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打倒変なお兄さん

 ドロシーの自宅で、他にドロップやカナイがいるといういつもの三人が井戸端会議をお茶菓子交えながら進めている。

 まずは相手の実力を調査しようという事で、誰から殴りかかるかの押し付け合い。無論魔力がないドロシーが体力面で勝てるはずもないので、ドロップかカナイに委ねられた。

 そこで問題が一つ。カナイは多分凄い魔力の量を持っているので、中間で行くと消去法的にドロップしかいなくなった。

 はい決定。簡単な会議を終わらせ即日実行。トイナを見つけ出しては問答無用で魔法杖を駆使し何本ものトゲトゲした薔薇をうねらせ、対象に集中させる。

「お! 盛んなのはいい事だぞー! お兄さんハッスルハッスル!」

 騎士だった癖に武器も何も無く己の肉体だけで魔力を持った薔薇といい勝負している。それどころか、徐々に筋肉が押し始めた。

 体力に限界が来たドロップは息を上がらせながら「このくらいにしてやる!」と悔しそうに退散した。


 そして例の如く井戸端の大地へ舞い戻る。

「何で素手で魔法止めれるのあの変人。カナイも本気出しちゃうから、あの変態嫌い」

 あわあわしながらカナイの顔の前で手を振って止めようとする。止めるまでも無く止まってる気もするが。

「止めてるけどさー、ドロシーはなーんかあるの。策だよ」

「いや私魔力ほぼ無いし……」

 カナイはやれやれと首を横に振って笑いながら呆れた。

 呆れながらもその顔は瞬間的に案が浮かんだ悪い顔である。

「無いからいいのさ」

 先ほどと同じ構図で壁に隠れるドロップとカナイ。むりくり出されたドロシーと太陽を顔に凝縮したようなマッスルフェイス。

「今度は嬢ちゃんがハッスルかな? いいぞー! どんどんかかってきな! ハァ!」

 ドロシーが持っているのは鶏で、今は普通の姿をしているが命を失う直前になると一瞬化け物になるという種族の鶏でもある。勿論このハッスルお兄さんは知らない。

「サンダーさん! 是非この鶏を切ってあげてください! そして鶏肉に!」

「おー差し入れか! 君は優しい「ハッスルん」なんだね! このハッスルん会のメンバーカードを上げよう!」

 ドロシーの方が微妙な気持ちになってしまった。ここでまさかの鶏を持って帰ろうとするトイナを静止させて、カナイにアイコンタクトを送っては鶏は大怪我を負った。

 頭の無い鶏の首から黒いノイズのような煙が出てきてある程度の大きさになった。それがトイナに向かっ猛突進をした。

 それも片腕で止め鶏モンスターを一網打尽に滅した。

「ふう! 不意打ちとはやるねぇ! だが、お兄さんは鍛えている! それを忘れないでくれたまえ。はーっはっはっはっは!」


 少女3人は打倒お兄さんを諦めた。

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