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ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。  作者: あずももも
6章 庭のダンジョンと衝撃

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173話 1週間毎日野菜がたくさん

「いやぁ、ユ……星野を気にせずに親衛隊できて楽だな!」

「だなぁ」


「これまではずっと、見つかるぎりぎりを見極めながら全員で連携プレーだったからな」

「楽しかったけど、疲れるしなー」


「しかもこっちだと……バイト代が、出る……!」

「しかも、かつては何とかして俺たちからいろいろあげてた星野からな……!」

「何その逆転劇」

「興奮するな!」


「きゅいー」

「はいはい、次のね」


今日も今日とて野菜拭き、ときどき野菜カット。


……いや、だってもう1週間ずっと毎日野菜が生えるからさ……なんでぇ?


「星野は?」

「さっきまでちょうちょ、今はユニコーンの世話、こっち見てない、ふわふわ」

「OK」


「配信は?」

「大丈夫、されてない」

「OK」


「周囲は?」

「今のとこクリアー」

「OK」


庭には、もう毎日来てくれてるクラスのみんな。


午前中にみんなで肉体労働、お昼をみんなで駅前までぶらぶら食べに行って、午後は一部が残って一緒に勉強。


……僕、結構遅れてたからね……主要教科なら教科書と参考書で何とかなってたけども、ほかの教科はねぇ。


一応、毎週ノートはみんなが送ってくれてたんだけども、さすがに悪いし。


「星野、本当に聞いてないのな」

「前から学校じゃ、本にかじりついて聞いてなかったし」

「いや、体育とかではよくすみっこでちょうちょしてたぞ」

「ぶふっ!?」

「やめろって!!」


みんな、体育とか学校行事のときみたいな雰囲気。


僕はこういうの好き。


まぁ僕はこうして、そんなみんなからちょっと離れたところでぼんやりしてるのがさらに好きなんだけどね。


「だけど、さ……」

「ああ……」

「やっぱり、どう見ても……」

「まぁ前から男の制服着てても女子に間違われてたし」

「うちの学校、女子でも下はズボンって居ないわけじゃないからな」


「でも、あの髪の毛……」

「しかも今は、ちゃんとブラしてて……」

「お前……」

「大丈夫、星野は愛でるだけだから」


「この本要る?」

「いや、要らない」

「持って来んな」

「星野が見たらどうする!」


「多分よく分からないぞ」

「そうだった……」

「普通の小説で出てくるそういう場面も、よく分からないからって読み飛ばしてるしな」

「マンガでも普通にスルーしてるし」


「保健体育の知識とそういう知識が結びつかないんだよねぇ、アイツ……」

「無垢すぎてな……」

「情緒面は……そういうのに興味ない小学生って感じか?」

「中学までならまだ居たけど、高校だと希少種すぎて……」


「……きゅい?」

「? どしたのおまんじゅう」


僕がカットしてあげた野菜を、さくさくさくさくって食べてたおまんじゅうが……ふと、庭のずっと先を見上げている。


「ぴ」

「あれ、チョコも。 どうしたの?」


そんなおまんじゅうの頭に、ぴょんと乗っかってきたチョコ。


ちなみに、最近のチョコはかなりおっきくなってる。

多分たくさん土とか食べたからなんだろう。


「C班、異常は無いか?」

『え? 別に何にも』

「ユニコーンが反応してる」

『リストバンドでも反応はないかな』

「鳥の声とかに反応したんじゃない?」


2匹は僕にへばりつくようにして、じぃっと遠くを見ている。


こういうの、犬とか猫とかあるよね。

あ、預かったことあるハムスターとかもたまーにこういうことあったっけ。


「理央ちゃーん」

「はーい、一応スタンバってもらってまーす」


毎日のようにクラスに来てたから、理央ちゃんはすっかりクラスのみんなと仲良し。


だから今日も、特に女子たちと元気にしてたから僕は楽だったんだけども……なんか装備してる?


「理央ちゃん?」


「柚希先輩は2匹のこと、見てあげててくださいね」

「あ、うん」


そう言い残した彼女は――いつの間にかにダンジョンの装備をしていた、クラスの数人と出かけていった。





「不審者が居たのでお巡りさん呼んどきましたよ、柚希先輩」

「あ、そうなんだ……こんな状態になってもまだ居るんだねぇ」


「全国的な強盗さんたちですから。 この辺、お年寄りのお家が多いですし」


休憩って言いながら僕の周りに集まってきてたクラスのみんなと話してるうちに、帰ってきた理央ちゃんたち。


「大丈夫だった?」

「柚希先輩……私の身の安全を!」


「いや、理央ちゃんってば中級者だし、ナックル着けてるし、思わずで大ケガとかさせてないかなって」

「ひどくないです!?」


今の理央ちゃんは、ダンジョンのおかげで身体能力が底上げされてる。

しかも軽装備とは言え全身装備だし、普通の悪い大人程度じゃさくさくだろうし。


「あー、でも星野君、やっぱ外出るときは誰かと一緒の方が良いよ?」

「そうだぞ、家のほうでも不審者が出たんだ」


「そっかぁ。 まぁ普段は理央ちゃんか誰かが居るし」


みんなも心配してくれてるね。

特に今のクラスのみんなは優しいからね。


「星野、リストバンド、ちゃんと両腕着けとけよ」

「? うん」


ぐいっと上から腕を掴んできたのは田中君。

そうして僕の両腕に着けているかどうかを確認してきている。


「………………………………」


「田中君?」


「田中、お前……」

「!? ばっ、違ぇ!?」


「普段からそーゆーことしてるから薄い本書かれるんだぞ……?」

「だって柚希は俺の子分で!」


「はい、新作」

「要らねぇつってんだろ!! 描くなっつってんだろ!!」


「大丈夫よ、ちゃんと一般向けの差分も用意してあるわ!」

「知るか!! ナマモノやめろぉ!!」


最近はなんだか、前よりもクラスに馴染んでる田中君。


怖い顔、中学のときから金髪に染めていてごつくて体格も良い彼は、苦手にされることも多かったんだけども。


「くふふっ……」


……何があったのかは知らないけども、仲良くできてよかったね。


「あ゜っ」

「み゜っ」


「あ、今の、あのときの魔族に似てる鳴き声。 どうやって発音したよ?」

「    」

「おーい、連れてけー」

「ああうん、今のは不意打ちだわ」


「今の星野、前髪も片目隠れでヘアピンしてて、そろそろ背中の真ん中くらいまで髪伸びてるからな……」

「どう見てもロングヘアの小学生だしな……」


「田中がいじられてるのを見て、それに気がついてなくて、多分ほっこりしてる星野……」


「こんなの配信されたら……おい」

「大丈夫、配信されてない」

「いつ何時配信されるか分からないからな……」

「大丈夫、必ず2人態勢でユズちゃ――星野のアカウントに張り付いてるから」

「男の娘をもっと見たい」「女装が大好物」「みんなに姫扱いされる柚希くんを早く」「おもしろい」「続きが読みたい」「応援したい」と思ってくださった方は、ぜひ最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に&まだの方はブックマーク登録で最新話の通知をオンにしていただけますと励みになります。応援コメントやフォローも嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] おまんじゅうとチョコの不審者レーダーが正確…。 魔族さんもユズキちゃんに接近する時は掻い潜ってるわけじゃなくて物量でヘタレさせたりしてるんだからそれはね、という感じはする。
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