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二月六日(木)12: 召喚の門の正体

「えっと、(げん)()()(とお)して(こた)えてもらいたいんだけど、お(まえ)(なん)なんだ?」

(われ)(しょう)(かん)(もん)なり』

 (しょう)(かん)(もん)のテレパシーは、()()(ちょく)(せつ)(あい)()(つた)えることができるようだが、それだと()()である(おれ)は、()(ぶん)(かんが)えなのか、(おく)られてきたテレパシーなのか(はん)(べつ)(むずか)しい。

 (にん)(げん)(のう)には、(げん)()()という(りょう)(いき)があって、(こと)()(はな)したり、(こと)()()(かい)する()(のう)(つかさど)っているらしい。(おれ)(のう)(げん)()()(とお)して(こた)えてもらったところ、(おれ)(あたま)(なか)(ぶん)(しょう)として『(われ)(しょう)(かん)(もん)なり』という(こた)えが(かえ)ってきた、というわけだ。

 (だん)(せい)なのか(じょ)(せい)なのか(はん)(ぜん)としない(こえ)だ。(なに)しろ(おれ)(みみ)()いているわけではなく、(おれ)()(しん)(のう)(ぶん)(しょう)として()()っているわけだから、(せい)(べつ)(ちが)いが()()れるわけもないということだろう。

 ああ、そうか、あの(こえ)は、これだったのか。

(しょう)(かん)()(ほう)(せい)(こう)した。ただし(しょう)(かん)(せい)(こう)しておらぬ』

 おそらく(しょう)(かん)(もん)(べつ)(だれ)かに(こた)えていたのだろうが、それがなぜか、(おれ)(のう)(げん)()()にも(とど)いていたんだろう。(おれ)にしか()こえない()(ゆう)()かった()がする。(ぎゃく)に、なぜ(おれ)にだけテレパシーが(とど)いたのかという(あら)たな(なぞ)()まれてしまったが。

 いや、()(けい)なことを(かんが)えている()(かん)はない。大展望台(メインデッキ)()(かい)()がってきた(ひと)(たち)が、()(かい)(さん)(じょう)()てすでに(さわ)ぎになっている。いずれ、()(かい)にはもう(だれ)(のこ)っていないことに()づき、この大展望台(メインデッキ)(いっ)(かい)()りてくるだろう。

 (おれ)(しら)(ふき)さんに()われたとおり、(しょう)(かん)(もん)(もく)(てき)、なぜこんなことをするのか、そして、やめさせることはできるのかを()()さなければならない。

 (しょう)(かん)(もん)(おれ)(かんが)えを()()って(かい)(とう)することもできるだろうが、(おれ)(しら)(ふき)さんにも(しつ)(もん)(ない)(よう)(つた)わるよう、(こえ)()して(しつ)(もん)することにした。

(しょう)(かん)(もん)なのか、(しょう)(かん)(もん)なのか、どっちが(ただ)しいんだ?」

 あっ、いきなり()(けい)なことを()いてしまった()がする。

(われ)(しょう)(かん)をする(もん)であり、そなたの(のう)がどのような(ぶん)(しょう)として()()っているのかは(あず)かり()らぬ』

 そういうものなのか。じゃあ、(しょう)(かん)(もん)(こと)()がやけに(かた)(くる)しいのも、(おれ)がそういう(ふう)にイメージしているからなのだろうか。

(なに)(もく)(てき)なんだ?」

(われ)(しょう)(かん)(もん)(つよ)(もの)(もと)め、(ひら)くものなり』

 いや、じゃあ(しょう)(かん)しろよ。なんで(ぜん)(いん)(こな)(ごな)になるんだよ。

「ふざけんな、(だれ)がこんな(しょう)(かん)をしたんだよ」

(しゅ)()()()により、()(らい)(しゃ)のことは()えぬ』

「つまり、(だれ)かの()(らい)があって、こんな(しょう)(かん)をしているってことだな」

『あ、しまっ、いや、うん』

 (しょう)(かん)(もん)が、うっかり(くち)(すべ)らせてくれた。いや、()(こう)(すべ)らせたと()うべきだろうか。

「どういうことだよ、そいつは(なん)(うら)みがあって(おれ)(たち)(こな)(ごな)にしてるんだ」

『えっと、その、(さい)(きょう)(もの)(たち)(しょう)(かん)せよという()(らい)であるため、(よわ)(もの)(こな)(ごな)になるように(せっ)(てい)されておる』

