1話 「夢の正体」
前話からまさかこんなに日にちが経つとは思いませんでした、、、
これからは時間も確保できるはず、なので頑張りたいです
気長に行きます
「コーケコッコー!コケコケコー!」
ゼルシアの南の方に位置する国「ウィンゼル王国」の中でも南の方に位置するブルムー村。
その村のハズレの方にある大きな家で、カーテンから差し込む光と、朝を告げるツゲル鳥のうるさい鳴き声によって1人の少年が目を覚ます。
「う、うるせぇ……あのクソ鳥また家の近くに巣を作りやがった……。」
そう悪態をつき、欠伸をしながら体を伸ばす。
「んん、ふわぁ〜、またあの夢か、しかも今回のは長かったなー」
アレンは今朝の夢で見た神話に似た内容の違和感についてを考えながら身支度を始める。
「あの夢はゼルシアの神話なんだろうなー多分、でもあんな鮮明な夢なんて普通みるのかな…? 空からの大陸なんて見た事ないし木があんな早く生えてくるのだって急に湖とか火山ができるなんて全く想像出来ない……」
そうブツブツと口を動かしながら階段を降り、一階に向かうといつもどうり親父が朝食の準備をしていた。
「おはよー親父」
「おう、おはよう。にしても随分と眠そうな顔してるじゃねぇか、今日は確かシュティエル先生が村に帰ってくる日だったろ? そんなんで大丈夫なのかー? 」
この親父は何かといつもからかってくる……でも自分は大人なので今日も「余裕余裕〜」と軽く流しながら既にほとんど用意された食卓につく。
「今日は久しぶりにシュティエル先生に魔法を教えて貰えるんだよな。約束の場所はいつも通り村長の家なのか?」
「そう! 時間は13時位だって!」
「んじゃお昼食ったらすぐ出発だな」
台所で朝食の準備をしている大柄の男は、背を向けたままアレンと会話をしていたが、準備が出来たのかそこそこ大きな鍋を持って食卓に持ってきた。
アレンに親父と呼ばれる大柄の男はアーデルという名前で、親父と言われているが、実はアレンとアーデルは実の親子という訳ではなく、アレンから見てアーデルは実父の弟なのだ。
アレンの実の父と母はどちらも五年前のアレンが4歳の頃に既に亡くなっていて、行く宛てのなかったアレンをアーデルが引き取り、育ての親となっているのだ。
アレンはまだ幼かったので父親と母親の記憶はあまりなく、アーデルは本当の父親のように懐いていて、村の人からも仲良し家族認定されている。
「はい、お待ちどぉさん」
そう言いながら親父は先程まで煮込んでいたカウルのスープを鍋ごと持ってきた。
カウルのスープというのは親父のよく作る料理のうちの一つであり、様々な地域で庶民的な料理として知られている。
1口サイズ(少しデカめ)のカウルのぶつ切りの肉と火の通りにくい野菜をトルトと(赤い少し酸味のある甘い野菜)ミルクで煮込み、塩やなどの他諸々の調味料を加えて作られる料理だ。
この村では、広い土地を活かしてカウルをたくさん放牧しているので、お肉だけでなくミルクもそこから調達されていて、この村の料理ではよく使われる。さらに村同士の貿易や王都への出店などもしているのだ。
「頂きまーす!! 」
2人とも向かい合って食卓につき、一緒に手を合して言う。
「どうだ、今日も美味いだろ??」
「うん! まぁなかなか美味しい! さすが親父の十八番?」
「けっ、もっと素直に言いやがれ! 可愛くないなー」
親父は少し不満そうな顔をしながらも嬉しそうだった。
アーデルの作る料理は全体的に具がすごく大きい。形も少しバラバラだが味はとても美味しい。まさに「見た目よりも味!」という感じのザッ漢!! って感じの料理だ。
「でも親父、最初の頃と比べたらめっちゃ料理上手くなったよなー」
「フッ、俺はひたすら成長するのさ。次はさらに美味い料理を振舞ってやろう……!」
「最初の頃はかなり酷かったからねー、小さい頃の俺でも酷いって思う、鍋はすぐ焦がすし手はすぐ切るし味は『何を入れたらこうなるんだ?!』ってレベルだし、ククっ。」
「うぐぅ。ま、まぁまぁ。昔のことはいいんだよ」
アレンがクスクスと頬を緩ませながらアーデルをからかい、アーデルは右手で頭を支えて恥ずかしそうにする。
「ま、それもそうだね、今は美味いし!」
アレンがアーデルにニカッと微笑んで言うと、アーデルは嬉しそうに「それは良かった」と言った。
ここだけの話俺は親父にはすごく感謝してるし料理も好きだ。
あまり記憶にはないが、自分を引き取ってくれて、慣れない色んな家事をやってくれて、剣の稽古もしてくれて。
料理も今はすごく美味しくて、親父は会話もうまい。
だからすごく感謝してるし、最高の親父だと思ってる。
絶対に本人には言わないけど……!!
