143話 僕の目標はちゅうぶらりん
【ねえねえ、ユズちゃんたちはこの先、どんな感じで行く予定?】
【あー】
【色々ありすぎましたからねぇ……】
【本当にな……】
【確かに……気になるな】
【まぁ最初の予定とは違いすぎるだろうしねぇ……】
【違いすぎる(ユズちゃんの固有能力発揮】
【草】
「柚希先輩はともかく、この先……ですか」
「? 僕? この先?」
「はい、これからどんな方針で行くのか、どこまで冒険するのか……だそうです」
なんだか甘えてきてるひなたちゃん、それになぜか対抗してきてるらしい気がするあやさんが左右に。
だからか、今は光宮さんがコメント欄と遊んでたんだけど……僕の名前が聞こえたから顔を上げたら、振り向いてきた光宮さん。
……これから、か。
「ひなたは……ゆずきちゃんに任せるよ?」
「僕?」
「うん。 なんとなく」
そういうひなたちゃん……なーんかさっきからくっついてくるって思ったら、眠そうだなぁ。
きっと、お母さんか誰かの代わりなんだ。
良かった、別に僕じゃなくても光宮さんとかあやさんでもこういうことしたんだね。
【ああ……】
【いい……】
【ユズちゃんのこと、ずっと下から見上げて……】
【肩までぴったりくっついて、上目遣い……】
【これが、これが女の本能か……】
【女の子にデフォルトで備わっている機能……】
【あ! あやちゃんが!!】
【ちょっとおこ!】
【ほっぺてふくらませててかわいい】
【かわいい】
【さりげなく頭、ユズちゃんの頭にこてって!】
【ここが百合ですか?】
【百合パラダイスだよ】
【理央様? よろしいので?】
【ご自分も混ざらなくて】
【思う存分にWSSを叫ばれてくださいな!】
【草】
【お嬢様たちが荒ぶっている】
「ふふーんっ、この程度のことはいつもしてます! ジェラったりしませーんっ、なんなもんじゃないんでーすっ」
【!?】
【WSSしない……だと……!?】
【何があった? 何があったんだ??】
【ちゅっちゅしたのか!? とうとう……いや、ないな】
【ああ、あり得ない推論だな】
【草】
【ひでぇ】
【じゃあお前、理央様が自分からアクション起こせるとでも?】
【この理央様が、自分からこれ以上のことをお出来になるとでも?】
【ごめんなさい】
【さすがに人類の限界超えてるなぁって】
【草】
ぎゅうぎゅうと左右から押される僕。
ひなたさんも、反対側のあやさんも口数が少なくなって、なんだか体が熱いらしい。
あー、眠くなるとそうなるよね。
分かる。
あったかくなってふわふわして眠くなるもんね。
「きゅ、きゅ、きゅひぃぃぃぃ……!」
「ぴぴ、ぴぴ、ぴぴぃ……!」
【ユニコーン! 教育に悪いぞユニコーン!】
【お前……】
【シルバースライムが汚染されていく……】
【最初は純粋無垢だったのに……】
【まん丸で上下が分からない分マシだが】
【セミみたいなのは変わらないな!】
僕もちょっと眠くなったりするけども、手元で……膝の上でぷるぷる震えてるおまんじゅうと、マネして震えてるチョコでまた目が醒める。
「君たち、なんでいつもそうなるの?」
【草】
【ユズちゃんが疑問を抱いたぞ!】
【答えろユニコーン!】
「きゅひぃぃぃぃ……!」
【草】
【だーめだこいつ】
【尊さでおかしくなってやがる……】
【ユズちゃんがサンドイッチされてる状況だもん、尊すぎてしょうがないんだよきっと】
【百合と尊さの過剰摂取か、なら仕方ない】
「大人気ですよ柚希先輩、柚希先輩とその2匹」
「……これで? ま、いいけどさぁ……」
【草】
【ユズちゃんが呆れている】
【ユズちゃんでも呆れるのか……】
【この純粋なまなざしから放たれる侮蔑が……ふぅ】
【うわぁ……】
ネットの向こうの人たちの感性は、よく分からない。
僕のことを幼女だとかロリっ子だとか言うし、見かけ上、女の子だけのパーティーってことで百合……女の子同士の好き、だよね……って好き勝手言ってるし。
そんなわけないのにね。
僕は男なんだからさ。
この子たちだって、こんな女の子みたいな僕なんかよりもかっこいい男の人……それこそ、前に道で会った繁華街に良そうな気前の良いお兄さん……みたいな人が好きなはずだし。
だってテレビとかSNSとかじゃ、そういう人が人気だもん。
クラスの女子たちからいろいろ教えてもらってるもん。
【けど、ユズちゃんも不機嫌そうな顔するんだな】
【当たり前だろ、なにしろ難しいこと考えないJSなんだからな】
【本人はJKと言い張ってますが?】
【アンケート取る?】
【いらない】
【意味ないでしょ】
【ユズちゃん以外の100%ムリだって言うでしょ】
【最初から確実に決まってることをもっかい聞く必要って存在する?】
【草】
ネットの向こうの、ノリが良すぎて変な人たち。
でも、彼らなりに好意的に見てくれてるのは間違いないって思う。
じゃなければ、他の子たちはともかく僕のことなんて、こんな目立たないしつまんない僕のことで盛り上がるはずないもん。
「柚希はつまんねぇから! だから絶対調子乗って人前出るな! 分かったな!」って田中君も言ってたし。
彼はぐさぐさ来ることばっか言ってくるけど、それは僕みたいにぼんやりした人間のためなんだって分かってるから。
【聖母……】
【この見た目で経産婦……ふぅ】
【お前ら……】
【でも、お母さんと大して見た目変わらないんならさ……このユズちゃんで妄想しても良いよね……】
【ままぁ……】
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