表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彗術犯罪対策隊の高校教師  作者: 檀 天弥
第1章 赴任
3/9

第1.5話 一日の終わり

長官の思わぬ言葉に黒翔は驚きと戸惑いを隠せない


  「一体何をおっしゃっているのですか?理解が追いつきません」


  「言葉が足りなかったか?お前には高校教師となってある生徒を守ってもらう」


  「ある生徒?」


  「まあ今日はもう遅い。詳しくは明日九重から聞いてくれ」


  九重とは長官の側近である九重八尋のことである


  —もう正直何が何だかわからない。ただこれだけはわかる。今の対策隊は信用できない。こんなことなら


  「はっきり言って今の対策隊は信用できません。俺はもう除隊させて...」


  長官が黒翔の言葉を遮る


  「本当にいいのか、それで。紫山副長官の恩をわすれたわけではないだろう」


  彗術犯罪対策隊副長官の1人である紫山仗助は黒翔や他の第4部隊隊員にとって恩人である。黒翔たちが孤児院にいたころ行く当てのない彼らを引き取り対策隊隊員として育ててくれたのだ。黒翔にとって彼は自分の未来を救ってくれた人物であり、最も尊敬する人の1人なのだ


  「お前がここをやめれば紫山副長官の恩をあだで返すことになるぞ」


  —確かにあの人には返しきれない恩がある。悔しいが長官の言うとおりだ。ここでやめるわけにはいかないか...


  「わかりました...では失礼します」


  「ああ」


  長官室の扉を閉め黒翔は思いつめた表情で部屋を後にする


  —結局大したことも言えなかった。あいつらを守ってやれなかった...こんなことになる前に手を打つべきだった。本当にすまない...みんな...


  「黒翔!」


  「紫山副長官...」


  「すまなかった。お前たちを守ってやれなかった...解散に反対したのは俺だけだったんだ」


  「いえ、紫山副長官のせいではありません。すべて自分の力不足です。拾っていただいたのに申し訳ないです。反対してくれてありがとうございました。」


  「いいか、これはお前のせいではない。幹部会の奴らの頭が固すぎたんだ。だからお前が責任を感じる必要はない。わかったな」


  「ですが...」


  「とにかくもう今日は休め。」


  「すいません...」


  こうして嫌な一日が終わった。黒翔は複雑な思いを抱えながらベッドの上で眠りにつく。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