ママが家を空けてるおはなし
ドロシーとドロップは今日も実技の練習を終え疲れて帰宅してきた。ところがママは居ない。この状況が三日も続いている。
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最後会った日の夜の事、姉妹には家を空けてる事を口外するなと硬く言われていた。何をしてるんだろうかと心配になる。この状況は四日五日と続きついに七日経った頃には約束を破る形にはなるが、気怠そうに魔道書を読むカナイに相談を持ちかけた。
「ああ、一昨日会った。城下町で緊張した面持ちで宿に入って行ったな。その後見てないから分からんが、もしかしたら王妃に用事あったのだろう」
ドロップは勘づいてないみたいだがドロシーはそうでも無かった。ママは盗賊をしていた経験があり当時の仲間にそそのかされて、また何かを盗もうとしていたのではと考察した。
後ろめたい事が無ければ口外するなと言わないはず。そんな不安が膨らむ。
一方トイナと方は深刻な話をしている3人に視線も向けず胸筋で騎士団時代の時に着ていたと謳う鎧を破壊する。意味が分からない。
次に軽く子牛を片方の脇に抱えては満面の笑みで白い歯を見せながらグルグル踊りまわる。一部のクラスメイトからはキャラクター性が好評で、いつも周囲は賑やかであった。
さて、ドロシー達3人に視点を戻す。
話は進みドロシーの考えがより近いのではないかと言う結論に至り、皆で王国へ向かおうとなる。
ドロップがもじもじ人差し指の原を擦りながら、トイナに城下町への行き方を聞く。
「はっはっはっは! 王妃に会おうと言うのか! 面白い! あのお方は! ……恐ろしいぞ」
いきなりしょんぼりして同じ仕草をする。子牛もしょんぼり。
「噂だ。俺が騎士団入ってた時の噂だが……剣に執着してる、らしい。それでも王妃に、いやお母さんだろうけど、それでも城に入ると言うのかね」
カナイが拳を作ってギリギリ音を立たせる。あまりの力みにトイナもビックリ仰天。
しばらく顎に指を当てて考える動作をした後、また笑顔になって鶏肉用の鶏の羽を毟りつつ首を横に振った。
「いや俺が悪かった、これも経験だ。行きたまえ! 行ってしまえー!」
血抜きを終え軽い味付けをした鶏肉の塊を3人に平等ぐらいにして渡す。
3人とも「ありがとうございます!」とぺこり。宿谷を出て一度ドロシーの家で作戦会議をしようと一度自宅へと向かう。
恐ろしい景色だ。
赤い液体が玄関の扉のノブにべったりをついている。周辺もその液体で引きずった痕跡がある。
恐る恐る先陣を切ったのはカナイ、手が汚れないように慎重に空けては隙間から中を覗く。
目を見開く。そこにはドロシー達のママが傷だらけで倒れていた。
カナイの断末魔が辺りに響き渡った。




