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第17話 カーテンの隙間から漏れる光 前編

すいません!!完全に昨日更新忘れてました!!!第17話です!!!

 その後、せっかくだしと音羽も交えて台本へのメモ書きを進めた私達だったが、その甲斐もあって、最終下校時刻を迎えるころには今までとは比べ物にならない、しっかりと“読み込まれた”台本を自分なりに完成させることができた。

 ……まあ、勢い余って仮の台本に書き込んじゃったから、後で正式版に書き写さないといけないのだけれど……

 そんなことを考えて陰鬱としながら部室で着替えていると、私の内心を見透かしたように音羽が


「正式版の台本っていっても、台詞とかはそこまで弄ってないし、ぶっちゃけ仮の台本をそのまま使い続けるでも大丈夫だと思うけどねー」とあっけらかんと言い放つ。

「あ、そうなの?」

「うん。凛先輩から指摘されて訂正した箇所はト書きがメインだし。まあ、本番に向けてって考えると、やっぱりちゃんと正式版の台本を持っておいた方がって気はするけどね」

「そっか……そうだよねぇ」


 はあと小さくため息をついて、「ま、家帰ったら写しとくよ」と笑って言う。


「今後のことも考えると、どうせ台詞も覚えないといけないしね。物のついでにやっちゃうわ」

「そっか。頑張ってね」


 笑い返してくる音羽を見て、それにしてもとメモ書きだらけの台本を手に取る。

 これだけメモしなきゃいけない役の心境があるのに、それを一切メモせずに、先輩の言葉を借りれば“読み込”まずに読みの練習に参加していたと考えると、それこそ背筋の凍る思いだ。

 そんなもの、ほとんど台本を見ずに挑んだようなものである。

 先輩から盛大なダメ出しを貰うのも、そりゃそうだよねといった感じだ。


「……よし、頑張るぞ」


 けど、もう大丈夫だ。今度こそちゃんとできる。

 そんな想いを抱えて、私は音羽にも聞こえないくらいの声でそう呟いた。


 *


 帰り道、相も変わらず新と音羽と3人でくっだらない、それこそ帰宅した瞬間に、今の今まで自分たちが何を話していたか綺麗さっぱり忘れてしまうくらいのアホな話をしながら家に帰ると、お母さんが何やらニヤニヤしながら出迎えてきた。


「た、ただいま……?」

「おかえり、千代」

「お、お母さん? どうしたの、そんなニヤけて……」


 私のその言葉に呼応するかのようにお母さんは「うふふ」と一段と笑顔を強めてみせる。

 え? ホントに何?! 怖いんだけど!?

 お母さんがこういう表情をするときは、娘的にはよくないニュースがお母さんの耳に届いてる場合が多い。いや、多いというかもう往々にしてそうだ。

 レベルとしては「お母さん怒らないから言ってごらん」という台詞の後に怒られるくらい確実である。

 いや、というか何があったか中々言いもせずに玄関でニコニコ立ち尽くしてるだけのお母さんって本気で怖いんだけど??


 何? 銀河鉄道の夜なの?? お祭りに行くように言われるの??


 若干思考が変な方に行きかけ、いっそこの場からダッシュで逃げてやろうかくらいの気持ちになったところで、お母さんはようやく「聞いたのよー」と世にも恐ろしい枕詞から話をはじめる。


「な、なにを?」

「千代、あんた今度の商店街でやる七夕イベントの演劇に出るんですって? しかも、新くんと一緒に!」

「な、何故それを……!?」


 ちょ、どこでそれを!? 

 私、その話一切家でしてないぞ?!

 頭ん中がぐわんぐわんしてきた私に対して、お母さんは「もー、なんでそういう大事なことを言わないのよー」と追い打ちをかけてくる。


「べ、別に言いたくなかったとかじゃないんだけど……なんていうか、そのうち言おうかなー、みたいな?」


 いやですね、別に恥ずかしいとか来てほしくないとかじゃないけど……いやいや、それも少しはあるけど、なんかそういうのってわざわざ親に言いたくないじゃないですか??

 しかも、今回のはあらた絡みだしさ……


「いいじゃない、あんたの誕生日に、しかも七夕の織姫と彦星だなんて、素敵で」

「そ、そうかなぁ……」

「しかも相手は新くんでしょー?」

「そこは全然素敵でもなんでもないと思うよ?」

「またまた、そんなこと言っちゃって」


 またまたって……お母さんは、私が新をどう思ってると思ってるのだろうか……?

 不安になりつつ「まあ、うん、頑張るよ」とだけ答えておく。


「うん、頑張りなさい。でも、無理はしないようにね」

「わかってるよ。それよりさ、その話って結局誰から聞いたの?」


 なんとなく気になった、否、嫌な予感がしたので尋ねてみると、お母さんはさも当然のような表情でこう言った。


「今日、新くんのお母さんから聞いたの」と。

後編に続きます!

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