 (おれ)()(まい)がして、(あや)うく(たお)れそうになった。

 つまり、こいつは、この(しょう)(かん)(もん)は、(さい)(きょう)(もの)(しょう)(かん)するように()(らい)されて、(さい)(きょう)(もの)(せん)(べつ)するために、(つみ)もない(ひと)(びと)(こな)(ごな)にしているってことか。

 (おれ)はさっき、()(ぎょう)(こう)(こう)(だん)()(しょう)(かん)(もん)(こな)(ごな)にすり(つぶ)されていった(よう)()(おも)()していた。あまりの(しょう)(げき)()(まえ)(おも)()せないが。

 あれはなんだろう。(おれ)のイメージで()たものというと、(さい)(くつ)(じょう)(がん)(さい)()みたいなものだろうか。

『そんなところだ』

 (しょう)(かん)(もん)(どう)()された。

 (おれ)(ふたた)(もう)(れつ)()()(おそ)われる。しかし()(なか)がすでに(から)なので、(なに)()るものはなかった。

「つまりお(まえ)は、(つよ)(もの)(しょう)(かん)するために(ひと)(びと)(がん)(さい)()()けて、()(のこ)った(もの)だけを(しょう)(かん)しようとしているのか!」

(しか)り』

 (おれ)()が、(なに)もないものを(しぼ)()そうと(ねじ)れている。

 (しら)(ふき)さんを()る。(がん)(めん)(そう)(はく)だ。日向(ひゅうが)さん、(くも)(かわ)さん、そして()(ぎょう)(こう)(こう)(じょ)()()(にん)(どう)(よう)だ。どうやら(おれ)()()(どお)り、(おれ)(しつ)(もん)()いて、おおよそのやり()りを()(かい)してもらえたようだ。

「バカじゃねーの」

 (おれ)(みや)()にいつも()っている台詞(せりふ)(くち)にした。

「バカじゃねーの。そんなのを()(のこ)れる(じん)(るい)がいるわけねーだろ!」

 (おれ)(しょう)(かん)(もん)()かって(さけ)んだ。

()(よう)か。(どう)()でこの(わく)(せい)()(ひゃっ)(しょ)のいずれにおいても(つよ)(もの)()つからぬわけだ』

 (おれ)はあまりの(きょう)()()っているのがやっとだった。

(おな)じことを、()(ひゃっ)(しょ)でやっているのか!」

(しか)り』

 ああ、()()だ。(こと)()(つう)じるけど、(はなし)(つう)じない(そん)(ざい)かも()れない。

 しかし、(こと)()(つう)じるなら、せめてこの()(こう)をやめるように()わなければ。

『そんなに(ひど)(あん)かのう』

 (おれ)(なに)かを()(まえ)に、(さき)(しょう)(かん)(もん)()(こう)(つた)わってきた。

「いや、(つよ)(もの)(もと)めるなら、(ぐん)(たい)とか、(へい)()()っている(ひと)とかを、()(きず)(しょう)(かん)しろよ」

(しょう)(かん)(さき)(へい)()より(おと)(へい)()(しょう)(かん)したところで、(はっ)(せん)(びき)()(もの)には(たい)(こう)できぬ』

()(もの)?」

『あっ、いや、(きょう)(だい)(きょう)()(たい)(こう)するには、ここの(へい)()などでは()()たぬのだ』

 (しょう)(かん)(もん)がまた()(こう)(すべ)らせたおかげで、(しょう)(かん)(さき)にも(へい)()があり、どうやら()(きゅう)()(がく)よりも(すす)んでいるようだが、それでも(はっ)(せん)(びき)()(もの)とやらには()()たないということが()かった。

 日向(ひゅうが)さんの(みず)(あたた)めたり()やしたりする(のう)(りょく)(くも)(かわ)さんの(かなら)()()てる(のう)(りょく)(しら)(ふき)さんの(かぜ)(あやつ)るチート(のう)(りょく)で、(はっ)(せん)(びき)()(もの)をどうにかできるだろうか?

 (おれ)(たい)(ない)()(けい)調(ちょう)(せい)する(のう)(りょく)で、(はっ)(せん)(びき)()(もの)をどうにかできるだろうか?

