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うにたんのユメ

作者: 黒曜

あたちはウニ


黒いトゲトゲが自慢の女の子

友達にはうにたんって呼ばれているわ

あたち達のお腹の中には沢山の宝石が詰まってるのよ

だからみんなで大切に大切に守ってるの


でも、ある日船に乗った人間に見つかってしまったわ


そして友達と一緒に網に攫われてしまったの

そして、無理矢理お腹を割かれて大切な宝物を

奪われてまた海にポイって捨てられてしまったわ。


空っぽのお腹が寂しくて、悲しくて辛かったけど

あたち達は海流に乗って遠くの海に逃げたのよ


しばらくするとまたお腹の宝石が育って

あっという間に宝石は大きくなったわ。

これでまた幸せな気分になれた!って思っていたら

また捕まって無理やりお腹を裂かれて宝物を

奪われてしまったの。


痛いよ!

なんで!なんで!

あたちの大切な宝物を奪っていくの!?


今度こそ見つからないようにもっと遠くへ逃げなきゃ!


でも、ある日人間はまたあたち達を見つけて攫ったの


あたちは運良く網からポロリと落ちて、

そのままコロコロ転がりながら海にぽちゃーんと戻ることが 出来たんだけど、気がついたら誰もいなくて

あたちはひとりぼっちになっちゃった


誰か転がって来ないかなあ〜って何日も何日も

待ってたけど誰も帰ってこなかったの


ひとりぼっちはさびしいよ。


みんなはどこに行ったの?


さびしいよ


さびしいよ


とっても寂しくて悲しくてずっと泣いてたら、

体の色がだんだん白くなってきて、気がついたら

トゲトゲが真っ白になってたわ


ある日、お空のお月様が声を掛けてくれたの

「可哀想にひとりじゃ寂しいでしょ?お空のお星様になる?」


確かにあたちの体はお星様と一緒だから寂しくないかも?


でもあたちはお月様にお願いしたの

きっと友達が探しに来てくれるのを待っているから

陸で動ける身体が欲しいって、


そうしたらお月様は優しく笑って

「いいよ、その願いを叶えてあげる!」


お月様の光を浴びたらあたちの身体は白くなって

丸っこいかわいいワンちゃんになってたわ!


足があるからこれで素早く遠くまで移動できるわね!

ありがとう!お月様。


あたちは海から飛び出して人間の街に駆けずり回って

友達を探したんだけどなかなか見つからなくて

疲れて寝ちゃったの


そこへ小さな女の子がやって来てあたちを抱きしめてくれたの

そして、暖かいお部屋で美味しいご飯をくれたわ!

それにね、そこには同じ白い男の子のワンちゃんがいたの!


くんくん


あっ!


きっと彼もあたちと同じでお月様に変身させて貰ったんだ。

同じ匂いがするよ。

仲間がいるってとっても嬉しいな、これなら寂しくないね!


ここはポカポカ幸せの匂いがするから

ずっと一緒にいたいなぁって言ったら


男の子が

「もう寂しくないよ、僕がずっとそばにいるよ!

一緒に仲間を探そうよ!」っていってくれたの


すてき!すてき!


こうしてあたちの冒険は始まったの


嬉しいな、楽しいね!


いっぱい走って追いかけっこして仲間を探したら

沢山見つかったよ!

みんな色んなワンちゃんに変身していたよ


すごいね!


一緒に暮らそうよって言ったら

今のところでとっても幸せだから大丈夫だって!


それならいっかー


ふぁー

なんだか沢山走ったから眠くなっちゃったなぁ、、、





おやすみうにたん


ふかーいふかーい眠りの中は幸せに満ちた優しい世界


みんなが幸せな夢を見られますように









海のウニに掛けてますが、仔犬が数百万にもなるフレンチブルドッグは、自然分娩では産まれない特殊な犬種。人間のエゴによって何度も帝王切開で繁殖させられる繁殖犬達の現状を憂いて童話風にしてみました。

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