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トリガー
彼女視点
あなたは覚えてないけれど
あなたは私が辛いとき
頑張る気持ちをなくした時に
「頑張れ」って言葉じゃなくて
そのままの私でいいんだよって
その時の私を認めてくれて
私を救ってくれたんだよ
今よりずっと化粧っ気もなくて
人を直接見るのが怖くて
眼鏡を通して周りを見ていた
誰にも気にされることのなかった私に
あなただけが許しをくれた
今のままの自分でいいと思えたら
少し自分に自信が持てて
少し自分を変えてみたくて
仕事であなたに会えるって
分かった日から少しだけ
雰囲気を変えるために
眼鏡を外して
感じも変えた
本当は話をした日に
気づいてほしいと思ったけれど
暗がりで一人で沈んで下を向いてた私の顔を
あなたがちゃんと覚えてるはずもなくて
やっぱり気づいてもらえなくて
でも、折角出来た繋がりだからと
あの日を境に挨拶だけは
頑張ってみようと心に決めた
今はまだ会釈だけだけど
いつか話せる機会はあるかな…