、理央様公認だから】
【なら遠慮なくえっちな気持ちになろう】
【草】
【気持ちを抑えられなくなった乙女3人は、おもむろに想い人を羽交い締めにし】
【思い思いの欲望を、彼女に捧げている】
【それは、実に素晴らしい理想郷】
【乙女たちのめくるめく、百合の花咲く時間】
【それは秘められた出来事】
【けれども敢えて表にさらけ出すことによって、自分たちの優位さを見せつけている】
【それは、甘美な本能】
【やがてその本能は、彼女を貪ることしか頭になくなっていき、次第に我慢ができなくなった彼女たちは、彼女を髪の毛から足先までを順繰りに……】
【お嬢様方! おやめくだされ!!】
【お嬢様方! 百合のお嬢様方!!】
【難しい言い回しなのにやけに頭に入ってきてもっとえっちな気持ちになるからやめてくださいお嬢様方!】
【草】
【なんでお嬢様方って文才あるの?】
【百合に全てを捧げているからな……】
【なんかもう即席官能小説がコメント欄をすごい勢いで埋めてるんですけど……】
【コメントも含めてこの配信なんだ】
【ああ……!】
【アーカイブ観るときは連作官能小説を楽しもう】
【なるほど、そういう使い方が】
【草】
【これ、健全配信よね……?】
【大丈夫、誰も服とか脱いでないから大丈夫】
【でも、音声とか動きとか……】
【BANされないように祈ろう】
「ちょ、あやさ……ひゃんっ!? そ、そこは舐めないで……あんっ!? ふ、ふともも! そんな奥はダメぇー!!」
じたじたしても3人がかりで抑えられてて動けない。
あれ?
なんか前にもこんなことなかった?
くすぐったさすぎて息が苦しいんだけど?
「お……おまんじゅう!」
「き゜ゅ゛」
「い゛゜」
「 」
【草】
【なんだ今の声】
【もしかして:見切れてるとこで事切れてる】
【草】
【尊すぎて振動すらできないか……】
【そらそうよ】
【誰でもなる、しょうがない】
◇
「ふーっ……ふーっ……!」
「後悔してません」
「ゆずきちゃんの……しょっぱくておいしかった……」
「私、私……なんでこんなことを……」
どうにかしてみんなを引っぺがした僕は、「めっ」て怒って3人を座らせてる。
もちろんあやさんは、部屋の隅の方に脱ぎ捨ててあったでっかいブラジャーもつけさせてから。
「理央ちゃん」
「ごめんなさい」
「ひなたちゃん?」
「ごめんね」
「あやさん?」
「申し訳ありません……」
【草】
【ユズちゃんが珍しく怒っている】
【そらそうよ……】
【しかし良くもまああそこから逆転した】
【そこで興奮しないで怒るのがユズちゃんよね】
【あれだけのことをされても、まさか……】
【ユズちゃん……】
【だから小学生って言われるんだよ……】
【いくらなんでも、さすがに高校生で反応しないってあり得ないし……】
「コメント欄のみなさん?」
【ごめんなさい】
【ごめんね】
【でも正直すごくえっちだった】
【分かる】
【反省はしている、でも後悔はしていない】
汗はだくだく、服は……いつの間にか上着は脱がされてたけども、乱れに乱れてて、髪の毛もぼさぼさ。
【でも……】
【ああ……】
【今のユズちゃんだけで…… \5000】
【ふぅ…… \10000】
頭もふらふら、体もふらふら。
だけどもどうにか這い上がった僕は、お説教をしている。
「いい? ダメって言ったらダメ。 分かる? やめてって言ったんだよ? やめなきゃ怒るんだよ?」
「ごめんなさい、つい……」
「理央ちゃんが始めたからいいって思って……」
「おふたりと柚希さんの様子を見ていたら、抑えがたく……」
【理央様が……】
【理央様が始められたから……】
【これは鑑賞せねばと思いまして……】
【お代はきちんと納めさせていただきましたげへへ】
【草】
【でもユズちゃん、意外と体力あるのね】
【確かに】
【あれだけ悶えさせられて、気が付けば復活してたもんな】
【今度は妖精にならずにな】
【なんか一瞬のスキ突いてぬるっと脱出したよね】
【もしかして:百合の主の素質あり】
【もしかして:実は攻めの才能あり】
【ガタッ】
【草】
「もうっ……」
僕は、またまた助けてくれなかった、役立たずのおまんじゅうを拾い上げる。
「……こんなこと、僕以外の女の子にしちゃダメだからね?」
【what?】
【!?】
【なんだ今の表情】
【なんかすごく……】
【扇情的……】
【もしかして:ユズちゃん、誘い受け】
【誘い受けして満足させてから一転攻勢……?】
【すげぇ……】
【百合ハーの受けでありながら主なんだ、それくらいでないと持たないんだろう】
【ユズちゃん……もっと応援するから、もっと襲われてね】
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