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144話 なんだか怒られた

「あはは、みんなさんそれ好きですねぇ……それで? 柚希先輩は、目標とかありますか?」


なんだかまた眠くなってぼーっとしてた僕に、光宮さんが僕を見てきていた。


「………………………………」


目標、か。


――最初は、お金目当てだった。


お母さんのため、その次に僕の学費のため。


……だったのに、それが全部、解決しちゃって。

だから、目標がなくなっちゃってるんだ。


「……理央ちゃんは?」

「柚希先輩と、どこまでもです!」


【理央様……!】

【とうとう告白を!】

【熱烈な告白だよなぁ】

【最低でも親友的な「ずっと一緒だよ」なんだけどなぁ……】

【ユズちゃんだからなぁ……】

【ああ……】


「あ、うん。 理央ちゃんとはずっと一緒なのは当たり前だけどさ」


「ぴゅっ」


【!?】

【!?!?】

【ユズちゃんが、まともに反応した……だと……!?】

【しかも当然だって言ったぞユズちゃん!!】

【あ、理央様ぶっ倒れたわ】

【草】


【まぁねぇ、十年越しに思いが通じたからねぇ……】

【ぶわっ】

【でもね理央様、多分ユズちゃんのセリフはそういう意味じゃないと思うよ……】

【ぶわっ】


【だよね】

【間違いない】

【親愛の情が上限なんよ……】

【どれだけ攻略しても友人以上に進まないとか……致命的なバグだな】


【逆に家族レベルまで行っちゃってるとか】

【あー】

【どっちにしても悲惨すぎる】

【まぁ、いろいろ疎いだろうユズちゃんにとっては、百合っていう概念そのものがなぁ……】


いつもみたいに、ひっくり返ってぶくぶく泡吹いてる……冗談してる光宮さんを、よくやるなぁって見下ろす。


光宮さんはうちのご近所さんだし、やっぱり家族ぐるみの付き合い。


でも、これから受験や進学、就職先……ダンジョンなら別だけども、それだって入るパーティーで住む場所だって変わる。


けども、年に2回は家に帰ってきてお話しできるし、それに――。


「理央ちゃんが良い人見つけて結婚しても、僕たちはずっと友達だからね」


理央ちゃんの子供。

お世話、したいなぁ。


僕、子供の世話は得意だから。

相手してるだけで1日が過ぎるもんね。


「      」


カニみたいに丁寧な泡吹いてる光宮さん。

コツとかあるのかな。


【止めたげてぇ!】

【理央様のメンタルが】

【ひどすぎる】

【かわいそう】

【本当に友達としての好きなんだなぁ……】

【ぶわっ】


最近は、晩婚らしい。

そうは言っても、結婚するのなら30まで。


そして光宮さんは、いつもことあるごとに「結婚したいです!」って言ってくる。


それなりに結婚願望あるってことだよね。


だから、つまりはあと十何年経ったころには、彼女は確実にだれかのお嫁さんになってるんだ。


きっと良いお嫁さんになるもんね。

僕が保障するよ。


「ママ友……ってわけじゃないけど、でも、ずっとお友達だよ」


僕は男だし。


きっと、結婚して旦那さんができたら……異性の僕と気軽に話なんて、できなくなる。


でも、それでも僕たちはずっと親友だからね。


「理央ちゃんのこと、ずっと応援してるからね。 将来は僕たちの子供も仲良くなれると良いね」


「     」


【あっ】

【えぇ……】

【草】

【ひどい】

【それはさすがに……】

【ユズちゃん……】


【ユズちゃんなりに、すっごく優しく言ったつもりらしいのがまた……】

【ああ……】

【これが……これが無自覚系……】

【理央様が崩れ落ちるレベルのな】


【理央様かわいそう】

【でも理央様、事あるごとにユズちゃんの体まさぐってるよ?】

【その場面の録画、編集してヘビロテしてるけどさ  的確にお胸とおまたを触ってるよ?】


【理央様だから……】

【理央様だからなぁ……】

【ユ、ユズちゃんは嫌がってないから……】

【素で分かってないからな!】

【無知っ子相手にここまでのセクハラを……】

【理央様……】


「……ゆずきちゃん?」

「今のはいくらなんでも……」


「え?」


理央ちゃんの口の周りの泡を数えていると、やけに不機嫌そうな2人の声。


なんか……怒ってる?


【草】

【ユズちゃんの左右で、はべってる2人がおこ】

【わりとガチのおこ】

【女の子って怖い】

【大丈夫、ユズちゃんも生物学的には同じ分類だから】

【じゃあ安心だな!】

【草】


【もしかして:ユズちゃん、マジで分かってない】

【ああ、分かってないんだろうなぁ……】

【ユズちゃんだから……】

【大丈夫? 確定小学生のひなたちゃんより情緒おこさまなんだけどこの子??】

【ユズちゃんだからな……】


【ああ、理央様が固まっておられる……】

【泡吹いて……】

【おお、もう……】

【受け入れられたって舞い上がった直後に氷水ぶっかけられたようなもんだもんなぁ】


【理央様……】

【かわいそうがかわいい】

【その概念を、俺は……理央様を通じて獲得したんだ……】

【草】


なんか間違えたらしく、左右からあやさんとひなたちゃんの怒る声。


よくある、女の子たちの会話に間違った反応したときの雰囲気。


普段怒られることなんてない僕だけども、こういうときだけは途端にいじめられるんだ。


女の子は怖いんだ。


……女の子って、やっぱ、よく分かんない。

「男の娘をもっと見たい」「女装が大好物」「みんなに姫扱いされる柚希くんを早く」「おもしろい」「続きが読みたい」「応援したい」と思ってくださった方は、ぜひ最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に&まだの方はブックマーク登録で最新話の通知をオンにしていただけますと励みになります。応援コメントやフォローも嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 慕っている異性からこれ言われるのって、完全に「貴方は眼中にありませんよ」て宣言だからもう絶望しかないな。よりにもよって「子供同士が仲良くなると良いね」って…。鬼畜生でもここまでは言わんよ。や…
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