二月五日(水)9: えっ、そういう感じ?
そうだ、そういえば、叫び声を上げて飛び出していった宮田は大丈夫だろうか。俺は宮田が飛び出していった出入口のほうを見る。
「大丈夫です」
「白蕗さん、心を読まないでください」
「宮田さんが自殺する可能性は3.5パーセントです」
「えっ、何ですかそれは」
「はい。宮田さんは、金槌の一件のあと、あまりの苦痛に耐えかねたのだと思いますが、42回自殺しています。今の私の能力では、過去の記録からは感情までは読み取ることができないのですが、宮田さんは敢えて苦痛の多い自殺方法を選んでいたようです。召喚の門に粉々に砕かれた苦痛がそれで紛れるのかは私には分かりません。そしてその後、弓道部に入部してひたすら周回し続けているようです」
まさか、宮田が自殺していたなんて。しかも42回も。
「あの、3.5パーセントというのは?」
「はい。1203回の周回で42回自殺しているので、3.5パーセントです。他人の気持を正確に知ることなんてできませんから、この数字が妥当かどうかは分かりません。でもまあ今回は大丈夫でしょう」
「大丈夫って」
言いかけてようやく気づいたが、雲川さんの姿がなかった。
おにぎりを食べながら日向さんが言う。
「雲川さんなら、宮田くんが飛び出していったときすぐに追いかけて行ったよ。気づいてなかった?」
「えっ、そういう感じ?」




