二月五日(水)2: 緊張感を持てよ
午前の授業が終わり、昼休みとなった。
今日の俺の弁当のおかずは、ミニハンバーグ、白身魚、オムレツ、ほうれん草とベーコンの炒めもの、ポテトサラダ、ミニトマトだ。
宮田は相変わらず焼きそばパンだ。グイグイと口に押し込んで、コーヒー牛乳で流し込んでいる。
日向茜さんは女子四人で楽しそうに弁当を食べている。
なんて平和なんだ。なんて素晴らしいんだ、いつもどおり。ビバいつもどおり。今日もご飯がうまい。
「光夫、ちょっと緊張感を持てよ」
宮田に言われて、俺は気を引き締めた。確かに、ちょっと気が緩んでいたな。
「光夫、もっと楽に構えろよ」
そうだな。あまり緊張しすぎても、いざという時に頭も体も動かないよな。
「光夫、いろいろ悲しくなるよな」
そうだな。なぜだか分からないが、悲しい気持ちになる。って、おい待てこら。
「おい宮田、それやめろよ」
「まあまあ、落ち着けよ光夫」
うっ、落ち着いた。何て恐ろしい能力なんだ。
「なるほど、宮田の『回復』は、今までにあった感情を呼び起こせるということか」
「みたいだな。しかも白蕗が言うには『回復』は無効化されないらしいからな。せっかくだから俺はこっちの能力を伸ばすぜ」
ちょっと勘弁してもらえませんかね。
「ところで宮田、お前のその能力も、もちろん全体魔法にできるんだよな?」
宮田の表情が凍った。
「怖くてやってない」
「何でだよ、経験値を稼いでレベルアップするなら、全体魔法だろ」
俺は自分がもうやらないことを宮田に押し付けた。
まさか、救急車が出動する大騒動になるとは思わなかった。