 ()()

 ()()()()

 ()()()()()()()()

 ()()()()()()()()()()()()()()()()

『そんなに()()なのか』

()()()まってるだろ、とにかく、こんな(せん)(べつ)(ほう)(ほう)()(のこ)れる(ひと)はいない。(ぜっ)(たい)にいない。とにかく、こんなことはやめてくれ」

『しかし、(われ)(しょう)(かん)()(らい)()たさねばならぬ』

 ああ、(はなし)(つう)じない。

 (おれ)(しら)(ふき)さんをちらりと()た。そうだ、こういうときこそ、(しら)(ふき)さんに(まる)()(さく)(せん)だ。

「ちゃんと(そう)(だん)してくれれば、こんな()(ちゃ)(せん)(べつ)をするんじゃなくて、(はっ)(せん)(びき)()(もの)もなんとかできるかも()れない。とにかく、()(かい)(じゅう)でやっている(せん)(べつ)をやめてくれ」

(ほか)()()てがあるというのだな』

 ここで(なや)んだり躊躇(ためら)ったりしちゃ()()だ。もちろん(しら)(ふき)さんが(かい)(けつ)してくれるに()まってる。

「もちろんだ」

『ふむ』

 (しょう)(かん)(もん)(なに)かを(かんが)えているのか、()(こう)(つた)わってこない。

 (おれ)(しら)(ふき)さんに(たす)けを(もと)めた。

「どうやら(せっ)(とく)はできそうだけど、そのためには()()(かい)(はっ)(せん)(びき)()(もの)をどうにかしないといけないみたい」

 (しら)(ふき)さんは(すこ)(かんが)えて、()った。

「それは(かんが)えるとして、ひとまずこの()はそろそろ()(かん)()れです。()(ばやし)さん、(しょう)(かん)(もん)との精神感応(テレパシー)がどれくらいの(きょ)()、あるいは()(かん)()えて(げつ)(よう)()でも(つう)じるのか(かく)(にん)いただけますか」

 な、なんて(たの)もしい。

 そして、大展望台(メインデッキ)()(かい)(さわ)いでいた(ひと)(たち)が、(かい)(だん)使(つか)って(いっ)(かい)()りてきたようだ。「(だれ)かいませんか」などと(おお)(ごえ)()いている(ひと)もいる。

(しょう)(かん)(もん)()(もの)をどうにかする(ほう)(ほう)(かんが)える。ただ、(そう)(だん)するためには、(おれ)はこうやってお(まえ)(はな)しかける(ひつ)(よう)があるんだけど、(げつ)(よう)(ひる)(もど)ったとして、こうやって(はな)しかけることはできるのか?」

(しょう)(かん)(もん)(しょう)(かん)(もん)(おう)(とう)せよと()びかければ、(われ)はいつでも(おう)じようぞ』

 なんだよそれ。いや、ツッコミを()れている()(かん)()しい。

「ひとまず、()(かん)(げつ)(よう)()(もど)さないといけない。お(まえ)(がん)(さい)()(おれ)(こな)(ごな)になると()(かん)(もど)るようだけど」

 (おれ)(ふたた)()(ぎょう)(こう)(こう)(だん)()(しょう)(かん)(もん)(こな)(ごな)にすり(つぶ)された(こう)(けい)(おも)()していた。(しら)(ふき)さんの()(とお)り、(じん)(じょう)じゃない(きょう)()(おれ)(おそ)う。

()(かん)(もど)すだけなら、そなたが(こな)(ごな)になる(ひつ)(よう)はない』

「なんだって?」

(もと)(もと)、そなたが(こな)(ごな)になる(さい)に、(いた)(いた)い、こんなのは(いや)だ、タンマという()(ねん)(おく)ってきたゆえ、(なに)(ねが)いはあるかと(たず)ねたのだ。するとそなたがこんなことはなかったことにしてほしいと(こいねが)うので、()(かん)(もど)したのだ』

「えっ、じゃあ、()(かん)()(もど)(のう)(りょく)って」

『それ()(らい)(われ)はそなたの()(らい)をちょこちょこ(かな)えておる』

 なんてこった!

 ()(かん)()(もど)るのは、(おれ)がきっかけではあったけど、(おれ)(のう)(りょく)ではなかった。そして、(おれ)()(ごう)のいいケースが(たび)(たび)あったのも(とう)(ぜん)だ。(おれ)(のぞ)みが(かな)えられているだけだった!

「わ、()かった。(はっ)(せん)(びき)()(もの)については、あとで(そう)(だん)しよう」

(しょう)()

 (おれ)(しら)(ふき)さんを()た。(しら)(ふき)さんはこくりと(うなず)いた。

(しょう)(かん)(もん)(おれ)(たち)(げつ)(よう)()(もど)してくれ」

(なんじ)()(らい)、しかと(りょう)(かい)した』


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