１３３話 【悲報・ユズちゃん】２
【「一応これは機密事項――後ほど詳しく説明しますけど、ダンジョン協会を飛び越して国家の機密に指定される情報ですから」】
【なるほど】
【まあそうだよな】
【ああ……】
【だって、現状人類最強だもんなぁ……】
【ちょうちょなのにねぇ……】
【ああ……】
【「ええ、なによりも貴女たち自身の安全のための機密指定です。 しっかりと保護しますからご安心くださいね」】
【その配慮がことごとく無駄になってるんだよなぁ……】
【ああ……】
【ユズちゃんだからねぇ……】
【ユズちゃんだしねぇ……】
【なんなの？ この子、何かしらおかしなことしないと気が済まないの？？】
【おい、コメント欄で固有能力とかいう概念が出てきたぞ】
【草】
【もうそれでいいや……】
【むしろその方が安心できるまでない？】
【ある】
【どうしようもないって分かってれば諦めもつくもんな！】
【草】
【確かにそうだな、去年に顕現した女神もちょっとおかしい能力だらけだったしな！】
【あれで星が１０とかだろ？】
【それに比べたら、２とか全然マシだよな！】
【魔王を追い払う女神とか、比較対象おかしいけどな！】
【あの】
【やめて】
【いわないで】
【だめ】
【草】
【怒濤の否定で草】
【もしかして:☆の数、レベルとかじゃなくって固有能力の数とか って思いついちゃったんだけど】
【えっ】
【えっ】
【ちょっと待って！？ 新説飛び出したぞ！？】
【繋がっちゃった☆】
【えぇ……】
【こんなところで去年のいろいろの手がかりが発掘されるとは……】
【繋がってしまったか……】
【いやいや……いやいや】
【でも、なんか妙に納得できちゃうのがなぁ……】
◇
【けどこれ……ほんとどうしよう】
【気にしても無駄だぞ？ もう手遅れだ】
【草】
【ああうん、さっきからユズちゃん配信を観る配信してた連中が配信始めちゃって、ねぇ……】
【拡散されちゃったね♥】
【その連中、進むにつれて真っ青になってて草】
【草】
【かわいそう】
【彼らはただ、同接目的と興味本位で同時視聴してきゃっきゃしてただけなのに……】
【ユズちゃんが星持ちだって聞いた瞬間、全員いっせいに真顔になって配信切ってて草】
【びびり具合で草】
【マジで真っ青になってて草】
【何も言わなくなってて草】
【速攻でアーカイブ削除してら】
【そらそうよ……】
【かわいそう】
【まぁ分かるよね……星ってのは人類の基準じゃないから……】
【国家機密だからな！】
【国家機密（だだ漏れ】
【草】
【配信は続くよ】
【止める手段ないもん】
【あっちの誰もが気が付いてないってのがなぁ……】
【ユズちゃんにいろいろとレア過ぎる危険性を説いてくれてる、優しい教官のお姉さん】
【多分ここまで面倒見良い人はなかなか居ないよね】
【居ないな】
【「……ご家族ごと、ご友人ごと。 心配でしたら、パーティーのみなさん、全員ごと。 このまま、保護下に入ることも……心配でしたら、可能ですよ。 この件が漏れる、その前に。 知られる前に、安全に」】
【ごめんなさい、その配慮、もう意味ないです】
【なんなら現在進行形で、かえって拡散してます】
【もう手遅れです】
【なんかその、聞いちゃってごめんなさい……】
【草】
【お姉さん……おいたわしい……】
【ユズちゃんに関わったばっかりに……】
【この後に起きるだろうことを思うと……】
【なまじいい人そうだから余計にかわいそう】
【かわいそう】
【「きゅいー……」】
【「ぴ」】
【「大丈夫だからねー、落ち込んでないよー」】
【かわいい】
【かわいい】
【２匹がユズちゃんのこと心配してる】
【優しい】
【ユズちゃんも慈愛に満ちた声をしている】
【でもやらかしちゃってるんだよねぇ……】
【ああ……】
【せめてこの映像で癒やされるしかない】
【誰かがやらかしちゃってるのみるとさ、共感性羞恥で、わーってなるよね】
【なる】
【恥ずかしいのに見ていたいんだ】
【この気持ちは一体？】
【愛だよ】
【変だよ】
【変態へようこそ】
【＜URL＞】
【しっしっ】
【落ち込んでるユズちゃんにみんなが優しい】
【幸せで満ちた世界】
【この子たち……みんな良い子なんだけどなぁ……】
【ユズちゃんのせいでねぇ……】
【お】
【報酬】
【えーっと？ 何百匹も中級者ダンジョンレベルのモンスター倒して、さらに魔族も倒したってことは】
【どのくらいになるんだ……？】
【上級者ダンジョンクリアしたレベルじゃね？】
【つまりはトップランカークラスの報酬か】
【「――――――へぇぇぇ？」】
【草】
【ロリが変な声出してる】
【かわいい】
【驚き方がかわいい】
【あれ、でもひなたちゃんってユズちゃんに百万単位のおこづかいを、ぽんって……】
【あっ】
【そのひなたちゃんがこんな声出す金額って】
【「……うへぇ」】
【草】
【ユズちゃんその声】
【ユズちゃん！ 女の子がそんな声出しちゃ行けません！】
【どっから出たその声】
【「……柚希先輩？ ちょ、ゆずきせんぱぁい！？」】
【あっ】
【草】
【悲報・ユズちゃん、金額見て気絶】
【そらそうよ……】
【ダンジョン配信前は生活もぎりぎりだったっぽいしなぁ……】
【ダンジョンで体力と魔力酷使したらこうなるわなぁ……】
【あ、みんなが悩んでる】
【まあ、そうなるな】
【「柚希先輩ですから大丈夫ですよ」】
【草】
【流石は百合幼なじみ、慣れている】
【あ、ユズちゃんがおんぶされた】
【かわいい】
【「このまま銀行良いですか？ 実は……」】
【ユズちゃんをおぶった理央様が】
【なるほど】
【学校の学費かぁ……】
【理央様によるとそこまで高いものじゃない、けどそれさえ払えてなかったと】
【それでも１年半近く滞納してて待ってくれてるんだと】
【優しい】
【でも意地で自分が払うって聞かなかったらしいユズちゃん】
【ユズちゃん……】
【バイト代で、お母さんとの生活費と借金返済を……】
【ぶわっ】
【そういうとこは一途なんだよなぁ……】
【普段はちょうちょになってふらふらしてるんだけどなぁ……】
【草】
【い、いい子じゃん？ 生活費は自分でなんとかしたいって】
【車に乗り込んだ理央様たち】
【ユズちゃんはみんなの膝の上でぐっすり】
【かわいい】
【でもやっぱユズちゃんちっちゃいよね】
【貧乳は最高だな！】
【え、いや、身長の話だったんだけど】
【えっ】
【お巡りさんここです】
【やめて やめて】
【でもそろそろ誰か気づいて……配信されちゃってるの……みんなでほんわかしてる場面ごと……】
【致命的なワードとかはぼかされるにしてもねぇ……】
【大丈夫 さっきの国家機密よりはずっとマシだから！】
【草】
【お姉さんかわいそう】
【お姉さん……せめて救われて……】
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