アレンは1人そんなことを考えていたが、その後も、わいわいと食卓は賑やかなままだった。
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アレンとアーデルは朝食の片付けをしていた。
アレンは食卓の上の食器を水道に持って行く時に、ふと今朝見た夢のことを思い出した。
アレンのその声色は少し真剣な感じになっていたかもしれない。
「なぁ親父」
「ん?どうした」
「僕さ、またあの夢を見たんだ。それで今回は、また少し夢の続きを見れた」
「夢の続きか……確か前続きを見たのは2ヶ月前ぐらいか」
アーデルはそう言いながら食器を洗っていた手を止め、アレンを連れて食卓に向き合った。
少し真剣な雰囲気が伝わってしまったのかもしれない。
「うん、それからは何日か置きに同じ夢を同じところまで見てた」
「それで、どうだったんだ」
正直、こんなに何度も同じ夢を見て、しかもそれが遥古の神話にすごく酷似しているということが少し怖い気持ちもあった。母親からはよくこのお話を聞いていたけど、あくまで子供にも分かるような昔話だった。
それなのに……
「大樹が生えてきたんだ、それで場所がね――」
アレンはそう言い、ペンと紙を引き出しから持ってきて食卓に広げる。そして、ゼルシアの外形を描き、夢で見た大樹の生えてきた場所に大まかに印を付けた。
アレンは大陸の場所や国の場所はあんま詳しくないが、前に、親父に夢で見た大地を説明する時に沢山描いていたから、ゼルシア大陸の形はそこそこ上手く描けるようになっていた。
そしてもしもこの夢で見た大樹が……
本当に神話の、ゼルシアの神之樹と同じ場所にあるならば…………
「――この場所で間違いないんだな?」
「大体あってるはず……」
「ならこれはぜルシアの神之樹で間違いないだろうなぁ、場所があまりにも正確だ」
そしてその後、アーデルは神之樹のある場所と国、そして、神之樹がないけど大国な国ついてを一通り教えてくれた。
北の 凍える銀世界「フロストン皇国」 神之樹あり
北東の 燃えたぎる灼熱世界「アグニ・ラヴァ」 神之樹あり
東の 静寂を知らぬ雷鳴世界「ガルドニア帝国」 神之樹あり
北西の 獣神を祀る国「ゼノ・フェリス」
西の 地下の大機械都市「アングランドミカニア」 神之樹あり
南西の 繁る大密林「エルダリア」
南東の 澄み渡る海底都市「アクアゼリス」 神之樹あり
そして俺たちの住む
南の 風に祝福される国「ウィンネルシア」 神之樹あり
アレンはなるほど、と顎に手をついて考える。
神之樹の場所は正確だった。母親から場所なんて聞いたこともないし、世界地図とかも見たこともないのでここまで正確なのはやっぱりおかしい。
母上は他にもいろいろな話を聞かしてくれていたけどあまり覚えていない。しかし似たような話を聞いたことがある気がする――
んー、と唸っているとそれを見兼ねたのか、アーデルはため息混じりに右手でアレンの頭をわしゃわしゃしながら言う。
「ガキがそんな変なこと考えても意味ねーぞ! たまにあるんだよ、世の中には『夢で見た事は現実だったっ!!』ってことがよ」
そして、水道の方に向かい食器洗いの続きを始める。
「だからまぁ気にすんな、変な事ならこの親父様が何とかしてやるよ。それより今日の午後はシュティエル先生が帰ってくるんだからそれの準備でもしておくんだな」
「――そうだね、んじゃちょっと準備してくる!」
アレンはそういうとバタバタと2階の自分の部屋へと帰って行った。
アーデルはそれを確認すると無意識のうちに、拳を強く握りしめ、深くため息をついていた。
「夢に……か…………」
「――俺が何とかしなくちゃか……」
上を仰ぎながらそう呟き、また黙々と食器を洗い始めた。
次の話は今日中にあげます!
9月までには物語を一つの山場まで書きたいですね
あと国の2つ名とか国名とか人の固有名詞考えるの大変なのでアイディアあったら教えてください(白目)




