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ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。  作者: あずももも
4章 初心者ダンジョン卒業、中級者ダンジョンへ

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101話 初めての25階層攻略!2

「10階層まではさくさくだったね!」

「ええ、これまでと比べたら実に平和で……」


僕たちのこれまでの冒険は、どれもなんか変だった。


初心者講習……は良いけど、その次のでは光宮さんが間違えちゃっての中級者ダンジョン、それもモンスターがわんさかいる部屋が1階層に。


その次は5階層までのダンジョン……のはずだったけど、なんか変な転移陣のせいでひなたさんと僕だけが、追加で強めのボスモンスターとの戦闘。


「そうだねぇ……これまでまともに潜れてないもんね、僕たち」


「この前は本当に……!」

「理央ちゃんのせいってのはもうナシ。 良いね?」

「……はい」


【かわいい】

【理央様が真っ赤になっておられる】

【理央様……】


【でも本当、ユズちゃんたちの冒険って普通じゃないもんなぁ】

【普通……普通ってどこ……?】

【ここにはないよ】

【多分ユズちゃんのせいだと思うよ】

【だいたいあってる】


【お前ら、良いな? ユズちゃんが無しって言ったぞ?】

【おうよ】

【ユズちゃんの言うことは絶対だからな】


【でもさ……そもそもミスで知らないあいだに配信してた時点でこうなると思ってたわ、ユズちゃん】

【ああ、自己紹介のつもりのない自己紹介初配信……】

【ここだけ聞くと意味分かんないやつー】


「あ、おふたりはまだ大丈夫そうですか?」


道中、レベルが低いあやさんと僕は、積極的に攻撃の機会をもらってた。


あやさんはモンスターの種類に合わせて炎系とか水系とかの魔法をばんばん使って、僕もおまんじゅうをきゅっと抱きしめて。


……僕も魔法、使えたら良かったなぁ……もちろんおまんじゅうの攻撃も格好良いんだけどさ、なんかこう、お人形抱きしめてるようにしか見えないらしいし……。


「ええ、特に眠くなったりふらついたりなどは。 柚希さんは?」


「僕もへっちゃらです」


僕はおまんじゅうを抱え直し、少しでも男らしいとこを見せようと胸を張る。


「あ、柚希先輩は何もないとこでもたまにすっ転ぶので、転びそうになったら支えてもらうよう月岡さんにお願いしてますから。 急に抱きかかえられてもびっくりしないでくださいね。 視聴者さんも」


「え?」


「あー、うん……ごめんね。 頼まれてたんだ」

「あ、いえ……僕は別に……」


【草】

【普段はぽけーっとしてるユズちゃんがものっすごい速さで月岡見上げてて草】

【ユズちゃん、素早いときは素早いよね】

【気を抜いてないときは普通なんだ……ただ、1日の大半で気が抜けてるだけで……】

【それって、気が抜けてるのが普通なんじゃ?】

【草】


【理央様! 野郎にユズちゃんの体に触られても良いのか理央様!】

【理央様! どうかお考え直しを!】

【おろろろろろろろ】

【草】

【お前ら……】


「柚希先輩って、だいたい歩き始めてから30分くらいするといきなり転んだり、持ってるものを落としちゃったりするんです。 だからいつも膝とか手とか擦りむいちゃってて……ダンジョン内じゃさすがに危険ですから」


「そうですね、月岡さんも紳士的な方ですし」

「不埒な真似はしないと誓いますよ。 うちの女性陣にも怒られますし、ね」


「むー、ひなたが支えちゃダメ?」

「ひなたちゃんは前衛さんだもん」


光宮さんが、全世界の前でまた僕の秘密バラしてる。


そりゃあ転んだりするよ?

だけどふわっとしてから受け身取ればすり傷で済むんだもん。


慣れてるから大丈夫なのに……もう。


「あ、理央ちゃん。 休憩はいつにするの?」


「んー。 柚希先輩とひなたちゃんが疲れてないなら、あと2階層くらい進んじゃいません? 私たち、今回ほとんど歩いてるだけですし」


これまでは、入ってちょっとしたら中級者ダンジョンレベルのモンスターたちに囲まれるか、5階層目でボスと戦うだけだった。


だから道中の長さってのがやたらと長く感じるけども、確かに時計見てみるとまだ30分しか経ってないし、僕も多分まだまだ行ける気がする。


「このダンジョンは攻略済みでマップがあるし、なにより1フロアごとが狭いところだからね。 無理のない範囲で早いクリアも良いと思うよ」


「月岡さんもこう言ってるし、僕も平気だし良いと思う」

「じゃっ、もうちょっと行っちゃいましょう!」


そう言って進み始めた光宮さんとひなたさん、僕たちのちょっと前を歩く月岡さんに、隣のあやさん。


「………………………………」


……やっぱり、ときどき困った感じで……カメラに映らないタイミングを狙ってズボンを直したりしてる月岡さん。


さりげない動きだけども、僕は知ってる。


それは、いつもズボン穿いてて――僕はときどき女子のスカート押し付けられたりしてたし、最近はずっとスカートかワンピースだけども――おまたに、女の子にはない独特の異物を抱えてる、僕たち男子がよくやるやつ。


でも、月岡さんのそれは多分異物のせいじゃなくって……さらに言えば、明るい色のズボン、パンツルックだと致命的になっちゃうかもしれないやつ。


……休息のタイミング。


そこで、どうにかスキを見つけて月岡さんを物陰に引っ張り込むんだ。





「こ、この前は酷い目に遭わされた……」


そんな、彼らから相当の距離を置いた先。


岩陰――天井の隅。


そこに、浮遊しながら目当ての「少女」を発見したその存在は、以前の肉体よりも相当に弱くなっていた。


「貴重な分体を……あれ程の守護があるとは」


目当ての「少女」を誘惑するために降り立ち、なけなしの金品を売りさばいて得た活動資金は、人間社会では絶対の存在だという警邏に連れて行かれない代償として食べ尽くされ。


ならばいっそのこと強襲して強引に純潔を――と思ったら、視界外からいきなりに撃ち抜かれて肉体を消失。


「……まぁ仕方がない。 あの肉体では、もう警戒されるだろうからな。 だが、今度こそ……ん?」


そう、慣れない口調を意識してトレースしているそれの目に留まったのは、柚希と一緒に歩いている見慣れない人間。


しかも柚希は、どう見ても必死な視線をその「男子」の後ろ姿に送っている。


「――不味い、いつの間に!? ……だがまだ純潔のようだな……ならば!」


もはや、一刻の猶予もない。


あの年頃の乙女は簡単に年上の男性に惚れ、あるいは惚れられ、良いように食べ散らかされてしまう。


そうしたら、その存在の求める味はもう得られない。


「……ふむ。 この異界はもうすぐ変容するのか……それならば」


その存在――今は、前のようなチャラ男――柚希が全く乙女の目をしなかったためタイプではないと推測――ではなく、優しい系男子の姿になっているそれは、片手を突き出し、ダンジョンの「生え替わり」を――。

「男の娘をもっと見たい」「女装が大好物」「みんなに姫扱いされる柚希くんを早く」「おもしろい」「続きが読みたい」「応援したい」と思ってくださった方は、ぜひ最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に&まだの方はブックマーク登録で最新話の通知をオンにしていただけますと励みになります。応援コメントやフォローも嬉しいです。

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